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2010年度
人口の推移
財政比較分析表(2019年度)
財政力
財政力指数の分析欄
平成27年度以降、指数は長期的に改善傾向にある。令和元年度は、社会保障関係経費の伸びにより基準財政需要額が増加したが、企業等の業績回復による法人事業税の増や、地方消費税率の引き上げによる地方消費税の増等により、基準財政収入額が平成28年度より増加した結果、指数が改善した。財政力がグループ内で低位な状況が続いており、県内経済活性化により税収を増加させられるよう取り組んでいく。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
改善している年度もあるものの、長期的には社会保障関係経費や公債費の増等により悪化の傾向にある。令和元年度は、元金償還の減少による公債費の減により、分子となる経常経費充当一般財源が減少したものの、地方交付税及び臨時財政対策債の減により分母となる経常一般財源等が大幅に減少したため、前年度比で悪化している。グループ内順位を維持できるよう、行財政改革を行い、経常収支比率の改善に努める。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
職員数の管理を行うなど人件費等の縮減に努めているものの、人口減少の進行に伴い、平成27年度以降悪化傾向にある。令和元年度は、全国豊かな海づくり大会の開催により物件費が増加したが、職員数の減により人件費が減少し、分母となる人口の減少率を上回る縮減幅となったことから、前年比で改善した。人口減少率の大きい本県の数値は全国平均比で依然として高い水準にあることから、職員数の適正な管理と事務事業の合理化等の行財政改革を進めていく。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
平成18年度の給与構造改革に伴い、国では本給の一部を地域手当に振り替えたが、地域手当の対象者が極めて限定される本県では、こうした振替を行っていないこと等により、本給のみを比較するラスパイレス指数は高い水準となっている。職員構成の変動や現給保障の廃止等により国の状況と相対的に一致してきたものと思われるが、今後も引き続き勧告を尊重しながら適切な水準変動を反映させていく。
定員管理の状況
人口10万人当たり職員数の分析欄
総務事務の一元化、地方独立行政法人化、県有施設の指定管理者制度の推進、採用抑制等による職員数の縮減は概ね順調に推移してきたが、全国で人口減少率が最も高いこと等の影響により数値は悪化している。また、全国平均との比較では依然として高い水準にあることから、定員の適正な管理に一層努める。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
平成28年度(単年度)と令和元年度(単年度)の比較において、標準財政規模の縮小等により分母が減少(-75.4億円)したものの、元利償還金の減等より分子が減少(-30.1億円)したことにより、令和元年度の実質公債費比率(3カ年平均)は前年度比で0.2ポイント改善している。今後も、県債の新規発行の抑制等に努めるなどして、地方債に大きく頼ることのない健全な財政運営を図っていく。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
標準財政規模の縮小により長期的に悪化傾向にある。令和元年度は、県債残高や退職手当支給予定額等の減により将来負担額は減少したものの、基準財政需要額算入見込額の減により分子が増加(+26億円)したほか、普通交付税及び臨時財政対策債の減より標準財政規模が減少し、分母が減少(-23億円)したため、前年度比で悪化している。他団体と比較すると、標準財政規模に比べて県債残高の規模が大きい状況が続いていることから、今後も県債の新規発行抑制に努めていく。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2019年度)
人件費
人件費の分析欄
平成23年度以降は定員適正化計画に基づく職員数の減等により、その比率は減少傾向にあったが、近年では給与カットの終了や期末勤勉手当率の改定等と相殺して横ばい傾向にある。令和元年度は、職員数の減により人件費は減少したが、分母となる地方交付税を含む経常一般財源等の減が上回り、前年度比で比率は上昇した。類似団体平均を下回っているが、今後も着実な定員管理の推進を図る。
物件費
物件費の分析欄
これまで庁費や施設維持管理経費等の縮減に努めてきており、全国平均とほぼ同水準を維持している。令和元年度は、物件費は前年から微減であったものの、分母となる地方交付税を含む経常一般財源等の減が上回り、前年度比で比率は上昇した。今後も、予算編成時のみならず、予算執行段階でも効率的な事務執行に努めることにより、引き続き経費削減に取り組んでいく。
扶助費
扶助費の分析欄
令和元年度は、児童保護費負担金等により扶助費が増加(+19百万円)するとともに、分母となる地方交付税を含む経常一般財源等が減少したため、前年度比で比率は上昇した。類似団体平均及び全国平均を下回っていることから、引き続き現状を維持できるよう、県民所得の向上などに取り組みたい。
その他
その他の分析欄
平成27年度から平成29年度までは同率で推移してきた。平成30年度は国保財政調整繰出金の増(+5,026百万円)により前年度比で悪化したものの、令和元年度は同繰出金の実績(-100百万円)等により比率が低下している。類似団体平均、全国平均を下回っていることから、今後も経費の抑制に努め、引き続き現状を維持できるよう取り組む。
補助費等
補助費等の分析欄
高齢化率の高い本県では、平成29年度まで社会保障関係経費の増等によりその比率は増加していた。平成30年度は国保財政調整交付金の減(-5,063百万円)などにより前年度比で改善したものの、令和元年度は再び増加に転じている。類似団体平均及び全国平均を下回っているが、継続的に各種制度の見直し等を実施していく。
公債費
公債費の分析欄
過去に借り入れた高利率の県債の償還が進んだことや、県債発行の抑制等により残高が減少したことにより、令和元年度は前年度比で公債費が減(-5,200百万円)となり、比率は低下した。依然として類似団体平均及び全国平均を上回っていることから、今後も引き続き県債発行の抑制に努めていく。
公債費以外
公債費以外の分析欄
概ね横ばいで推移している。令和元年度は人件費や物件費、維持補修費等、前年比で減少となった経費も多かったが、分母となる地方交付税を含む経常一般財源等の減が上回り、前年度比で比率は上昇した。類似団体平均及び全国平均を下回っているが、今後も引き続き歳出の見直しにより経費縮減を図っていく。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)
目的別歳出の分析欄
広大な県土を有している本県は人口減少の急激な進行も相まって、住民一人当たりのコストは全国平均よりも高く、長期的に上昇傾向にある。企業の業績回復に伴う制度融資事業の縮小により、商工費は減少傾向が続いている。また、平成30年度に警察署の改築工事が本格化した警察費、循環器・脳脊髄センターの新棟建築への支援や動物愛護センターの整備事業があった衛生費は事業進捗により前年度比で減となっている。一方、教育費は住民一人当たり105,800円と前年度よりも増加している。これは、県立学校改築事業の事業量の増によるものである。災害復旧費は住民一人当たり14,403円となっている。平成29年度に発生した大雨災害の復旧工事に伴い前年とほぼ同額となった。公債費は住民一人当たり98,260円となっている。県債残高の縮小が進んでいるものの、引き続き全国平均よりも高い状態が続いている。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)
性質別歳出の分析欄
歳出決算総額は、住民一人当たり590千円で、前年度の598千円と比較して減少した。令和元年度は、公共事業等の増により普通建設事業費が前年度比で増加したほか、平成29年度に発生した大雨災害の復旧工事に伴う災害復旧事業費も前年度同様の歳出となった。一方、企業の業績回復に伴う制度融資事業の縮小により貸付金の減少傾向が続いているほか、暖冬の影響により除排雪に関連する維持補修費が減少した。公債費は県債残高の縮小が進んでいるものの、引き続き全国平均よりも高い状態が続いている。本県は他県と比較し人口減少率が高いことから、今後も職員数の適正な管理や事務事業の整理合理化等の一層の行財政改革を進める。
実質収支比率等に係る経年分析(2019年度)
分析欄・平成29年度及び平成30年度は、平成29年度に発生した大雨災害に対応するための経費等の財源として財政調整基金を取り崩して活用したため、実質収支は前年度比でほぼ横ばいであったものの、実質単年度収支は赤字となった。・令和元年度は、災害復旧工事の進捗による事業量の減少等により実質収支の黒字額は前年度比で増加し、実質単年度収支も黒字化した。また、前年度決算剰余金の積み戻しにより財政調整基金の積立額が取崩額を1.5億円上回り、残高が増加に転じた。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2019年度)
分析欄令和元年度決算は電気事業会計の電力料金収入が前年度比で増となるなど、全ての会計において黒字となっており、標準財政規模比で8%以上となった。今後も歳入・歳出の見直しによる財政運営の推進を図り、黒字の維持に努めていく。
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実質公債費比率(分子)の構造(2019年度)
分析欄元利償還金の減により、令和元年度は分子が前年度比で減少しているが、地方債の発行抑制に努めてきたことにより、近年は実質公債費比率の分子はほぼ横ばいにある。今後、元利償還金は県債残高の減少に伴い、徐々に減少していく見込みであり、実質公債費比率の分子も減少していくものと考えている。一方で、標準財政規模が減少していくと見込まれることから、実質公債費比率は令和6年度頃までは13~14%前後で推移するものと見込んでいる。今後も、県債発行の抑制に努めることで県債残高の縮減を図り、実質公債費比率が18%以上にならないよう努めていく。
分析欄:減債基金毎年発行額の3.3%を減債基金に積立している(地方債の総合的な管理について(通知)2.(1)②参照)。償還財源の確保のため、計画的な積立を行っていく。
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将来負担比率(分子)の構造(2019年度)
分析欄投資事業の選択と集中、交付税措置のない地方債の縮減等に努めてきた結果、県債残高が減少傾向にあり、将来負担額については前年度比で減少している(-34億円)。一方、基準財政需要額算入見込額が減ったことにより、充当可能財源等も前年度比で減少している(-59億円)。以上より、将来負担比率の分子は前年度比で増加している(+25億円)。今後も、人口減少等により標準財政規模が減少していくと見込まれることから、分母の減少も進み、将来負担比率は悪化していくことが見込まれる。引き続き、県債の新規発行の抑制に取り組むほか、収支不足額の縮減などを通じて基金残高の適正水準の維持を図るなど、将来負担比率の維持、減少に努めていく。
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基金残高に係る経年分析(2019年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)財政調整基金は、事業量の減や前年度決算剰余金の積み戻しにより積立額が取崩額を1.5億円上回った。減債基金は、県債の償還財源に充てるために取り崩しを行った結果、前年度比で9.3億円減少した。その他特定目的基金は、安定的な医療提供体制の確保と地域包括ケアシステムの充実に必要な地域医療介護総合確保基金の積み増しを行った一方、地域活性化対策基金を中心とした取り崩しや県民の医療の確保に関する臨時対策基金の廃止により、前年度比で2.8億円減少した。基金全体の残高は、前年度比で10.6億円減少した。(今後の方針)近年は基金残高は減少傾向にあり、各種基金の残高は今後も減少していく見込である。引き続き基金の使途の明確化に努めるとともに、適正水準での管理となるよう基金の内容を精査していく。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)平成29年度及び平成30年度の大雨災害に対応するための経費等の財源として活用しているが、事業量が前年度比で減少したほか、前年度決算剰余金の積み戻しにより積立額が取崩額を1.5億円上回った。(今後の方針)大規模災害や緊急を要する施策等へ対応するため、減債基金と合わせて予算規模の約5%、標準財政規模の約10%である300億円の残高を確保するように努める。
減債基金
減債基金
(増減理由)財政状況が厳しい中にあっても将来負担を増やさないよう県債の償還を行った結果、取崩額が積立額を上回り、前年度比9.3億円の減となった。(今後の方針)税収等の歳入が減少しても県債の償還に影響が出ないよう、財政調整基金と合わせて予算規模の約5%、標準財政規模の約10%である300億円の残高を確保するように努める。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)【地域医療介護総合確保基金】地域において効率的かつ質の高い医療提供体制を構築するとともに地域包括ケアシステムを充実する事業の実施に充てるもの。【農林漁業振興臨時対策基金】国の農政改革を始め農林漁業における労働力不足の顕在化、技術革新の急速な進展など経済・社会情勢の変化に的確に対応し、複合型の農業生産構造への転換等を加速するとともに、労働生産性の高い経営体を育成し、農林漁業の成長産業化に資する事業の実施に充てるもの。(増減理由)【地域活性化対策基金】厳しい財政状況の中、県内各地域の活性化に資する事業に充てるため、取崩を行ったことにより、6.2億円の減となった。【地域医療介護総合確保基金】複数年度にわたる事業計画に基づく国庫内示により積み増しを行ったため、9.2億円の増となった。(今後の方針)【地域医療介護総合確保基金】計画認定に伴う積立額の増加により令和2年度末の残高見込は53億円となるが、今後は事業の進捗に伴い減少する予定である。【農林漁業振興臨時対策基金】現行条例では令和3年度までの設置とされており、事業への充当により引き続き減少する予定である。【地域活性化対策基金】令和2年度末の残高は1億円を割ると見込んでおり、引き続き減少する予定である。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2019年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
有形固定資産の中で大きな割合を占める道路工作物の取得時期を、平成28年度は全路線一律としていたが、平成29年度から供用開始時期とする見直しにより有形固定資産減価償却率が大幅に減少している。見直しの結果、類似団体と比較し、有形固定資産減価償却率は低い水準にあるが、老朽化は毎年進んでいるため、平成28年度に施行された「あきた公共施設等総合管理計画」に基づき作成した個別施設計画により公共施設等の適切な維持管理を進めていく。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
県債残高の減少等により、将来負担額が対前年比で減少している一方で、基準財政需要額算入見込額も減少しており、充当可能財源が減少しているため、債務償還比率が悪化している。引き続きグループ内平均に近い状況にあるものの、今後人口減少の進行に伴い地方交付税などの経常一般財源等(歳入)等の減少が見込まれることから、県債の発行抑制、特に交付税措置の無い県債の新規発行の抑制に努める必要がある。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
将来負担比率及び有形固定資産減価償却率が共に昨年度比で増加している。有形固定資産減価償却率は類似団体平均よりも低い水準にはあるが、将来負担比率は非常に高い状況であり、将来世代に大きな負担を残さないためにも、「あきた公共施設等総合管理計画」に基づいた公共施設等の管理を総合的・計画的に進めていく。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
将来負担比率については、普通交付税等の減などによる標準財政規模の減少から前年度よりも悪化した。実質公債費比率については、県債の新規発行抑制、元金の早期償還により、前年度よりも改善した。将来負担比率については、同グループの団体と比較し、標準財政規模に対する将来負担額が大きい一方で、控除財源である基準財政需要額算入見込み額及び充当可能基金の規模が小さいことから、グループ内平均値よりも高い状況が続いている。実質公債費率は長期トレンドでは減少しているが、引き続き県債の新規発行抑制と早期の償還に努め、将来負担の軽減を図る必要がある。
施設類型別ストック情報分析表①(2019年度)
施設情報の分析欄
全ての資産において、秋田県の人口が減少しているため、一人当たりの延長や有形固定資産(償却資産)額、面積が昨年度比で増加している。類似団体平均と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっているのは、【港湾・漁港】である。漁港の主要な施設は昭和50年代前後に建設されたものが多いため、減価償却が進行している。個別計画を基に優先順位等をつけながら、今後順次に改修等を実施していく予定である。類似団体平均と比較して特に有形固定資産減価償却率が低くなっているのは、【学校施設】である。学校施設については、高等学校総合整備計画及び特別支援教育総合整備計画に基づく、県立学校の統廃合や改築等を計画的に進めているためである。
施設類型別ストック情報分析表②(2019年度)
施設情報の分析欄
類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっているのは、【庁舎】である。ほとんどの県の庁舎が昭和40年代から50年代前半に建設された建物であるため、老朽化が進行している。なお、耐震化を図る県有建築として設定された庁舎については、既に耐震化が完了しており、使用する上での問題は生じない。庁舎の建替等の更新時期については未定のため、今後も維持管理に要する費用の増加に留意していく必要がある。【県民会館】のみ有形固定資産減価償却率が昨年度よりも低くなり、一人当たりの面積も小さくなっている。これは、新たな文化施設を整備するために、老朽化が進んでいた県民会館を解体したためである。文化施設完成後には、有形固定資産減価償却率が類似団体の平均値に更に近づくとともに、一人当たりの面積が令和元年度よりも大きくなる予定である。
財務書類に関する情報①(2019年度)
1.資産・負債の状況
一般会計等においては、資産総額が前年度末から21,736百万円の減少(△1.4%)となった。金額の変動が最も大きいのは、インフラ資産における工作物減価償却累計額で、30.184百万円の増加(3.6%)である。負債総額が、前年度末から1,954百万円の減少(△0.1%)となっている。公営企業会計を採用している特別会計及び公営事業会計を加えた全体では、資産総額は前年度末から21322百万円減少(△1.3%)し、負債総額も1,877百万円の減少(△0.1%)となった。資産総額は、秋田県港湾整備事業特別会計、電気事業及び工業用水道事業のインフラ資産等により、一般会計等に比べ81,673百万円多くなるが、負債総額も事業の実施のための地方債発行等により、31,073百万円多くなっている地方独立行政法人及び地方三公社、第三セクター等を加えた連結では、資産総額が前年度末から7,378百万円増加(0.4%)し、負債総額も17,310百万円増加(1.1%)した。資産総額は、病院や大学に係る事業用資産等により、一般会計等に比べ347,754百万円多くなるが、負債総額も秋田県信用保証協会の保証債務等があることなどから242,999百万円多くなっている。
2.行政コストの状況
一般会計等においては、経常費用が445,732百万円となっており、前年度比100,039百万円の減少(△18.3%)となった。最も大きな理由としては、秋田県国民健康保険特別会計の事業を、一般会計等から全体会計に移行したことによるものである。なお、平成29年度は資産の算定方法の見直し等を実施し、臨時的に生じた利益があったため、純経常行政コストが非常に下がっている。また、平成28年度における秋田県の値(41.2)と類似団体平均値(408)の差が0.4であったが、令和元年度の差が3.3と大きく増加している。徹底した事業の見直し等により、事業の重点化を図り、行政コストの抑制を図る。全体では、電気事業や工業用水道事業等において電力料金や給水料金等を使用料及び手数料に計上しているため、一般会計等に比べて経常収益が多くなっている一方、港湾施設や発電施設、給水施設等の維持補修費や減価償却費を計上しているため、経常純行政コストは96,485百万円多くなっている。公共施設等の適正管理に努めることにより、経費の縮減に努める。
3.純資産変動の状況
一般会計等においては、税収等の財源(424,284百万円)が純行政コスト(442,912百万円)を下回ったことから、本年度差額は△18,627百万円となり、純資産残高は19,398百万円の減少となった。県税に係る収入率向上や未収額の圧縮、税外未収金の管理・回収等を図り、税収等の増加に努める。全体では、税収等及び国県等補助金が増加しているが、秋田県国民健康保険特別会計の事業を、一般会計等から全体会計に移行したことによるものである。
4.資金収支の状況
一般会計等においては、業務活動収支は△29,743百万円、投資活動収支は31,789百万円となっている。財務活動収支は、地方債償還支出が地方債発行収入を上回ったことから△954百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から1,092百万円増加し、10,293百万円となった。地方債の償還は進んでおり、今後も歳入歳出の徹底した見直し等により、プライマリーバランス(地方債償還額と地方債発行収入の差額)の黒字化に努める。全体では、業務活動収支は△35,117百万円となっている。投資活動収支は、35,531百万円となっており、主に宅地造成事業分の金額の差額となっている財政活動収支は地方債償還支出を地方債発行収入が上回ったことから、20百万円となっている。本年度末資金残高は前年度より433百万円増加し、23,358百万円となった。
財務書類に関する情報②(2019年度)
1.資産の状況
平成29年度は資産の算定方法の見直し等を実施し、資産が増えたが、その後減価償却累計額が増え、資産が減少している。なお、資産が減少している一方で、住民一人当たりの資産額が平成29年度からほとんど変わっていないのは、人口も減少しているためである。いずれにしても、施設の老朽化が進んでいるため、人口減少や財政規模の縮小を考慮しながら、公共施設等総合管理計画に基づき、施設保有量の適正化及び公共施設等の適正管理に努める。
2.資産と負債の比率
純資産比率は、類似団体平均を大幅に下回っているが、これは管理している国道や河川の中で、地方公共団体の資産として計上されない資産があるためである。将来世代が利用可能な資源を少しでも蓄積するために、純資産の増加に努める。将来世代負担比率は、類似団体平均を上回っているため、県債の積極的な償還、新規発行債の抑制等により、地方債残高を減少させていく。
3.行政コストの状況
住民一人当たりの行政コストは類似団体平均を上回っており、今後も後期高齢者層の増加に伴う社会保障関係経費等の増加により、行政コストの増加が見込まれる。引き続き、新行財政改革大綱に基づく業務効率化等を行い、行政コストの縮減に努める。
4.負債の状況
負債合計額は、昨年度と比較し減少しているが、人口減少により住民一人当たりの負債額は増加し、また類似団体平均値を大きく上回っている。しかし、臨時財政対策債を除いた県債発行額は減少傾向にあるため、今後も地方債発行の抑制を図りながら残高の縮小に努める。基礎的財政収支は、業務活動収支の赤字分が投資活動収支の黒字分を上回ったため、11,557百万円となった。経常的な支出を税収等の収入で賄えていないため業務活動収支は赤字となっている。
5.受益者負担の状況
受益者負担率は、令和元年度において秋田県国民健康保険特別会計を全体会計に移行したことで、平成28,29年度と同程度の比率となっている。類似団体平均値とも、同程度となっており、今後も税負担の公平性・公正性や透明性の確保に努めていく。
類似団体【D】
青森県
岩手県
秋田県
山形県
和歌山県
徳島県
佐賀県
長崎県
大分県
宮崎県
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