岐阜県中津川市：総合病院　中津川市民病院の経営状況（2019年度）

地域において担っている役割

市内の他の医療機関等と綿密な連携を図り、症状が軽い身近な医療は地域の診療所が担い、重篤な急性期・高度医療の一部を当院が担っている。総合病院の利点を活かした専門性を有する質の高い高度医療を提供する医療機関として東濃東部地域の中核病院として役割を果たしている。また、平成28年度に策定した『新公立病院改革プラン』に沿って、同市内にある坂下病院と機能分担を図っており、平成31年4月1日から同病院を診療所化したことにより当院の担う役割は重要性を増している。

経常収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019
当該団体値（％）	100.8	98.5	99.3	101.3	102.4	96.2	94.8	94.7
類似団体内平均値（％）	99.4	99.0	97.7	98.0	97.2	97.0	97.8	97.0

医業収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019
当該団体値（％）	97.6	95.4	95.2	98.6	99.1	92.7	91.4	90.2
類似団体内平均値（％）	92.6	92.2	90.2	91.1	90.1	89.6	89.7	89.3

修正医業収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019
当該団体値（％）							89.6	88.8
類似団体内平均値（％）							86.7	86.5

累積欠損金比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019
当該団体値（％）	84.5	86.5	109.9	106.0	99.6	105.4	106.1	110.0
類似団体内平均値（％）	63.8	62.5	57.6	53.6	59.7	62.6	60.6	61.1

病床利用率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019
当該団体値（％）	65.5	62.3	63.1	62.8	65.2	67.1	70.5	71.2
類似団体内平均値（％）	70.6	70.5	70.6	71.3	72.6	73.5	74.1	74.4

入院患者１人１日当たり収益

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019
当該団体値（円）	47021.0	48020.0	48233.0	48667.0	49016.0	47944.0	49039.0	49840.0
類似団体内平均値（円）	45929.0	48203.0	48941.0	50413.0	50510.0	50958.0	52405.0	53523.0

外来患者１人１日当たり収益

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019
当該団体値（円）	9000.0	9258.0	9813.0	10185.0	10403.0	10640.0	10841.0	11201.0
類似団体内平均値（円）	11409.0	11941.0	12272.0	13096.0	13552.0	13792.0	14290.0	15111.0

職員給与費対医業収益比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019
当該団体値（％）	51.9	52.3	53.0	50.9	51.0	56.5	60.7	61.9
類似団体内平均値（％）	54.8	54.9	56.4	55.6	56.7	56.9	57.0	57.0

材料費対医業収益比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019
当該団体値（％）	18.8	18.8	19.2	19.2	18.1	19.4	18.9	19.5
類似団体内平均値（％）	23.0	23.6	23.5	24.3	24.2	24.2	24.0	24.5

経営の健全性・効率性について

①医業収益、医業外収益共に前年より増加したが、前年に引き続き坂下診療所からの職員の異動に伴う給与費を中心とした費用の増加があり、経常損失となった。②入院、外来患者数の増加により医業収益は増加したが、①で述べたように費用の増加があり、医業損失となった。③累積欠損金比率については年々増加しており、院内で実施している費用の削減と収益の増加を目指す方策の推進と一層の経営の効率化を図る必要がある。④病床利用率については前年度より微増しているが、平均を下回っていることや収益の確保のためにも改善を図る必要がある。⑤前年度より増加しているが、依然平均を下回っている。周辺に医療機関が少ない地域でもあり、様々な患者を受け入れる必要がある事も単価が上がらない要因と考える。⑥前年と比較し微増となっているが、依然として平均を下回っている。⑤でも述べたが周辺に医療機関が少ない地域でもあり軽症での受診者が多い事が影響していると考えられる。⑦前年に引き続き「中津川市新公立病院改革プラン」の実施に伴う坂下診療所からの異動者の影響から高い数値となっている。⑧前年に引き続き価格交渉は実施しているが、今年度着任した医師による、当院ではこれまで実施件数が少なかった医療行為の増加により若干増加した。

有形固定資産減価償却率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019
当該団体値（％）	56.9	58.3	58.5	59.6	62.4	65.1	66.2	67.6
類似団体内平均値（％）	45.5	45.8	48.9	50.3	49.8	50.9	51.9	52.9

器械備品減価償却率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019
当該団体値（％）	72.4	70.6	69.3	64.3	68.5	72.2	70.9	71.2
類似団体内平均値（％）	62.5	59.9	65.4	65.7	65.0	66.8	68.2	69.4

１床当たり有形固定資産

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019
当該団体値（円）	35567139.0	36643681.0	35426619.0	34162489.0	34551219.0	34892858.0	36000814.0	36743950.0
類似団体内平均値（円）	39169586.0	40264615.0	41593368.0	42578034.0	45645830.0	47082778.0	48918364.0	49696718.0

老朽化の状況について

①平成元年竣工の当院は建物等の老朽化が著しい。そのため計画的な施設更新を検討していく予定である。②器械備品減価償却率についても前年に続き全国平均を上回っているが資金的な事もあり、容易に更新は出来ていない。医療機器購入の検討委員会を設けて計画的に更新を行っている。③平均値は下回っているが、前年より微増となっているため、これまでど同様に計画的な備品購入等を行っていく。

全体総括

今年度については医業収益等は増加している。しかし、令和2年度まで実施中の「中津川市新公立病院改革プラン」に沿って行われた坂下病院の診療所化により、今年度も前年度に引き続き職員の異動があり給与費が増加した。これらによる費用の増加から、経営状況は前年度に比較して悪化している。また、老朽化の進む施設についても今後の在り方を検討する必要がある。こうした厳しい状況が続くが地域の中核病院として安定的な医療提供体制を確立すべく、経営の改善に努めていく。