経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は100%を上回っており、②累積欠損金も生じていない。③流動比率については、100%を下回っているが、企業債の償還に充てる財源が4月に収入となることが要因である。④企業債残高対事業規模比率は、類似団体と比較すると下回っている。建設が一段落したことから、今後も減少していく見込みである。⑥汚水処理原価については、一部処理区を除きスケールメリットが得にくい接続率であること等により投資効率が悪いため、類似団体と比較すると高くなっている。また、⑦施設利用率については類似団体と比較して10%以上低く、⑧水洗化率も類似団体よりも低い状況にある。これは主に一部処理区において、供用開始からそれほど年数を経ておらず、市町村が実施する公共下水道の整備がすべて終わっていないことや接続率が低い状況にあることが要因と考えられる。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率については、公営企業会計へ移行して間もないことから低い数値となっている。②管渠老朽化率及び③管渠改善率については、管渠の更新時期が到来していないため、低い数値となっており、類似団体と比較しても同様の数値となっている。
全体総括
・各経営指標の状況から経営はおおむね健全である。・経営面の問題としては、公共下水道整備が完了していないこと及び接続率の低さがあり、それが各数値に影響を与えていると考えられる。行政部門との連携を図り、関係市町村の公共下水道整備を促進することで接続率の向上につなげて有収水量を増加させる必要がある。・管渠については、将来の更新時期の到来を見据え長寿命化計画により更新事業費の平準化を図っていく必要がある。