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地方財政ダッシュボード

奈良県大和高田市の財政状況(2022年度)

🏠大和高田市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度📅2011年度📅2010年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2022年度)

財政力指数の分析欄

新型コロナウイルス禍における企業業績の落ち込み等により令和2年度から減少傾向にあった地方税収入は、令和4年度にやや回復したものの、人口の減少や高齢化の進展により大きな増加が見込めない状況にある。財政力指数は、0.47~0.49と横ばいの傾向が続いており、類似団体平均を下回っている。そのため、地域手当等の職員手当や報酬の減額措置の継続による人件費の抑制及び地方税の徴収強化等の取組みによる歳入の確保により、財政基盤の強化に努める。

経常収支比率の分析欄

令和4年度の経常収支比率は、前年度に比べて7.4ポイント悪化している。ただし、令和3年度の経常収支比率は、申請誤りのあった令和2年度分の国庫負担金等が過年度収入として4.8億円精算交付されたことによる影響により、本来より3ポイント程度低くなっていると考えられるため、令和4年度は実質、前年度比4.5ポイント程度の悪化であったと考えられる。類似団体においても3.6ポイント悪化しているが、本市では特に、退職手当の増加等による人件費の増加(+3.3億円)や、扶助費の増加(+4.7億円)による影響が大きかった。今後も、近年の物価高騰による物件費の増加や、会計年度任用職員の処遇改善による人件費の増加等が予想されることから、経常経費の抑制や既存事業の見直し、公共施設における統廃合の検討等の取り組みにより、比率の改善を図る必要があると考える。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

令和4年度は、令和3年度実施の旧庁舎解体工事(1.5億円)の皆減による物件費の減少等が主な要因となり、前年度に比べて人口一人当たりの決算額が1,249円減少した。しかしながら、本市は学校や保育所等の公共施設数が多いことから、類似団体に比べて、人口一人当たりの金額が大きい傾向にある。公共施設の管理については、可能な部分において指定管理者制度を導入し、その他の業務についても外部委託によるコスト削減を図っているところである。公共施設における統廃合の検討等により、今後も経費の抑制を図っていく方針である。

ラスパイレス指数の分析欄

令和3年度に高齢・高給の退職者と新規採用職員の入れ替わり等による影響により1.0ポイント悪化しており、令和4年度においても引き続き低い値となっている。本市の行政職給料表は、7級までの給料表を適用しており、近年は職員の年齢層も若くなっていることから、国との比較で2~3ポイント程度低い水準で推移している。類似団体と比較しても低い水準で推移していることについても、同様の要因である。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

保育所、こども園、高等学校及びごみ処理施設等の施設運営を直営で行っていることにより、職員数が類似団体平均と比較して多くなる基礎的な要因がある。人口減少等の影響により、年々上昇傾向となっている。公共施設の管理については、可能な部分において、指定管理者制度の導入等による委託化を進めているところであり、その他の業務についても外部委託を行うことにより、適正な定員管理に努める。

実質公債費比率の分析欄

平成14年度以降に普通建設事業費の抑制を続けたことにより、元利償還金の減少傾向が続いており、比率は改善している。また、平成18年度から平成26年度に発行した退職手当債が平成29年度以降に順次償還を終えているため、令和6年度頃までは元利償還金の減少を見込んでいる。

将来負担比率の分析欄

令和4年度の将来負担比率は、分子である地方債現在高が12.3億円減少したこと、公営企業等繰入見込額が8億円減少したこと等が主な要因となり、前年度に比べて13ポイント改善している。地方債現在高が減少したのは、令和4年度における普通建設事業が少なかったことにより、起債の発行額が償還額を大きく下回ったことによる。しかしながら、令和5年度には、ごみ中継施設建設事業や広域ごみ処理施設建設事業等、大規模な普通建設事業にかかる起債を予定していることから、将来負担比率は増加すると見込んでいる。事業実施の適正化を図り、財政の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)

人件費の分析欄

本市は、類似団体と比較して、ラスパイレス指数が低く、職員数(人口千人当たり職員数)が多いという状況であるが、保育所、こども園、高等学校等の施設運営を直営で行っているなどの職員数が類似団体と比較して多くなる要因があり、行政サービスの提供方法の差異であると言える。令和2年度導入の会計年度任用制度による人件費の増加や待機児童解消のための保育士(会計年度任用職員)の処遇改善等による影響に加え、令和4年度は一般職の退職者数の増加により退職手当が前年度比+2.5億円となったこと等により、類似団体内平均値より8ポイント高くなっている。公共施設の管理については、可能な部分については、指定管理者制度の導入等による委託化を進めているところであり、その他の業務についても外部委託を行うこと等により人件費の抑制に努める。

物件費の分析欄

物件費に係る経常収支比率は、令和2年度に、会計年度任用制度が導入されたことに伴い、非常勤職員にかかる費用が物件費から人件費となったことで2.1ポイント減少したものの、令和3年度は新庁舎移転に伴う庁舎管理費の増加や児童ホームの運営委託化により上昇し、令和4年度においては、各公共施設における光熱費の上昇が主な要因となり、令和3年度よりもさらに1.1ポイント上昇する結果となっている。なお、本市では、し尿処理業務や消防業務等を一部事務組合で行っており、その業務に関係する物件費が補助費等に計上されていることなどの影響により、類似団体平均より低い比率で推移している。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率は、年度により増減するものの、基本的に、類似団体平均を少し下回る水準で推移している。大きく下回っている令和3年度についても、過年度収入として4.8億円精算交付された影響を除くと、本来の数値は類似団体をやや下回る程度であったと考えられる。令和4年度の主な数値上昇要因は、障害者自立支援事業費の増加や生活保護費の増加が挙げられる。今後は高齢化の進展によりる影響に加え、病院におけるコロナウイルス感染症等の検査項目が増えたことや受診控えが解消されたことによる医療費関連の扶助費の増加が想定される。

その他の分析欄

類似団体と比較してほぼ同水準で推移している。

補助費等の分析欄

補助費等にかかる経常収支比率が類似団体平均を上回っている要因として、市立の病院事業や下水道事業に対する補助金及びし尿処理業務、消防業務等を一部事務組合で行っていることが挙げられる。業務を一部事務組合で実施することは、広域化による業務の効率化及び経費の削減につながるものであり、比率の上昇については留意を要するが、広域化等の推進により経費の縮減に努めるものである。なお、令和4年度に0.7ポイント上昇した主な要因として、施設の長寿命化等のため、葛城地区清掃事務組合への経常歳出が増加したことが挙げられる。

公債費の分析欄

公債費について、新庁舎建設に関連する地方債の発行額が、令和3年度の庁舎完成に伴い令和4年度に皆減したことが主な要因となり、前年度比で0.4ポイント減少している。また、平成18年度から平成26年度にかけて発行した退職手当債について、平成29年度以降に順次償還が終わってきていること等により元利償還額についても年々減少傾向にある。しかしながら、令和6年度から新庁舎建設事業にかかる起債の償還が本格的に始まることや、広域ごみ処理施設、ごみ中継施設建設の建設をはじめ、今後、老朽化した公共施設の大規模改修等による地方債の発行が予想されることから、令和9年度以降、比率が上昇すると見込んでいる。普通建設事業の精査による市債発行の適正化を図り、市債残高の抑制に努める。

公債費以外の分析欄

令和3年度の比率の低下は、歳入面(主に普通交付税の増加や過年度収入)の影響が多分にあるものと考えられる。また、令和4年度の比率の上昇は、人件費や扶助費等の増加が要因として考えられる。今後も経費全般の節減により、数値の改善に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

令和3年度、新庁舎移転に伴い導入した議会フロア什器や議場等会議システム機器の影響で高い値を示していた議会費であるが、令和4年度には類似団体と同程度に落ち着いている。総務費が、令和4年度に類似団体よりも大きく減少しているのは、新庁舎建設に伴う関係経費が皆減したことによる影響が大きい。民生費は、生活保護給付事業費や障害者自立支援給付等事業費等に係る経費が大きいことにより類似団体と比較して高い水準となる傾向にある。なお、令和4年度に減少した要因として、子育て世帯等を対象とする臨時特別給付金事業(コロナウイルス感染症長期化対策)にかかる経費の急減等あげられる。衛生費については、コロナワクチン接種対策費に対する国庫補助金の返還をおこなったことが主な要因として前年度より住民一人当たりのコストが7,792増える結果となった。土木費は、土地開発公社事業へ令和3年度に5.4億円、令和4年度に3.5億円資金貸付したことにより例年より増加している。教育費については、コロナ禍による経済対策として令和4年度に実施した給食費相当分支給事業(中学生までの児童の保護者に対し、対象児童1人につき給食費相当分として25,500円(5か月分)支給する事業)や、小学校営繕工事の増加による影響により、前年度より4,369円増加している。なお、令和元年度に類似団体よりも高い水準となっているのは、小・中学校の空調設置工事をおこなったためである。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

人件費について、住民一人当たりのコストが、類似団体平均と比べて高くなっている。これは、保育所・こども園・高等学校及びごみ処理施設等の施設運営を直営で行っているなど、職員数(会計年度任用職員を含む。)が類似団体と比較して多くなる基礎的な要因があることが影響している。また、4年度に増加した主な要因の一つとして、退職手当の増加が挙げられる。物件費については、令和3年度におこなった旧庁舎解体工事の皆減等により、前年度比-1,689円となっている。扶助費については、生活困窮者自立支援事業費や子育て世帯臨時特別給付金など、コロナウイルス感染症対策関連経費の減少により類似団体同様に急減している。補助費等は、国・県への返還金が多かったことにより増加している。普通建設事業費の減少は、新庁舎建設事業や総合福祉会館空調改修事業の皆減が主な要因である。積立金について、令和元年度から財政調整基金への積立てを歳計剰余金処分の方法により行っており、令和4年度に減少した理由としては公債償還基金積立金の減少が挙げられる。投資及び出資金は、令和4年度に下水道事業会計の赤字補填として一般会計から2.6億円出資したことにより皆増となっている。貸付金について、土地開発公社に対する貸付額が令和3年度5.4億であったところ、令和4年度3.5億円となったことにより減少している。繰出金の増加は、療養給付費負担金(後期高齢者医療給付事業)の増加が主な要因となっており、高齢化の進展等の影響により介護保険事業関係の繰出金が年々増えていることや、人口に対する高齢者の割合が高い一方で人口の減少幅が類似団体に比べて大きいことなどから、住民一人当たりのコストは類似団体よりも高い状況が続くと見込んでいる。

実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)

分析欄

財政調整基金残高は、決算剰余金処分による財政調整基金の積立てにより増加したことから、対標財比率は約4ポイント増加している。実質収支については、令和3年度、普通交付税の増収等による一般財源の増加に加え、令和2年度障害者自立支援給付費等負担金に係る国庫負担金及び県費負担金が過年度収入として精算交付されたことによる影響もあり一時的に改善していたが、令和4年度には再び実質単年度収支が12.1億円の赤字となり、その結果、対標財比率についても6.95ポイント減少している。今後も多様な財政需要に対応するた、引き続き強固で持続可能な財政基盤の確立に取り組むこととしている。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)

分析欄

平成18年度より「大和高田市集中改革プラン」及び「大和高田市財政健全化プログラム」を実施し、普通会計はもとより地方公営企業も含め財政健全化に取り組んだことにより、平成22年度より連結実質赤字も解消されており、平成25年度以降は会計ごとの変動はあるものの、連結では実質黒字となっている。黒字額の大半は、水道事業会計、病院事業会計によるものである。病院事業会計については、患者数が、コロナウイルス感染症の影響を受ける前の状態に戻ったこと等により医業収益が増加し、医業外収益についても増加したことから約8億円の純利益を計上している。一方で、駐車場事業特別会計が慢性的に赤字の理由は、平成28年度までの長期債償還による実質収支赤字の積み上げにより、令和4年度決算時点で前年度繰上充用金が346,220千円となっていることによるものである。また、駐車場の主な利用者である文化会館への来訪者が、新型コロナウイルス感染症拡大によるイベント自粛の影響により激減したため、駐車場使用料収入がコロナ前の7割程度に落ち込んだことにより、令和2年度からは前年度繰上充用金を除いた収支についても赤字となている。休日診療所特別会計については、解散した葛城広域行政事務組合における診療所業務を令和3年度から引継いでいるものである。なお、その他会計のうち介護サービス事業特別会計については、一般会計で赤字分を補てんしている。民間委託の推進や公共施設のあり方検討等、行財政改革により連結実質黒字の維持に努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

元利償還金は、ここ数年、過去の大型公共事業に伴い発行した地方債等の償還が進み減少傾向となっている。令和4年度の減少要因として、平成12の民生債(総合福祉会館建設)の償還終了(-29百万円)や平成22の退職手当債の償還終了(-43百万円)等が挙げられる。公営企業会計である下水道事業会計及び病院事業会計の元利償還金に対する繰入金額は、年度によりばらつきがあるものの、直近3年は減少している。引き続き、事業計画の精査を図り、普通建設事業費及び地方債の適正な発行に努めていく。

将来負担比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

地方債の現在高は、平成30年度までは、過去の大型公共事業に伴い発行した地方債の償還が進み、元利償還金が減少したことや普通建設事業費及び地方債の発行を抑制していたことから減少傾向にあった。令和元年度からは、新庁舎建設事業にかかる地方債の発行により、地方債現在高が大きく増加したが、令和4年度については、普通建設事業が少なかったことが主な要因となり、前年度比で1,232百万円の減少となっている。また、公営企業債等繰入見込額についても水道事業の元金残高の減少等により前年度比で801百万円減少しており、充当可能財源は減ったものの、結果として、将来負担費率の分子は前年度比1,905百万円の減少となった。令和3年度から、債務負担行為に基づく支出予定額に数値計上しているが、これは、旧庁舎跡地利用に係る経費についての債務負担行為設定によるものである。また、設立法人等の負債額等負担見込額が令和3年度に引き続き0となっいるのは、土地開発公社の長期借入金について、例年市中銀行から借りているものを一般会計から借り入れたことによるものである。今後、大規模な普通建設事業にかかる起債が想定されることから、将来負担比率の分子は増加していくと考えられる。事業実施の適正化を図り、財政の健全化に努める。

基金残高に係る経年分析(2022年度)

基金全体

(増減理由)令和3年度と比較すると、財政調整基金が600百万円、その他特定目的基金が91百万円増加したことにより、基金全体では、689百万円の増加となっている。財政調整基金の増加は、歳計剰余金処分による積立てによるものである。その他特定目的基金の増加は、ふるさと大和高田応援基金の増加が主な要因となっている。(今後の方針)財政運営の安定化を図るため、引き続き計画的に基金の積み立てを行うとともに、必要に応じて基金の活用を検討していく。

財政調整基金

(増減理由)令和4年度の基金残高は、2,337百万円となっており、前年度から600百万円の増加となっている。地方財政法の規定により、決算上生じた剰余金のうち2分の1を下らない金額について、歳計剰余金処分の方法により財政調整基金に700百万円編入したことが主な要因である。(今後の方針)経済状況の変化による収入の減少、災害の発生に伴う支出の増加などに対応し、継続して安定的な財政運営ができるよう、標準財政規模の10%程度を基金確保するよう努めるとともに、今後の多様な財政需要に対応するため、収支に不足が生じた場合には、所要の額を取り崩すこととしている。

減債基金

(増減理由)令和4年度の基金残高は444百万円で、前年度から2百万円の微減となっている。過去に積み立てていた補助金(奈良県公立小中学校空調設備設置緊急支援補助金、大和川流域総合治水対策事業補助金等)について、各々の事業における公債費の元金償還のために取り崩している。(今後の方針)将来にわたる財政の健全な運営を行うため、市債の償還に必要な財源を確保するとともに、公債費が他の経費を圧迫するような場合には、取り崩してその財源に充てることとしている。

その他特定目的基金

(基金の使途)ふるさと大和高田応援基金:多様な人々が参加する地方自治を推進するため、市政の新たな展開や充実を図るための施策に要する費用へ充当退職手当基金:市職員の退職手当に対して充当休日診療所基金:休日診療所の健全な運営並びに施設及び設備の整備に要する経費の財源に対して充当公共施設整備基金:公共施設の整備等に要する財源の一部に充当交通遺児就学援助等基金:交通遺児を見舞い、その就学を援助する事業の財源及び交通安全対策事業の推進に要する財源に充当(増減理由)ふるさと大和高田応援基金について、令和4年度の寄付金受入による積立額が213百万円、コロナウイルス感染症対策等への充当のための取崩額が135百万円となっており、積み立てが取り崩しを上回ったため78百万円の増加となっている。なお、令和3年度から、旧葛城広域行政事務組合における診療所業務を休日診療所特別会計が引継いでおり、令和4年度については約9百万円を休日診療所基金に積み立てている。(今後の方針)ふるさと大和高田応援基金については、ふるさと納税の推進による基金の充実を図るとともに、市民のニーズに合った事業へ充当することとしている。その他の基金についても、特定の財政支出に備えるため一定額を確保していくこととしている。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

全体の有形固定資産減価償却率は、全国平均と比べ0.1ポイント低く、類似団体と比べて0.9ポイント高く、前年度比で1.7ポイント増加している。今後も公共施設等総合管理計画に基づき、必要性・継続性・効率性の観点から、老朽化した公共施設等の適正化に積極的に取り組んでいく必要がある。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は、前年度より195.1ポイント悪化し、類似団体平均と全国平均よりも高い水準となっている。主な要因は、類似団体に比べ公共施設数が多く、人件費や物件費などの経常経費が高い傾向にあることが挙げられる。債務償還比率に影響力のある公債費については昨年度より減少しているものの、今後も公共施設等の更新等による地方債の増加が想定されることから、より一層の経常経費の抑制に取り組んでいく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

有形固定資産減価償却率は類似団体平均と比べて0.9ポイント高く、将来負担比率は類似団体に比べて20.6ポイント高くなっている。次年度においては、ごみ中継施設など大型の建設事業の進行により将来負担比率の増加が見込まれている。これを勘案しながら有形固定資産の老朽化対策を進めていくためにも、公共施設等総合管理計画など各種の計画や方針に基づき、公共施設等の更新等や長寿命化において多様な観点から施設の適正化を進め、効率的な整備更新事業を進めていく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

本市は将来負担比率および実質公債費比率ともに類似団体内平均値より高くなっているものの、将来負担比率は、普通建設事業費の減少により地方債の発行額が減少するなど、前年度比13ポイント良化しており、また実質公債費比率についても償還終了による元利償還金の減少などが主な要因となり前年度比1.1ポイント良化している。今後は、退職手当債の償還終了による実質公債費比率の減少要因を見込むものの、大型の建設事業や老朽化した公共施設等の整備更新事業に伴う地方債の発行などを要因として実質公債費比率と将来負担比率の増加が見込まれることから、公共施設等の設置や規模の適正さも含めて検討を進め、公債費の適正化に取り組んでいく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

「学校施設」については、全国平均、奈良県平均、類似団体平均と比べても、あまり差のない値となっており、施設の更新については平均的な水準で行われている。「認定こども園・幼稚園・保育所」については、全国平均、奈良県平均、類似団体平均に比べてやや高い比率であり、また施設数が多く一人当たり面積が類似団体平均の倍以上となっている。保育所6園の有形固定資産減価償却率は88%を超え特に老朽化が進んでおり、昭和後期に建築された園舎の老朽化が進んでいることが要因であるため対策が必要であると考える。「公営住宅」については、昭和期から供用されており耐用期間を経過した施設も多いため、大和高田市公営住宅等長寿命化計画に沿って老朽化対策を積極的に取り組んでいるところである。「公民館」「児童館」については、有形固定資産減価償却率の値からも更新時期が近い施設であるため、対策が必要である。「道路」については、市域が狭いことから一人当たり延長も短く、道路整備も比較的進んでいる。「橋りょう」については、多くが昭和期に供用開始されたため耐用年数を経過しており対策を進めているが、修繕工事を主として行っているため有形固定資産減価償却率の良化には至っていない。

施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

「図書館」「体育館・プール」については類似団体と同規模、「市民会館」については類似団体より倍近い規模であるが、いずれも有形固定資産減価償却率においては類似団体平均よりやや高い値を示しており、適正規模を勘案しながら修繕等必要な処置を行う必要がある「一般廃棄物処理施設」については、ごみ処理の広域化へ移行することに伴い、既存の焼却施設は令和7年に撤去する予定である。「消防施設」については、類似団体平均と同規模でありながら、有形固定資産減価償却率において類似団体より低い値を維持している。また、「庁舎」についても低い有形固定資産減価償却率となっているが、これは令和3年7月に庁舎建替事業が完了したことによるものである。「福祉施設」については類似団体よりも小規模、「保健センター・保健所」については類似団体と同程度の規模であるが、ともに有形固定資産減価償却率が類似団体平均を大きく上回っている。総合福祉会館及び保健センターの修繕修復等は随時行われているが、「福祉施設」の高田温泉さくら荘において、設備の改修は徐々に行われているものの、施設本体の減価償却が進んでいることもあり、有形固定資産減価償却率が上昇している。

財務書類に関する情報①(2022年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等は、資産総額が前年度末から553百万円の減少(△0.9%)となった。主な要因は、流動資産である現金預金の減少であり、前年度比572百万円減少(△70.2%)となっている。また、前年度と比較し数値変動の大きい資産として、有形固定資産のうち事業用資産における建設仮勘定と建物減価償却累計額、物品、出資金、長期貸付金があげられる。建設仮勘定は、進行中である大和高田市ごみ中継施設建設工事事業における建設中の建物257百万円の計上もあり276百万円増加、建物減価償却累計額は、令和3年度に完成した新庁舎に係る減価償却の影響が大きく1,120百万円増加、物品は、リース資産である学校ICT用コンピュータ機器一式259百万円の除却などにより218百万円の減少、出資金は、下水道事業会計への260百万円の出資などにより447百万円増加、長期貸付金は、土地開発公社事業への貸付金350百万円が主な要因となり349百万円の増加となっている。今後も有形固定資産の減価償却が進み、老朽化した固定資産の更新需要が見込まれることから、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の集約化・複合化を進めるなど公共施設の適正管理に努める。全体会計は、一般会計等に加えて特別会計・公営企業会計(病院事業・水道事業・下水道事業)を含むため、一般会計等と比較すると、資産総額は46,637百万円多い。主な要因としては、公営企業会計のインフラ資産における工作物が簿価32,883百万円であり、多くを占めている。負債総額も同じく36,746百万円多くなっている。連結会計は、全体会計に加えて連結対象団体(一部事務組合・広域連合等)を含むため、全体会計と比較すると、資産総額は5,052百万円増加しており、負債総額も1,261百万円増加している。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等は、経常費用が26,372百万円となり、前年度比936百万円の減少(△3.4%)となっている。そのうち、業務費用は12,146百万円で、前年度比456百万円減少し、移転費用も14,226百万円と、前年度比480百万円減少している。業務費用の主な減少要因は、物件費、維持補修費であり、物件費は、光熱水費93百万円や耐震診断委託料49百万円などの増加があるものの、予防接種委託料55百万円、ふるさと納税返礼品発送業務等委託料50百万円、一般廃棄物最終処分手数料37百万円の減少により、326百万円減少し4,236百万円、維持補修費については昨年度実施された旧庁舎解体工事151百万円や浮孔小学校既存校舎解体工事80百万円などの減少により、昨年と比べて472百万円減少し188百万円となっている。移転費用の主な減少要因は補助金等であり、商品券使用支出金324百万円や給食費相当分給付金155百万円などの増加があるものの、子育て世帯特別給付金793百万円など事業終了による減少の影響が大きく、昨年度比363百万円減少の4,481百万円となっている。より一層の効率的な運営を図るためにも、業務委託や公共施設の適正化など管理・運営の最適化を図り、経常費用の削減に努める必要がある。全体会計は、一般会計等と比較すると、経常費用が22,895百万円増加(うち業務費用+11,721百万円、移転費用+11,174百万円)し、経常収益が10,218百万円増加(うち使用料及び手数料+9,347百万円)し、純行政コストが12,677百万円増加している。連結会計は、全体会計と比較すると、経常費用が9,112百万円増加(うち業務費用+1,798百万円、移転費用+7,314百万円)し、経常収益が198百万円増加しているため、純行政コストは8,915百万円増加している。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等は、税収等の財源(25,855百万円)が純行政コスト(25,190百万円)を上回ったことから、本年度差額は665百万円(前年度比△468百万円)となり、純資産残高は829百万円増加の33,885百万円となった。特に金額の変動が大きいものは国県等補助金(8,484百万円)であり、前年度に比べて700百万円減少しているが、主な要因は給付金事業の終了に伴い、子育て世帯臨時特例給付金事業費補助金で766百万円、住民税非課税世帯等臨時特別給付金で467百万円の減少となっていることである。一方で、住民税非課税世帯等臨時特別給付金(価格高騰分)事業の開始により528百万円、その他に新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金として物価対応分で168百万円、重点支援分で166百万円増加しているも、国庫支出金は前年度と比べて減少している。税収については、昨年度比+102百万円と増加しているが、普通交付税129百万円の増加による影響が大きく、その他に固定資産税(現年課税分)76百万円増加しているが、一方で、ふるさと大和高田応援寄附金が66百万円減少している。全体会計は、一般会計等と比較すると、純行政コストが12,677百万円増加、財源は13,858百万円(税収等4,765百万円、国県等補助金9,093百万円)増加となり、本年度差額は1,181百万円増加している。連結会計は、全体会計と比較すると、純行政コストが8,915百万円増加、財源は9,019百万円(税収等4,987百万円国県等補助金4,032百万円)増加となり、本年度差額は104百万円増加している。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等は、業務活動収支について前年度に比べて139百万円減少、投資活動収支については前年度に比べて780百万円増加している。業務活動収支減少の主な要因としては給付金事業の終了に伴う国県等補助金収入の減少(前年度比△693万円)及び過年度国県等補助金収入などのその他の収入の減少(前年度比△323万円)があげられる。投資活動収支増加の主な要因としては、新庁舎の設計・施工業務委託料の終了などによる公共施設等整備費支出1,161百万円の減少があげられる。財務活動収支は、1,697百万円減少した。地方債償還支出が前年度と比べて278百万円減少するも、臨時財政対策債や庁舎建設債の減少により地方債発行収入が1,973百万円減少している。結果として、本年度末資金残高は前年度から572百万円減少の203百万円となっている。全体会計では、一般会計等に比べて、業務活動収支は業務支出が21,685百万円多く(うち業務費用支出10,512百万円、移転費用支出11,174百万円)、業務収入が23,215百万円多くなり、差引して1,532百万円多くなっている。投資活動収支は、下水道事業会計の公共施設等整備費支出が大きく影響しており、投資活動支出が2,063百万円多く、投資活動収入が1,065百万円多くなり、支出が収入を上回ったため、差引して999百万円少なくなった。財務活動収支についても、地方債償還支出が3,168百万円多く、地方債発行収入が2,808百万円多くなり、支出が収入を上回ったため、差引して359百万円少なくなっている。連結会計では、全体会計に比べて、業務活動収支は業務支出が9,279百万円多く、業務収入が9,190百万円多くなり、差引収支において89百万円少なくなった。投資活動収支は、投資活動支出が30百万円多くなり、投資活動収入が154百万円多くなったことで、収入が支出を上回ったため、差引して124百万円多くなった。財務活動収支は、地方債償還支出が64百万円多く、地方債発行収入が53百万円多くなり、差引して17百万円少なくなっている。

財務書類に関する情報②(2022年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たりの資産額が類似団体平均を大きく下回っているが、これは、本市では、土地や道路において、取得価額が不明であるため、備忘価額1円で評価しているものが大半を占めているためである。また、歳入額対資産比率が、類似団体平均より低いことも、同様のことが要因であると言える。なお、前年度よりも値が0.22ポイント上がっているのは、庁舎整備基金繰入金1,343百万円などの減少から基金取崩収入が1,325百万円減少し、また地方債発行収入も1,973百万円減少していることが主な要因となり、歳入総額が前年度比3,756百万円減少しているからである。有形固定資産減価償却率については、昨年度の建物減価償却累計額が旧市庁舎の除却によりやや減少となっていたところ、今年度は新庁舎の減価償却も相まって、建物減価償却費は前年度比で1,120百万円増加し、減価償却累計額の合計が前年度比1,437百万円増加したことから、類似団体平均をやや上回る結果となった。引き続き、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の集約化・複合化を進めるなど公共施設の適正管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率が類似団体平均を大きく下回っており、また、将来世代負担比率も類似団体平均を上回っていることについては、現在の資産の形成のため借り入れた地方債の割合が、類似団体平均を上回っていることが、要因となっている。特に、今回は純資産比率が前年度比1.9ポイント増加、将来負担比率が前年度比0.5ポイント減少しているが、固定資産のうち有形固定資産で建物減価償却累計額が1,120百万円の増加があり、有形固定資産合計は915百万円減少したこと、また固定資産の投資その他の資産で、下水道事業会計出資金などの出資金447百万円、土地開発公社事業資金貸付金などの長期貸付金349百万円の増加があるものの、前述の有形固定資産の減少や、流動資産の現金預金572百万円の減少したことが主な要因となり、資産合計は553百万円減少したこと。経常経費の抑制により、行政コストの削減を図り、比率の改善に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たりの行政コストは、類似団体平均値と近い水準で推移している。純行政コストは前年度とほぼ同じ水準となっており、維持補修費で472百万円、補助金等で363百万円減少するなど、経常費用が936百万円減少しているが、経常収益の国・県支出金の過年度収入などによるその他経常利益351百万円の減少、臨時利益の土地開発公社損失補償引当金の戻入によるその他臨時利益469百万円の減少など、収益・利益でも815百万円減少した。人口が年々減少していること、類似団体に比べて人口の減少率が大きいことから、住民1人あたりの行政コストは増加傾向にあり、類似団体との差も開く傾向にある。そのため、経常経費の抑制により、行政コストの削減を図り、比率の改善に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たりの負債額は、類似団体平均とほぼ同水準で推移している。基礎的財政収支は、業務活動収支が前年度比149百万円減少したが、基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた投資活動収支が前年度比1,080百万円増加したため、931百万円増加となったものの、依然として類似団体平均を下回っている。業務活動収支では、物件費等支出の798百万円減少などがあり795百万円減少しているものの、国県等補助金収入693百万円減少などにより、業務収入も932百万円減少している。一方の投資活動収支では、新庁舎建設事業の終了に伴い公共施設等整備費支出が1,161百万円減少したことが影響し、1,080百万円増加している。公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設の適正管理を行い、黒字額の増加に努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、経常収益が前年度比350百万円減少、経常費用が前年度比936百万円減少したことにより、前年度に比べて1.2ポイント減少しており、類似団体平均と同値となった。経常収益が減少した主な要因としては、その他経常収益で、国庫支出金過年度収入197百万円、県支出金過年度収入165百万円の減少などがあり、前年度比351百万円減少したことがあげられる。また、経常費用が減少した主な要因としては、物件費で前年度比326百万円の減少、維持補修費で前年度比472百万円の減少があったことがあげられる。職員数の増加や老朽化した公共施設にかかる維持補修費の増加により、人件費や物件費等の経常費用が年々増加していることから、業務委託による人件費の削減や公共施設総合管理計画に基づいた公共施設の適正な維持管理等を行い、経常費用の削減に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,