収益等の状況について
収益的収支比率については、105.2%・前年度比+8.7%であるが、これは他会計補助金比率が前年度比+11.4%であったことが影響している。他会計補助金比率47.3%が示すように不採算部門と大規模修繕の部分で一般会計からの繰入金に依存した経営となっている。町直営施設として特別会計による会計手法を取っており、減価償却という概念をもたずに、修繕料を含めた繰入を一般会計から行っており、客単価の低さや町直営施設であるがゆえ、食材をはじめ、地元調達による仕入れ率の高さも収益に影響する要因として考えられる。また、温泉施設以外にも、イベントホール運営も当会計に含んでおり、加えて、温泉施設等は条例により料金設定がなされているため、季節や利用者に応じた弾力的な運営ができにくいことも影響しているものと考えられる。
資産等の状況について
町直営施設として運営を行っているため、減価償却という概念の中ではなく、年次計画の中で修繕や設備更新を行っており、年度ごとに一般会計からの繰入金に依存している状況にある。しかしながら、経年による施設及び設備の劣化もあり、より計画的に事業を平準化しながら対応を実施していく必要性がある。
利用の状況について
日帰り入浴利用者については近年横ばいの状況にあるものの、宿泊者数やイベントホールの利用者は減少傾向にある。宿泊者については、H27年度のおもてなし宿泊券の利用時をピークに減少しており、町直営での運営では困難な状況にあるため、指定管理者制度の導入によりサービスの向上や弾力的な運用が可能となるよう改善策を講じていく。
全体総括
町直営施設としてイベントホール運営までを含んでいるため、施設修繕や設備更新を含め一般会計からの繰入金に大きく依存した形となっている。そのような状況にあっても、町の観光施設の拠点であり、町民福祉としての側面を持ち合わせていることからも、大規模な修繕については、より計画的に平準化しながら実施していく。また、町直営の運営ではサービスや料金体系の在り方にも限界があるため、令和2年度より指定管理者制度を導入し、会計上はイベントホールと休養宿泊施設を切り離しながら、弾力的なサービス提供と利便性の向上に努め、休養宿泊施設の定員稼働率と売上高増加に努めていく。