2022年度 2021年度 2020年度 2019年度 2018年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度 2013年度 2012年度 2011年度
財政力指数は、全国平均を上回る高齢化(令和3年末高齢化率34.8%)に伴う生産年齢人口の減少による個人市民税の減収や、長引く景気低迷による法人市民税の減収傾向により、平成21年度以降低下しており、類似団体平均を下回っている。令和3年度はこれらの要因に加え、普通交付税の再算定が行われ、基準財政需要額が大きく増となった、という一過性の要因も加わり、前年度と比較して0.03ポイント低下した。今後は行政経営改革プランに基づき、市税収納率の向上(現年度課税:5年間で0.3%向上、過年度課税:5年間で0.4%向上)、市有財産の処分、新たな財源の確保に取り組み、歳入の確保に努めるとともに、歳出の抑制に努め、収支均衡型の財政構造への転換を図り、持続可能な財政構造の構築に努める。
公債費、扶助費の増により経常経費充当一般財源全体で約4.3億円の増となった一方で、普通交付税の再算定が行われたことにより普通交付税が約14.8億円の増、臨時財政対策債が約4.6億円の増となったほか、市内大手企業の業績回復等により法人市民税が約3.6億円の増となり、経常一般財源等が全体で約22.5億円増となった。経常経費充当一般財源の増額幅以上に、経常一般財源等が増となったため、経常収支比率は6.7ポイントと大きく改善したが、普通交付税の再算定等、全国的な要因によるものであることから、引き続き類似団体平均を上回っている。今後は、市税全体における収納率の向上や滞納の解消、事業の見直し等による効率的な財政運営により、経常収支比率の改善に努める。
令和3年度における人口一人当たりの人件費・物件費等は前年度比9,567円の増となり、類似団体平均に比べ若干高くなっている。その主な要因は、人件費において、退職者が減となった事に伴い退職手当組合負担金が0.8億円減となった一方、物件費は令和3年度に実施した新型コロナウイルスワクチン接種事業において9.35億円の増となったことや、ふるさと取手応援寄附金事業において寄附受付等業務委託料が3.2億円の増となる等、人件費の減額以上に増となったことによる。今後は、行政経営改革プランに基づき、公共施設の民間業務委託や指定管理者制度の一般公募を進め、市場の競争原理による経費の縮減を図るとともに、適正な給与水準の維持に努める。
当市の一般行政職の給料表については、国の給料表に準じており、人事院勧告に従い、給与体系の見直しを随時行っていることなどから、ラスパイレス指数は類似団体平均や全国市平均を下回っていると考えられる。また、地域手当については、国基準による支給割合16%に対し、10%に抑制して支給(平成28年度は8%、29年度以降10%で支給)している。今後もラスパイレス指数の推移に留意しつつ、適正値の維持に努める。
待機児童対策・子育て支援の充実のために保育士を積極的に採用していることや、消防を市単独で行っていることから、類似団体平均を上回っていると考えられる。職員数は合併後の平成17年度には1,069人となっていたが、削減を続け、平成25年度以降は、800人未満で推移している。令和4年4月1日時点では797人となっており、前年度と比較すると1人の増となっている。職員の年齢構成において中高年層の構成比が高く、今後の数年間において、多くの退職者が見込まれることから、ICTや、再任用制度・会計年度任用職員制度・任期付職員制度などの多様な任用制度を活用することで、組織の効率化、活性化、スリム化を図りながら、より適切な定員管理に努める。
実質公債費比率は6.3%となっており、前年度と比較すると0.2ポイント改善し、平成30年度以降改善傾向にあるが、依然として類似団体平均を上回っている。令和元年度に起債した同報無線システム整備事業に係る緊急防災・減災事業債や、平成29年度に起債した臨時財政対策債の償還を今年度から開始したことにより、公債費充当一般財源は増となる一方、普通交付税の再算定に伴い標準財政規模が増となったことなどから、単年度の実質公債費比率は増加したものの、3カ年平均でみると、前年度比で0.2ポイント改善している。今後も緊急度や市民ニーズの高い事業の選択実施等を進め、新規発行額の抑制及び平準化に努める。
将来負担比率は12.8%となっており、前年度と比較すると17.2ポイント改善しているが、依然として類似団体平均を上回っている。数値が大幅に改善した主な要因としては、地方債償還額が新規発行額を大幅に上回り、地方債現在高が698百万円の減となったことに加え、組合等負担見込額が800百万円の減、退職手当負担見込額が157百万円の減となる等、将来負担額が減となったことによる。また、国民健康保険事業特別会計における国保財政調整基金が増加したことや、交付税の再算定に伴い減債基金を積み増ししたことや、ふるさと取手応援基金等が増加したことにより、将来負担額に対する充当可能財源が大きく増加したことも、将来負担比率の改善に繋がった。今後も後世への負担を少しでも軽減するよう、新規事業の実施等について総点検を行い、地方債の新規発行を抑制することで財政の健全化に努める。
全国平均及び類似団体平均と比較すると依然として高い割合になっている。取手市は昭和40年、50年代の人口急増期に公立保育所の新設等による職員の採用を行っていたため、高齢職員の占める割合が類似団体よりも高くなり、人件費も高い傾向となっている。しかしながら、近年は職員の年齢構成の変化に伴う職員給の減などにより人件費の抑制が図られ、27~29%前後で推移している。令和3年度決算は前年度と比較すると2.8ポイントの減となったが、これは退職者が減となった事に伴い退職手当組合負担金が80百万円減となったことなどによる。今後も組織・事務事業の見直しを実施するとともに適正な人員配置、定員管理に努める。
茨城県及び類似団体平均と比較すると下回る結果となっており、過去5年間の推移を見ても低い水準を維持している。令和3年度決算は前年度と比較すると1.3ポイント減となった。これは、GIGAスクール構想推進のためICT活用教育支援スタッフ業務委託料や教育センターシステムクラウド使用料等の各種経費が増となったことや、じん芥収集運搬委託料が増となり、分子である経常充当一般財源が増となった一方で、普通交付税の増などにより分母となる経常一般財源総額も増となったことから、分母の増加率が分子の増加率を上回ったことによる。今後も旅費、需用費、備品購入費、委託料などの継続的な精査、見直しを図っていく。
全国平均や類似団体平均と比較すると依然として低い割合が続いている。令和3年度は、市内の高齢化人口の増加等の要因により、生活保護費や障害者自立支援給付費などの扶助費が前年度と比較して大きく増加したが、普通交付税の増などにより分母となる経常一般財源総額も増となったことから、分母の増加率が分子の増加率を上回ったため、0.4ポイントの減という結果となった。今後は、市独自で行う扶助費について、継続的に精査、見直しを図っていく必要がある。
令和3年度決算は、前年度と比較すると0.9ポイントの減となり、全国平均や類似団体平均よりは低い水準となっている。主な要因としては、繰出金の増などにより分子である経常充当一般財源が増となった一方で、普通交付税の増等により、分母である経常一般財源総額の増加率がそれ以上に増となったことによる。後期高齢者医療、介護保険事業の特別会計に対する繰出金については、高齢化率の割合が高いことなどから年々増加傾向となっている。
全国平均及び類似団体平均と比較すると高い割合になっている。令和3年度決算は常総地方広域市町村圏事務組合負担金が大幅に増となったことにより、分子である経常充当一般財源が全体で約1.5億円の増となったが、その一方で、普通交付税の増などにより分母となる経常一般財源総額も増となったことから、分母の増加率が分子の増加率を上回ったため、結果的に前年度と比較すると0.5ポイント減となった。今後も引き続き適正な補助金の交付を行い、公平性・公益性の確保に努めていくとともに、一部事務組合については、維持管理経費の削減などの働きかけによる負担金の抑制や、組織の見直しの検討により効率的な行政運営を図っていく。
全国平均及び類似団体平均と比較すると高い割合になっている。公債費については、平成29年度に借り入れた臨時財政対策債や令和1年度に借り入れた同報無線システム整備事業に係る緊急防災・減災事業債の償還が開始した影響で、分子となる地方債の元利償還金が増加しているが、普通交付税の増などにより分母となる経常一般財源総額も増となったことから、分母の増加率が分子の増加率を上回ったため、結果的に前年度と比較すると0.8ポイント減となった。しかし、類似団体と比較すると、公債費に係る経常収支比率は類似団体平均を3.7ポイント上回っている。さらに、下水道事業の元利償還金に係るものなど公債費に類似の経費を合わせると、人口1人当たりの決算額は類似団体平均を3,881円上回っており、公債費の負担は非常に重いものとなっている。令和3年度予算編成より政策的事業に係る地方債の発行に上限を設定していることから、今後は適切に地方債を管理し、公債費の抑制に努めていく。
令和3年度決算では、普通交付税の再算定が行われた事による普通交付税の増などにより、分母となる経常一般財源総額が増額した影響もあり、全ての項目において比率が減となり、前年度と比較すると5.9ポイント減となっている。今後、類似団体平均と比較し高い水準のものについては、継続的に精査、見直しを行い健全な財政運営を行っていく。
(増減理由)財政調整基金は普通会計前年度繰越金の積立や財源調整に伴う積立により768百万円増、減債基金は財源調整に伴う積立や普通交付税の再算定に伴い追加措置された「臨時財政対策債償還基金費」の積立により902百万円増、特定目的基金は財源調整等により学校施設整備基金に250百万円積み立て、ふるさと取手応援基金寄附金の増加によりふるさと取手応援基金に869百万円積み立てたことなどにより540百万円増、結果、基金全体としては2,210百万円の大幅増となった。(今後の方針)公債費が中長期的には減少していくものの、当面は高止まりの見込みであり、老朽化が進む施設の改修等への充当も増加する見込みである中、財政調整基金の残高が適正であるとされる標準財政規模の10%を下回っている。今後は、少しでも積み増しができるよう、残高が増加傾向にあるふるさと取手応援基金の積極的な活用を図っていく。
(増減理由)普通会計前年度繰越金の積立や財源調整に伴う積立により増加している。(今後の方針)財政調整基金の残高は、標準財政規模の10%を確保するように努めていく。
(増減理由)財源調整に伴う積立や普通交付税の再算定に伴い追加措置された「臨時財政対策債償還基金費」の積立により増加している。(今後の方針)合併特例債及び臨時財政対策債の償還額増加等により公債費は当面の間、高止まりとなることから、今後も基金残高が減少していくことが見込まれるため、基金残高の確保に努める。
(基金の使途)・公共施設整備基金:文化施設、社会福祉施設、その他の公共施設の整備を推進し、市民の生活環境の向上と健康で文化的なまちづくりを促進する。・ふるさと取手応援基金:ふるさと取手応援寄附金を財源として多様な事業を実施することにより様々な人々の参加による個性豊かで活力あるふるさとづくりと地域全体の活性化を図る。(増減理由)・学校施設整備基金:財源調整に伴い250百万円を積み立てたことによる増加。・ふるさと取手応援基金:ふるさと取手応援寄附金869百万円を積み立てたことによる増加。(今後の方針)・公共施設整備基金:市の所有施設は昭和40年代から50年代に整備されたものが多いことから、施設の老朽化が進んでおり、当面の間は、改修等への充当により基金残高が減少していくことが見込まれるため、市有財産の売り払いを推進するなど、基金残高の確保に努める。・ふるさと取手応援基金:ふるさと納税ポータルサイトや返礼品の更なる拡充をすることで寄附の増加を図り、基金残高の確保に努める。
平成29年度61.4%、平成30年度62.0%、令和元年度63.0%、令和2年度64.0%、令和3年度65.3%となり、公共施設等への新規投資を資産の減価償却が上回った結果、前年度と比較して1.3ポイント増加した。令和3年度の内訳として、事業用資産が66.2%(前年度比0.8%増)、インフラ資産が64.6%(前年度比1.5%増)となっており、事業用資産においてより老朽化が進んでいる。今後、人口構造の変化によって公共施設等の利用需要が変化していくことが予想されている中で、中長期的な視点に基づき、公共施設等の最適な配置(選択と集中)を進めていく必要がある。同時に、新規投資と更新投資のバランスを重視しつつ、資金確保と更新時期を把握することで、計画的に財政負担を軽減・平準化することが安定した行政運営に必要となる。
平成29年度774.5%、平成30年度849.3%、令和元年度935.3%、令和2年度855.4%、令和3年度582.8%となり、類似団体平均と比較すると高い状況が続いており、経常的に確保できる資金に対し、地方債等の債務負担が重い状況にあると言える。地方債残高が以前よりも減少しているものの、業務収支における黒字部分が依然として小さいことが要因である。今後、公共資産投資と地方債残高のバランスを考慮しながら、将来世代への負担の先送りが顕著とならないよう、安定的な財政運営を維持していく。
将来負担比率、有形固定資産減価償却率ともに、類似団体平均と比較して高くなっており、対前年度比較でみると、将来負担比率は減少しているが、有形固定資産減価償却率は増加している。令和3年度については、将来負担額のうち設立法人の負担額等負担見込額が増となったものの、地方債残高、組合等負担見込額、退職手当負担見込額等の減により、分子となる将来負担額合計が減となった。一方で、標準税収入等は大幅な減となったものの、普通交付税、臨時財政対策債発行可能額が大幅に増となったことから、分母全体でみても増となった。結果的に、分子が減、分母が増となったことから将来負担比率も減少することとなった。なお、将来負担比率が類似団体平均と比較して特に高くなっている要因としては、区画整理事業や小中学校の大規模改造等の公共資産への投資を行っており、将来世代が便益を享受する資産を形成する一方で、財源としている地方債残高が減少しているものの、依然として大きいためである。さらに、公共施設全体として老朽化の程度が進行していることも要因である。今後は、中長期的に経年での推移のバランスを注視し、健全な財政運営を進めていく。
将来負担比率、実質公債費比率ともに、類似団体平均と比較して高くなっているが、将来負担比率、実質公債費比率ともに対前年度比較でみるとやや減少している。これは、分母となる標準財政規模が増となったことや一部事務組合の負担等見込額が減となったことによるものである。今後も公債費等の義務的経費の削減を中心とする行財政改革を進め、将来世代への負担を少しでも軽減するよう、新規事業の実施等に係る総点検を行い、財政の健全化に努めるとともに、適正な事業の選択・実施による地方債発行、償還年限の見直し等を行い、公債費の減額及び償還金の平準化を図る。
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