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平成26年度から平成29年度は、企業等の業績回復による法人事業税の増や、地方消費税率の引き上げによる地方消費税の増等により、基準財政収入額が増加した結果、指数が改善した。平成30年度は、平成27年度と比較して軽油引取税や地方法人特別譲与税の減等により基準財政収入額が減少したことから、指数は悪化した。県内経済活性化により税収を増加させられるよう取り組んでいく。
社会保障関係経費の増等により悪化の傾向が続いている。平成29年度は、分母となる経常一般財源等が微減であったほか、分子における臨時財政対策債の元金償還減による公債費の減により、前年度比で改善している。平成30年度は、分母となる経常一般財源等が微減であったほか、分子における臨時財政対策債の元金償還増による公債費の増により、前年度比で悪化している。行財政改革を行い、経常収支比率の改善に努める。
職員数の減による人件費等の縮減に努めているものの、人口減少の進行に伴い、平成26年度以降悪化傾向にある。平成30年度は、退職手当の減等により分子となる人件費は減少(-28億円)したものの、分母となる人口の減少(-14,834人)により前年度比で悪化している。人口減少率の大きい本県の数値は全国平均との比較で依然として高い水準にあることから、職員数の適正な管理と事務事業の合理化等の行財政改革を進める。
平成18年度の給与構造改革に伴い、国では本給の一部を地域手当に振り替えたが、地域手当の対象者が極めて限定される本県では、こうした振替を行っていないこと等により、本給のみを比較するラスパイレス指数は高い水準となっている。平成30年度は前年と比較し、職員構成の変動や現給保障の廃止等により国の状況と相対的に一致してきたものと思われるが、今後も引き続き勧告を尊重しながら適切な水準変動を反映させていく。
総務事務の一元化、地方独立行政法人化、県有施設の指定管理者制度の推進、採用抑制等による職員数の縮減は概ね順調に推移しているが、全国で人口減少率が最も高いこと等の影響により数値は悪化している。また、全国平均との比較では依然として高い水準にあることから、定員の適正な管理に一層努める。
平成27年度と平成30年度の比較において、事業費補正により基準財政需要額に算入された公債費の減少により分子が増加(+8億円)したが、分母となる標準財政規模が減少(-121億円)したことにより前年比で悪化している。県債の新規発行の抑制等に努めるなどして、地方債に大きく頼ることのない健全な財政運営を図っていく。
標準財政規模の減少により悪化傾向にある。平成30年度は、県債残高や退職手当支給予定額等の減により将来負担額は減少したものの、基金をはじめとする充当可能財源の減少により分子が増加(+1億円)したほか、普通交付税及び臨時財政対策債の減より標準財政規模が減少し、分母が減少(-22億円)したため、前年度比で悪化している。他団体と比較すると、標準財政規模に比べて県債残高の規模が大きいことにより、全国平均と差が生じているものと考えている。今後も県債の新規発行抑制に努めていく。
平成23年度以降は定員適正化計画に基づく職員数の減等により、その比率は減少傾向にあったが、近年では給与カットの終了や期末勤勉手当率の改定等と相殺して横ばい傾向にある。平成30年度は、退職者数の減に伴い退職手当が減となったことから、前年度比で減少している。類似団体平均及び全国平均を下回っており、今後も着実な定員管理の推進を図る。
これまで庁費や施設維持管理経費等の縮減に努めてきており、全国平均とほぼ同水準を維持している。今後も、予算編成時のみならず、予算執行段階でも効率的な事務執行に努めることにより、引き続き経費削減に取り組んでいく。
生活保護費の減などにより前年度比で微減となっている(-56百万円)。類似団体平均及び全国平均を下回っていることから、引き続き現状を維持できるよう、就職率の向上などに取り組みたい。
平成26年度から平成29年度までは同率で推移してきた。平成30年度は国保財政調整繰出金の増(+5,026百万円)により前年度比で悪化したものの、類似団体平均、全国平均を下回っていることから、生活習慣病予防などにより、今後も経費の抑制に努め、引き続き現状を維持できるよう取り組む。
高齢化率の高い本県では、平成29年度まで社会保障関係経費の増等によりその比率は増加していた。平成30年度は国保財政調整交付金の減(-5,063百万円)などにより前年度比で改善したものの、一時的要因であるため、事業の見直し、介護予防の推進等により経費の縮減に努めていく。
県債発行の抑制等により残高が減少しており、概ね横ばいで推移しているが、平成30年度は臨時財政対策債等の元金償還の増(+6,866百万円)により前年度比で悪化している。依然として類似団体平均及び全国平均を上回っていることから、今後も引き続き県債発行の抑制に努めていく。
概ね横ばいで推移している。平成30年度は普通建設事業費のうち単独事業費、人件費等の減等により前年度比で改善している。類似団体平均及び全国平均を下回っているが、今後も引き続き事業の選択と集中により経費縮減を図っていく。
(増減理由)減債基金について、将来の公債費の償還財源に充てるため、前年度比で増加している(+36億円)。地域活性化対策基金について、地域の活性化に資する事業に充てるために取崩を行っており、平成28年度末98億円、平成29年度末63億円、平成30年度末11億円と減少している。残高は今後も減少していく見込である。(今後の方針)基金の使途を明確化するとともに、必要以上に基金に積み立てることのないよう基金の内容を精査していく。
(増減理由)平成30年度に減少した理由は、平成29年度及び平成30年度の大雨災害に対応するための経費等の財源として活用したためである(-4億円)。(今後の方針)大規模災害や緊急を要する施策等へ対応するため、減債基金と合わせて予算規模の約5%、標準財政規模の約10%である300億円の残高を確保するように努める。
(増減理由)平成30年度に増加した理由は、将来の公債費の償還財源とすることにより、将来負担を増やさないようにするためである(+36億円)。(今後の方針)税収等の歳入が減少しても公債費の償還に影響が出ないよう、財政調整基金と合わせて予算規模の約5%、標準財政規模の約10%である300億円の残高を確保するように努める。
(基金の使途)【地域医療介護総合確保基金】地域において効率的かつ質の高い医療提供体制を構築するとともに地域包括ケアシステムを構築する事業の実施に充てるもの。【農林漁業振興臨時対策基金】国の農政改革を始め農林漁業における労働力不足の顕在化、技術革新の急速な進展など経済・社会情勢の変化に的確に対応し、複合型の農業生産構造への転換等を加速するとともに、労働生産性の高い経営体を育成し、農林漁業の成長産業化に資する事業の実施に充てるもの。【地域活性化基金】県内各地域の活性化に資する事業に充てるもの。(増減理由)【地域活性化基金】厳しい財政状の中、県内各地域の活性化に資する事業に充てるため、取崩を行ったことによる(-53億円)。【地域医療確保総合確保基金】平成30年度は脳血管研究センターの施設整備のために取崩を行ったこと等により減となっている(-3億円)。(今後の方針)【地域医療確保総合確保基金】積立額の増加により令和元年度末の残高見込は50億円と前年度比で増加し、事業の実施に伴う取崩により令和2年度末の残高は32億円と前年度比で減少を見込んでいる。【農林漁業振興臨時対策基金】現在のところ令和3年度までの事業に充てる予定であり、減少していく予定である。【地域活性化基金】令和元年度末の残高見込は4億円、令和2年度末の残高は1億円弱と見込んでおり、減少していく予定である。
平成28年度は類似団体平均よりも高い水準にあったが、平成29年度以降は類似団体平均よりも低い水準となっている。平成28年度は、有形固定資産の中でも大きな割合を占める道路工作物の取得時期を全路線一律に設定していたが、平成29年度以降は、供用開始年月日ごとの取得年月日に見直しを行ったことによるものである。類似団体と比べて、有形固定資産減価償却率は低い水準にあるが、一部施設においては老朽化が進んでおり、平成28年度に施行された「あきた公共施設等総合管理計画」に基づき作成した個別施設計画により公共施設等の適切な維持管理を進めていく。
平成30年度は県債残高の減少等により、将来負担額が対前年比で0.7%減少しており、数値が改善している。引き続きグループ内平均に近い状況にあるものの、今後人口減少の進行に伴い地方交付税などの経常一般財源等(歳入)等が減少することを鑑みると、県債の新規発行抑制と早期の償還に努める必要がある。
将来負担比率が類似団体平均よりも高い水準にある一方、有形固定資産減価償却率は低くなっている。安定して既存施設の維持修繕・更新を行うためにも、将来負担比率の減少に努める必要がある。今後も平成28年度に施行された「あきた公共施設等総合管理計画」に基づいた公共施設等の管理を総合的・計画的に進めていく。
将来負担比率・実質公債費比率ともに、普通交付税額の減などにより標準財政規模が減少したことから、前年度よりも悪化した。将来負担比率については、同グループの団体と比較し、標準財政規模に対する将来負担額が大きい一方で、控除財源である基準財政需要額算入見込み額及び充当可能基金の規模が小さいことから、グループ内平均値よりも高い状況が続いている。実質公債費率は長期トレンドでは減少しているが、引き続き県債の新規発行抑制と早期の償還に努め、将来負担の軽減を図る必要がある。