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財政力指数の分析欄離島という厳しい地理的条件化において、少子高齢化(高齢化率は平成29年度末で47.0%)の影響を受け後継者不足等による産業の衰退により財政基盤は脆弱化しており、類似団体平均値を下回っている。その中において、村税等(住民税、軽自動車税、国保料、保育料、給食費、公営住宅使用料、上下水道料等)は一部(固定資産税)を除いて徴収率100%を堅持し、自主財源の確保に努めているところである。また、特別職の給与カット・管理職手当のカットによる人件費・物件費の削減等歳出削減に取り組み、財政の健全化を図っている。 | 経常収支比率の分析欄平成29年度においては、経常一般財源収入は普通交付税及び地方消費税、自動車取得税交付金、地方税、臨時財政対策債等の増により、前年度比で増加。歳出一般財源は辺地債等の公債費償還金の大幅な増加があったが、人件費、物件費、繰出し金等の減であり、全体としてみると経常収支比率は前年度比8.9ポイントの減であった。今後に於いては、公債費の増等により硬直化が見込まれるが、引き続き、村税等(住民税、固定資産税、軽自動車税、国保料、保育料、給食費、公営住宅使用料、上下水道料等)の徴収率を100%に近づけることで自主財源の確保に努め、人件費や物件費の抑制、村債の借入額抑制や公債費の繰上償還を実施し、比率の改善に努める。 | 人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄類似団体平均を大きく上回っているのは、自治体の規模が極めて小さく、離島の僻地であり民間委託の受け皿もなく、行政コストが増大していることが主な要因と考えられる。コスト抑制の為、村営バスを職員が交代で運行したり、村道をはじめとする公共施設の維持補修や、道路除雪等も職員自ら行っている。指定管理者制度による民間委託については、前段の理由により困難な状況であるが、その可能性については様々な角度より検討し、一層のコスト削減に努める。 | ラスパイレス指数の分析欄平成15年度から実施している一般職員の給与カットは平成28年度末までで終了したが、類似団体と近い水準にある。引き続き職員給与の適正化に努めたい。なお、当該数値は地方公務員給与実態調査の前年度数値を引用したものである。 | 人口1,000人当たり職員数の分析欄基準人数に満たない人口(平成29年度末で615名)であり、1島1村の自治体である本村にとって民間委託が困難な状況の中、診療所、公立保育所の運営等は直営において行政サービスを堅持している。なお、現状において定員管理上の職員数は保たれているものの、1名の職員が複数の業務を兼務している状態であり、引き続き適正な定員管理に努める。 | 実質公債費比率の分析欄主に、償還が終了した平成18年度辺地対策事業債及び平成16年度過疎対策事業債と、新規に借入した平成28年度辺地対策事業債及び平成28年度過疎対策事業債との差により、前年度比0.7ポイントの増となっている。今後、償還額の大きい平成26年度の光通信事業等大型建設事業の償還が続くことから、引き続き繰上償還や交付税算入に有利な地方債の活用、また公共施設の維持等について適切に管理し、適正な事務執行に努めたい。 | 将来負担比率の分析欄今年度においては、主に辺地債及び過疎債の借入による地方債の現在高の増加のため、将来負担額が増加したことを要因として、前年度比21.2ポイントの増加となった。今後は、交付税上有利な地方債の運用に努め、また、大規模事業について抑制する方針であることから、将来負担比率の極端な増大は見込まないものであるが、引き続き比率の抑制に努めたい。 |
人件費の分析欄職員数の水準が類似団体と比較して高いため、経常収支比率の人件費分が高くなっているが、ほとんどの職員は複数の業務を兼務しているのが現状であり、これ以上の人員の削減は見込めない。今後は、定年退職を迎える職員が比較的多い割合にあることから、人件費は抑制される見込みである。 | 物件費の分析欄類似団体平均を若干下回っているが、極小規模自治体であるがゆえに民間委託の受け皿もなく、行政コストが増大していることが要因であることから、今後も引き続き極力物件費の抑制に努め歳出削減に努める。 | 扶助費の分析欄類似団体をやや下回っている。要因の一つとして、従来より住民の基本健診等の受診についての高い受診率(平成29年度受診率61.1%)が挙げられ、今後も引き続き周知徹底し医療扶助の抑制を図っていく。 | その他の分析欄前年度と比較して横ばいとなっているが、類似団体と比較しても下回っており、今後も適切な維持管理を行い、繰出金の抑制に努める。 | 補助費等の分析欄類似団体平均を2.0ポイント下回ってはいるが、離島であり単独での事業が困難な離島航路、病院、消防等、一部事務組合に負担金として支出する割合が約60%と極めて多い。その他の補助費については、補助団体等への交付についての明確な基準や見直しを行い歳出の抑制を図る。 | 公債費の分析欄公債費に係る経常収支比率は、平成25年度過疎対策事業債の定住住宅建設事業や平成26年度辺地対策事業債の情報通信整備事業等の大型建設事業の償還が始まることにより増加し、類似団体を9.8ポイント上回っている。今後も大型建設事業の償還が続くことから、公債費の増加が見込まれるため、引き続き、計画的な事業実施、繰上償還や交付税参入に有利な地方債の活用を図り比率の抑制に努める。 | 公債費以外の分析欄公債費以外については、前述のとおりごく小規模自治体であるが故に、職員数割合の関係による人件費、物件費への影響が多くなる傾向である。今後も引き続き人件費、物件費等の抑制を図っていく必要がある。 |
議会費労働費消防費諸支出金総務費農林水産業費教育費前年度繰上充用金民生費商工費災害復旧費衛生費土木費公債費 |
目的別歳出の分析欄議会費・総務費・教育費・衛生費・公債費は類似団体と比べて高くなっている。主な要因としては、小規模自治体であるがために削減し辛い一定の経費が住民一人当たりで見たとき高くなっていると思われる。また、教育費については平成28~平成29の学校大規模改修事業を行った影響が大きい。なお、公債費については特に高い数値となっている。これは近年、大型の事業を行った影響が大きく、今後も大型事業に用いた起債の償還により高い数値が続くが、計画的な事業実施を図り抑制に努める。 |
人件費補助費等災害復旧事業費投資及び出資金物件費普通建設事業費失業対策事業費貸付金維持補修費普通建設事業費(うち新規整備)公債費繰出金普通建設事業費(うち更新整備)積立金前年度繰上充用金 |
性質別歳出の分析欄歳出決算総額のうち、人件費、補助費等、物件費、普通建設費、公債費においていずれも類似団体と比較し一人あたりのコストが高い状況となっている。主な要因としては、自治体の規模が極めて小さく、離島の僻地であり民間委託の受け皿もなく、行政コストが増大しているためであると考える。今後においては、引き続き計画的な事業実施を図り、新規整備事業の抑制、村債の借入額抑制や公債費の繰上償還等を実施し、事業費の減少を目指すものとする。 |
基金全体(増減理由)主に公債費に増加により財源不足が発生したことで、財政調整基金や減債基金の取崩を行った。(今後の方針)大型事業に用いた起債がH35に償還が終了するため、H35までは今後も取崩となる見込みである。 | 財政調整基金(増減理由)主に公債費に増加により財源不足が発生したことにより、H29では80百万円の取崩が発生した。(今後の方針)H30では120百万円、H31では71百万円の取崩が発生する見込みであり、大型事業に用いた起債がH35に償還が終了するH35までは今後も取崩となる見込みである。 | 減債基金(増減理由)繰り上げ償還を行ったため、98百万円の取崩が発生した。(今後の方針)大きな取崩は予定されていないが、必要に応じ繰上償還を行うこととなった際には取崩となる。 | その他特定目的基金(基金の使途)地域福祉基金:在宅福祉、健康づくり等の地域福祉の向上のための基金。庁舎等整備基金:役場庁舎その他の村勢発展の基盤となる施設の整備のための基金。ふるさと知夫里島基金:地域福祉の向上や地域資源の保全、活用等を図るため、ふるさとへの想いを持つ人、または応援する人々からの寄付金を財源とした基金。(増減理由)庁舎等整備基金:今後発生する行政施設等の更新に備えてH29より積立を始めたため、19百万円の増となった。ふるさと知夫里島基金:ふるさと納税として寄付のあった2百万円の増となった。(今後の方針)地域福祉基金、地域振興基金については、使途に応じてH30、H31に取崩を行う予定である。また、ふるさと知夫里島基金についても、H30で図書館整備のため取崩を行っている。 |
有形固定資産減価償却率の分析欄島根県平均と比較し-1.2%、類似団体と比較し-1.2%となっており、有形資産の老朽化は大きく進んではいないものの、今後の施設等の更新予定も少ないことから、老朽化対策の必要性が高まってくると考えられる。 | 債務償還可能年数の分析欄島根県平均と比較し-1.9%、全国平均と比較し+3.4%となっており、今後は増加要因である将来負担額と減少要因である充当可能基金残高が共に減っていくことから大きく変化はないと考えられる。 |
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析有形固定資産減価償却率は類似団体と比較し△1.2%、将来負担比率は+29.6%となっている。ただし、将来負担比率については今後起債の借入が減少すると見込まれることから、徐々に類似団体と同様の0%に近づいていくものと考えられる。 |
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分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析将来負担比率及び実質公債費比率、共に類似団体と比較して高い数値であり、特に実質公債費比率は増加の見込みであることから、比率の低下の為、繰上償還を検討している。 |
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道路橋りょう・トンネル公営住宅港湾・漁港認定こども園・幼稚園・保育所学校施設児童館公民館 |
施設情報の分析欄橋梁については、長寿命化事業のため、近年更新を行ってきていることから減少傾向である。また、学校施設については村内唯一の学校が近年更新されたことから、類似団体と比較し低い比率となっている。 |
図書館体育館・プール福祉施設市民会館一般廃棄物処理施設保健センター・保健所消防施設庁舎 |
施設情報の分析欄一人当たりの有形固定資産額・面積についての体育館・プール及び庁舎は、類似団体の中でも人口が少ないため、平均と大きくかけ離れている。なお、体育館の有形固定資産減価償却率は平成28年度に更新したことから、類似団体と比較し-22.1%となっている。 |
資産合計負債合計 |
1.資産・負債の状況一般会計等においては、資産総額が前年度末から66百万円の減少(-1%)となった。知夫小中学校の大規模改修やアカハゲ山展望台工事など、固定資産は昨年度に比べ100百万円増加しているが、年々公債費・委託費等が増大していることにより財政調整基金や減債基金の取崩額が160百万円あったことから、全体として資産額の減少がみられた。一方、負債総額は前年度末から48百万円の増加(+1.8%)となった。主な原因としては道路改良事業、保育所建設事業等のための地方債の発行によるものである。全体会計においては、資産総額は前年度末から20百万円の増加(+0.3%)となった。その原因としては簡易水道事業会計の古海水源施設の整備や、国民健康保険知夫村診療所事業特別会計の装置購入における固定資産の増加によるものである。負債総額の増加原因については一般会計等と同様で、簡易水道事業会計などの地方債発行額の増加によるものである。知夫里島開発株式会社や島前森林組合などを加えた連結では、資産総額は前年度末から30百万円(+0.4%)増加し、負債総額も前年度末から49百万円(+1.3%)増加している。これらの原因としても固定資産の増加や地方債の増加によるものである。 |
純経常行政コスト純行政コスト |
2.行政コストの状況一般会計等においては、経常費用は59百万円の減少(4%)、経常収益は25百万円の増加(+37.6%)となり、純経常行政コストが84百万円の減少(-6%)となった。主な原因として、28年度は退職手当引当金の繰入額が生じていたが、29年度では繰入額が生じておらず、戻入額が発生していたことが、費用の減少、収益の増加になったと考えられる。また、費用の減少原因としては維持補修費が98百万円減少(-97.6%)していることも原因と考えられる。全体会計においては、純経常行政コストが150百万円の減少(-9.7%)となっている。連結では、純経常行政コストが140百万円の減少(-8.1%)となっている。全体、連結ともに退職手当引当金の増減や維持補修費の減少が原因と考えられる。 |
本年度差額本年度末純資産残高本年度純資産変動額 |
3.純資産変動の状況一般会計等においては、税収等の財源(1,199百万円)が純行政コスト(1,313百万円)を下回ったことから、本年度差額は▲114百万円となり、純資産残高は3,668百万円となった。財源は昨年度と比べると10百万円ほど増加しており、純行政コストも昨年度に比べると83百万円ほど減少しているため、昨年度と比べると本年度差額の減少額は縮小されたが、依然として、純行政コストが財源を上回る状態なので、税収等の使用料などの収益の確保やコスト削減に努めていく。全体では、国民健康保険特別会計等の国民健康保険税が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が474百万円多くなっており、本年度差額は▲19百万円となり、純資産残高は4,129百万円となった。連結では、本年度差額は▲14百万円となっているが、比例連結割合変更に伴う差額の調整などから本年度純資産変動額は▲19百万円となり、純資産残高は4,383百万円となった。 |
業務活動収支投資活動収支財務活動収支 |
4.資金収支の状況一般会計等においては、業務活動収支は60百万円であった。投資活動収支については、昨年度に比べ基金取り崩し額が136百万円と増加していることから、▲133百万円となった。財務活動収支については、地方債発行収入が地方債の償還額を上回ったことから、70百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から3百万円減少し、59百万円となった。全体では、国民健康保険税などが税収等収入に含まれること、水道料金等の使用料及び手数料収入があることなどから、業務活動収支は70百万円となっている。投資活動収支では、簡易水道事業会計や国民健康保険知夫村診療所事業特別会計が新たな固定資産の取得を行っていることなどから、▲207百万円となっている。財務活動収支は、簡易水道事業特別会計でも地方債発行収入が地方債の償還額を上回ったことから、78百万円となり、本年度末資金残高は前年度から9百万円増加し、252百万円となった。連結では、業務活動収支は一般会計等より89百万円多い149百万円となっている。投資活動収支では、隠岐広域連合で行っている公共施設等の整備により、▲212百万円となっている。財務活動収支は、77百万円となり、本年度末資金残高は前年度から14百万円増加し、262百万円となった。 |
①住民一人当たり資産額(万円)②歳入額対資産比率(年)③有形固定資産減価償却率(%) |
1.資産の状況・住民一人当たりの資産額は類似団体平均値と比べ高くなっているため、施設などの資産が人口に対して適切か今後、個別施設計画等をもとに検討をしていく。・歳入額対資産比率は類似団体平均値と比べ低くなっているため、住民一人当たり資産額と同様、今後適正な資産規模を検討していく。・有形固定資産減価償却率は類似団体平均値と同等の数値となっており、他市町村同様、老朽化が進んでいることが分かる。今度、公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設について、点検・診断や計画的な予防保全による長寿命化を進めていくなど、公共施設等の適正管理に努める。 |
④純資産比率(%)⑤将来世代負担比率(%) |
2.資産と負債の比率純資産比率は類似団体平均を大幅に下回っているが、負債の大半を占めているのは、地方債であるため、今後計画的に償還を行っていく。・将来世代負担比率は、類似団体平均を上回っている。新規に発行する地方債の抑制を行うとともに、高利率の地方債の借換えを行うなど、地方債残高を圧縮し、将来世代の負担の減少に努める。 |
⑥住民一人当たり行政コスト(万円) |
3.行政コストの状況・住民一人当たり行政コストは類似団体平均を上回っている。人口の大小にかかわらず、一定量の行政サービスは必要になるため、人口が類似団体に比べ少ない場合、必然的に、当該値は高くなると考えられるが、コスト削減や税収等の増加策についても今後検討していく。 |
⑦住民一人当たり負債額(万円)⑧基礎的財政収支(百万円) |
4.負債の状況・住民一人当たり負債額は類似団体平均を上回っているが、その要因として地方債の額にある。計画的に償還をしていくことで、類似団体平均値に近づけていく必要がある。・基礎的財政収支は、基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた投資活動収支の赤字分が業務活動収支の黒字分を上回ったため、203百万円となっている。類似団体平均を下回っているが、投資活動収支が赤字となっているのは、地方債を発行して、公共施設等の必要な整備を行ったためである。 |
⑨受益者負担比率(%) |
5.受益者負担の状況・受益者負担比率は類似団体平均と同程度であり、昨年度と比べ、経常収益の増加や、経常費用の減少により当該値が4.6%から6.6%になっている。29年度は28年度に比べ維持補修費が98百万円減少(-97.6%)していることが原因と考えられる。今後再び維持補修費が増加することも考えられるので、公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設の集約化・複合化や長寿命化を行うことにより、経常費用の削減に努める。 |
出典:
財政状況資料集
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統一的な基準による財務書類に関する情報
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