経営の健全性・効率性について
平成27・28・29年度・令和元年度と管路の破損による漏水が発生し、時には長期間にわたり場所が特定できなかった事もあったため、無効水量が多くなり、有収率が低くなった。しかしながら、経常収支比率及び料金回収率が高く推移していることから、経営には大きく影響は出ず、現在においては適正な水道料金と考えられる。今後の約10年後に、法定耐用年数が過ぎる管路が次々と出てくるため、計画的な施設更新が必要となる。施設利用率については、類似団体と比較しても低いことから、更なる利用増加にも対応可能であるため、水道加入の推進を図り、給水収益を増やすことで、経営の健全性をより一層高めることが可能である。
老朽化の状況について
現在、老朽資産はないが、これから更新時期を迎える資産割合が多く、新規の管路布設が少ないため、年々有形固定資産減価償却率が上昇してきている。平成28年度で一部地域において管路更新を実施したことにより、一時的に類似団体よりも管路更新率が増加した。近い将来である約10年後には資産の法定耐用年数を迎える経年化資産がでてくるので、更新工事における単年度の経費を平準化して、計画通り実施する必要がある。
全体総括
現在は経常収支比率及び料金回収率が高く、さらに企業債残高も減少してきているため、経営の健全化が図られている。しかし、今後迎える管路更新及び施設更新が控えているため、工事に要する財源の確保が必要とされる。施設・管路の更新は、単年度の経費を平準化することによって、極力水道加入者への負担を課さずに、国庫補助金や交付金等を活用し、経営の健全化を図りつつ管路や施設の更新を実施したい。