岐阜県中津川市：総合病院　中津川市民病院の経営状況（2018年度）

地域において担っている役割

市内の他の医療機関等と綿密な連携を図り、症状が軽い身近な医療は地域の診療所が担い、重篤な急性期・高度医療を当院が担っている。総合病院の利点を活かした専門性を有する質の高い高度医療を提供する医療機関として東濃東部地域の中核病院として役割を果たしている。また、平成28年度に策定した『新公立病院改革プラン』に沿って、同市内の坂下病院と機能分担を行っている。

経常収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018
当該団体値（％）	100.8	98.5	99.3	101.3	102.4	96.2	94.8
類似団体内平均値（％）	99.4	99.0	97.7	98.0	97.2	97.0	97.8

医業収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018
当該団体値（％）	97.6	95.4	95.2	98.6	99.1	92.7	91.4
類似団体内平均値（％）	92.6	92.2	90.2	91.1	90.1	89.6	89.7

修正医業収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018
当該団体値（％）							89.6
類似団体内平均値（％）							86.7

累積欠損金比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018
当該団体値（％）	84.5	86.5	109.9	106.0	99.6	105.4	106.1
類似団体内平均値（％）	63.8	62.5	57.6	53.6	59.7	62.6	60.6

病床利用率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018
当該団体値（％）	65.5	62.3	63.1	62.8	65.2	67.1	70.5
類似団体内平均値（％）	70.6	70.5	70.6	71.3	72.6	73.5	74.1

入院患者１人１日当たり収益

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018
当該団体値（円）	47021.0	48020.0	48233.0	48667.0	49016.0	47944.0	49039.0
類似団体内平均値（円）	45929.0	48203.0	48941.0	50413.0	50510.0	50958.0	52405.0

外来患者１人１日当たり収益

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018
当該団体値（円）	9000.0	9258.0	9813.0	10185.0	10403.0	10640.0	10841.0
類似団体内平均値（円）	11409.0	11941.0	12272.0	13096.0	13552.0	13792.0	14290.0

職員給与費対医業収益比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018
当該団体値（％）	51.9	52.3	53.0	50.9	51.0	56.5	60.7
類似団体内平均値（％）	54.8	54.9	56.4	55.6	56.7	56.9	57.0

材料費対医業収益比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018
当該団体値（％）	18.8	18.8	19.2	19.2	18.1	19.4	18.9
類似団体内平均値（％）	23.0	23.6	23.5	24.3	24.2	24.2	24.0

経営の健全性・効率性について

①医業収益については休床病床を再稼働した事もあり増収となり、医業外収益も微増となったが、坂下病院からの職員の異動による給与費の増加等の影響により経常損失となった。②①で述べたように医業収益は増加したが、給与費の増加の影響が大きく医業損失となった。③累積欠損比率については前年より微増となり、依然として高い数値であり、より一層の経営の効率化を図る必要がある。④病床利用率は増加傾向にあるが、平均値に対して低く今後もこれまで以上に改善を図る必要がある。⑤前年度より増加し、H28年度の値を超える程度まで回復しているが、これも④同様に平均値を下回っており、改善の余地がある。⑥前年度に引き続き平均値を大きく下回っている。これには軽症での受診者が依然として多いことが影響していると考える。⑦「中津川市新公立病院改革プラン」に基づき行っている機能の分担、集約に関しての坂下病院からの異動者の受入の影響から今年度も高い数値となっている。⑧材料費は対前年度で増加しているが、医業収益の増加、業者との価格交渉の結果、前年度より減少した。

有形固定資産減価償却率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018
当該団体値（％）	56.9	58.3	58.5	59.6	62.4	65.1	66.2
類似団体内平均値（％）	45.5	45.8	48.9	50.3	49.8	50.9	51.9

器械備品減価償却率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018
当該団体値（％）	72.4	70.6	69.3	64.3	68.5	72.2	70.9
類似団体内平均値（％）	62.5	59.9	65.4	65.7	65.0	66.8	68.2

１床当たり有形固定資産

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018
当該団体値（円）	35567139.0	36643681.0	35426619.0	34162489.0	34551219.0	34892858.0	36000814.0
類似団体内平均値（円）	39169586.0	40264615.0	41593368.0	42578034.0	45645830.0	47082778.0	48918364.0

老朽化の状況について

①当院は竣工から30年ほど経っており、建物付属設備等の老朽化が著しい。計画的な施設更新を検討する必要がある。②前年度より微減となっているが、依然として平均値を上回っている。器械備品については、これまで以上に計画的な更新を行う。③平均値を下回ってはいるが、前年度より増加しており、今後の負担増にならないよう計画的な備品購入や施設改修を行っていく必要がある。

全体総括

新たに休床病床を再稼働したこともあり、収益は増加している。しかし、「新公立病院改革プラン」に沿って坂下病院との機能分担、集約を行っており、それに伴う職員の異動等による費用等の増加が大きく、経営の状況は前年に比べても悪化している。施設についても老朽化が進んでおり、これまで以上に計画的な更新を行う必要がある。以上から今後も厳しい状況であるが、地域の中核病院としての役割を果たすべく、職員の資質向上と経営の改善に努めていく。