経営の健全性・効率性について
当市の下水道事業は、昭和53年に事業認可を受けて事業に着手して以来約40年が経過し、認可区域内の整備も終盤となっている状況にあります。平成30年度においては、使用料収入約4億4千万円(前年度比約9千万円減)、使用料単価103.1円(前年度比20.3円減)と平成29年度の経費回収率から大きく低下する形となっております。これは平成31年度(令和元年度)に企業会計へ移行するため、打ち切り決算を3月末に行った事に起因しております。①収益的収支比率の低下(打ち切り決算の影響による)④企業債残高対事業規模比率の上昇(打ち切り決算の影響による)⑤経費回収率の低下(打ち切り決算の影響による)⑥汚水処理原価の改善(打ち切り決算の影響による)⑧水洗化率の低下(大型病院の移転による水洗便所設置済人口の減少による)一方で、施設の老朽化に伴う今後の更新や防災・減災対策による費用の増加、依然として公費に依存している現状を勘案しますと、今後も更なる経営改善が必要とされる状況となっております。
老朽化の状況について
当市の下水道事業で管理している汚水管渠延長は約193kmとなっています。このうち、緑町、綾瀬、椿山、西新宿、桜台、西洋関山などの地域は、高度経済成長期の大規模開発により宅地造成された地域となっているため、下水道の管渠が布設されてから30年以上が経過しており、老朽化対策を行っていくための計画等が必要な時期となっております。現在は、汚水中継マンホール場やマンホールポンプ場等施設のうち、耐用年数を超えた設備の修繕や更新が中心に行われておりますが、今後は重要路線や蓮田市地域防災計画にある避難所などを結ぶ路線について、優先的に耐震化等を行うとともに、老朽化した管渠の更新のための計画を策定し、利用者に安心・安全なサービスの提供を図っていく必要があります。
全体総括
これからの当市の下水道事業を考えますと、老朽化対策や防災・減災対策など、安心・安全への取り組みが大きな課題となっております。そして、蓮田市総合振興計画にある計画区域に対する未整備地区への対応につきましては、社会情勢や国の政策等、そして収益事業として利用者の利便性の向上が図られるかなどに注視しながら戦略的・計画的な検討が必要と考えております。今後において、独立した、そして安定的な事業運営を図っていくためにも、引き続き、経費の更なる抑制や新たな増収への取り組みを行うなど、今後も創意工夫し、効率的、効果的な事業運営に努めてまいります。