兵庫県：粒子線医療センターの経営状況（2017年度）

地域において担っている役割

陽子線及び重粒子線（炭素イオン線）の２種類の粒子線治療が可能な世界初、日本唯一の施設として、高度ながん治療を実施するほか、効果が高い治療法の開発や適用症例の拡大のための取組を行っている。

経常収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（％）	98.9	103.1	99.2	93.2	88.6	96.4
類似団体内平均値（％）	98.1	97.7	98.5	98.0	98.4	98.2

医業収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（％）	93.6	99.0	64.2	57.1	50.2	54.1
類似団体内平均値（％）	83.2	82.5	79.7	79.6	77.9	78.1

累積欠損金比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（％）	127.5	110.7	125.3	155.2	202.1	206.0
類似団体内平均値（％）	71.9	70.5	64.1	65.7	71.4	78.1

病床利用率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（％）	82.7	85.2	81.9	78.8	72.1	78.8
類似団体内平均値（％）	69.2	68.6	67.4	66.6	66.8	67.9

入院患者１人１日当たり収益

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（円）	81272.0	80282.0	86495.0	80766.0	84755.0	81922.0
類似団体内平均値（円）	23061.0	23475.0	23857.0	24371.0	24882.0	25249.0

外来患者１人１日当たり収益

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（円）	86420.0	84046.0	71613.0	70558.0	67234.0	68840.0
類似団体内平均値（円）	8338.0	8603.0	8471.0	8736.0	8797.0	8852.0

職員給与費対医業収益比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（％）	23.5	22.0	28.5	31.0	36.6	43.6
類似団体内平均値（％）	64.7	65.3	67.9	68.0	70.0	70.8

材料費対医業収益比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（％）	3.7	3.1	3.9	4.7	4.8	5.4
類似団体内平均値（％）	19.6	19.1	18.0	18.0	17.6	17.2

経営の健全性・効率性について

平成29年度は、実患者数が前年度に較べて2名減少したが、委託契約の見直し等により経常収支比率及び医業収支比率が若干改善した。実患者数の減少は、日本各地に粒子線治療施設が開院したことや、次期保険収載に向け既存治療と条件を揃えた症例を集めるために、疾患ごとの統一治療方針を定めるなど、治療にあたっての厳格な手続きが求められたことが影響している。紹介元病院の新規開拓や既紹介元病院との連携強化、粒子線治療のＰＲなど、患者数の確保に向けた取組みを一層推進するとともに、光熱水費の節約等、経費縮減を進め収支改善に努める。

有形固定資産減価償却率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（％）	19.4	21.1	64.9	68.8	73.6	58.9
類似団体内平均値（％）	43.0	43.9	52.4	52.6	54.2	53.8

器械備品減価償却率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（％）	23.5	26.4	77.4	69.1	73.9	53.0
類似団体内平均値（％）	60.6	59.1	68.9	68.0	70.0	71.0

１床当たり有形固定資産

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（円）	557177180.0	557420300.0	557854720.0	557057040.0	557870160.0	737735660.0
類似団体内平均値（円）	33688486.0	34462126.0	34878088.0	36094355.0	36941419.0	38480542.0

老朽化の状況について

平成13年の開設から16年が経過し、粒子線治療装置をはじめ多くの設備・施設の老朽化が進んでいる。粒子線治療装置については、現有装置の部分改修を計画的に進めることとし、その他の設備・施設についても優先順位をつけて取り組む。

全体総括

がんの先進医療を担う施設として、粒子線治療の普及、人材育成、適用症例の拡大のための取組を今後も行っていく必要がある。一方、経常損益が赤字の状況では、老朽化が進む施設・設備の改修に係る投資を行うことが困難となるため、がん診療ネットワークの強化等による患者数の確保、光熱水費や委託経費の見直し等、新県立病院改革プランに基づき、病院経営の健全化に取り組んでいく。