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地方財政ダッシュボード

神奈川県箱根町の財政状況(2011年度)

🏠箱根町

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2011年度)

財政力指数の分析欄

類似団体の中では最も高い水準となっており、全国平均及び県内平均との比較においても継続して高い水準を保っている。しかし財政力指数は普通交付税の算定にあたり在住人口をベースとして計算されており、年間を通じて2,000万人にものぼる観光客については算定において殆ど反映されていない。観光を基幹産業とする当町において、観光関連の事業に要する経費や観光客も考慮した環境衛生施設の維持管理、消防力の充実等に要する経費は多額であり、基準財政需要額との間に大きな乖離が生じている。長引く不況の影響も併せ、実際の財政状況は厳しい状態が続いている。

経常収支比率の分析欄

19~21年度の3年間は下降していたが、22、23年度と上昇している。歳入面は、大規模償却資産の県課税分が発生しなかったものの、震災の影響で町民税や入湯税が減収となり、さらに臨時財政対策債も半減したことで、全体では7,342万円の減となった。歳出面では補助費、繰出金で増となったが、人件費、物件費、維持補修費等の減が大きく、総額で5,135万円の減となった。歳入歳出ともに減となったものの歳入の減が大きかったため比率が1.1ポイント上昇し94.2となった。今後は21年度に策定した財政健全化プランをもとに歳入確保、歳出削減を推進し、財政の健全化を図っていく。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

県内平均・全国平均を大きく上回り類似団体内で下から二番目の順位となった。当町の人口は13,000人ほどであるが、年間を通じて2,000万人もの観光客が訪れる県内有数の観光地であり、観光客へ対応するために人口を大きく上回る処理能力を有したごみ処理施設、下水道施設の維持管理や消防力の充実に経費をかけざるをえない状況となっている。また人件費についても団塊世代の退職に伴い退職組合に対する負担金も増加したことで1人当たりの経費が増となる要因となった。

ラスパイレス指数の分析欄

国基準を下回っているが、引き続きより一層給与の適正化に努めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

観光客に対応するための観光、ごみ処理、下水道及び消防に関連する施設に勤務する職員を数多く必要とすることから類似団体の平均値を大きく上回る数値となっている。また山間部に集落が点在するという地形のため、出張所や消防分遣所も集落ごとに配備する必要があり、他団体よりも多くの職員を擁している。これまでも定年退職者の1/2以内の補充や業務の執行方法の見直し、効率的な組織の改編などにより職員の削減を継続的に行ってきたが、類似団体中の順位は最下位に後退した。今後は財政健全化プランに基づいて業務や施設の統廃・廃止、人事異動や採用等の組織の改編等をさらに推し進めていくことにより職員数の削減を計画的に行っていく。

実質公債費比率の分析欄

公債費は償還のピークであった18年度から減少傾向にあるが、観光客に対応するために行うごみ処理施設、下水道施設の整備や消防力の充実にかかる負担は大きく、劇的な数値の改善は難しい状況にある。しかし税収の減や臨時財政対策債発行可能額の算定方法の変更など実質公債費比率を悪化させる要素が多い中にあって、財政健全化プランを策定し、毎年度の起債額の上限を設けるなどの借入額抑制措置を行い、19年度以降は数値の改善を達成している。今後も引き続き地方債現在高の減少に努めていく。

将来負担比率の分析欄

23年度は前年度比5.3ポイントの減となった。臨時財政対策債の半減などにより標準財政規模が過去5年間で最低となった。また震災対応で財政調整基金を取り崩したことで充当可能財源等は4億円程度減少した。将来負担の主な要素である地方債現在高、公営企業債等繰入見込額(準元利償還金)及び退職手当負担見込額は減少し、5年連続で将来負担比率が減少することとなった。しかし20年度に債務負担行為を設定した公共用地取得費(土地開発公社の先行取得土地の買戻し分)は、毎年、利子相当額が約1,000万円ずつ増加しており、将来負担比率の減少を妨げる要因になっているため、起債額の上限設定や人件費の抑制に努め、今後も数値の減少を図っていく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2011年度)

人件費の分析欄

山岳地域に集落が点在するという地形により出張所などに勤務する職員を多く必要とするため県内、全国市町村平均値を大きく上回り、類似団体との比較においても昨年度に引き続き最も低い順位となった。21年度以前は毎年2,000~7,000万円減少していたものであるが、22年度からは増加に転じており、経常収支比率も前年比0.6%~1.0%の増となった。新規採用職員の抑制や人事院勧告に準じた期末勤勉手当の減により職員給は減少傾向が続いているが、団塊世代が退職のピークをむかえたことで退職手当負担金の大幅増、共済組合負担金の負担率の増の影響などにより全体では2,895万円の増となった。

物件費の分析欄

被災地への職員派遣や避難者支援事業などの費用が発生したため、23年度の物件費は前年度比0.2ポイントの増となったが、18年度以降横ばいの状態が続いている。物件費の中では委託料がその多くを占めているが、その大半はごみ処理施設の維持管理など環境整備に要する経費であり、年間2,000万人もの観光客に対応するため必要不可欠なものである。住民及び観光客に十分なサービスを提供しつつ、事業等の見直しを推進し、経費の削減に努めていく。

扶助費の分析欄

22年度に1億2,499万円、35%の大幅増となった後も、750万円の増となり、経常収支比率は横ばいとなった。子ども手当による増、保育環境の充実を図ったことによる保育所関係経費の増及び助成対象が小6から中3までに拡大したことによる小児医療費助成事業の増など22年度に大幅増となった要因が継続される一方で、新たな増要因がなかったため22年度と同水準となった。

その他の分析欄

庁舎等の修繕が増となったものの老人福祉センターや関所の維持補修費は減となり、維持補修費全体で990万円の減となった。また下水道事業など他会計への繰出金も2,635万円減となった。その他の経費は前年度比6,092万円の減となったものの、投資的経費等も減少したため、経常収支比率の減少幅は小幅となった。

補助費等の分析欄

23年度は震災の影響で観光客が減少したことを受け、地域振興クーポンの交付を行った。また神奈川県市町村情報システム共同事業組合等の負担金も生じたことで2億8,837万円、前年度比0.4ポイントの増となった。グラフは横ばいになっているが、全国及び神奈川県の平均を大きく下回り、類似団体内の順位も上位を維持している。。今後も引き続き適正な執行に努めていく。

公債費の分析欄

18年度にピークを迎え、19年度以降は償還額が減少を続けていたが、23年度は横ばいとなった。財政健全化プランに基づき毎年の起債額に上限を設けているため、22年度のような大幅な減少はないものの今後も9億円台で徐々に減少していく見込みである。

公債費以外の分析欄

22年度の集会所建設事業のような大規模な建設事業がなかったため普通建設事業費は前年度比1億円の減となったものの、震災対策事業として、被災地への職員派遣やクーポン券の交付、緊急特別融資などを行った結果、公債費以外の経常収支比率は1.1ポイントとなった。

実質収支比率等に係る経年分析(2011年度)

分析欄

19~22年度は4.5~2.1%を確保し、23年度は21年度と同水準の3.9%を確保した。義務的経費のうち人件費は1,669万円の減となり、公債費は計画的な抑制に努めている。また23年度は、震災対策経費が生じたため補助費や貸付金等が増加したものの、財政調整基金からの繰入金や貸付金元金収入、国庫支出金の増により2億6千万円以上を確保できた。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2011年度)

分析欄

22年度に引き続き赤字はなく、全会計黒字となった。国民健康保険特別会計は、20年度に後期高齢者制度が創設されたことで安定した収納者であった後期高齢者が移行し、保険料の徴収が著しく低下した。それに対し徴収員の増加やコンビニ収納の開始などの対応を行い、23年度の徴収率は前年度比4%の増となったものの、保険給付費の増や、被保険者の所得減などに収入済額は843万円(前年度比1.8%)の減となった。介護保険特別会計においても歳入は横ばいとなっているものの、保険給付費が増となったため、実質収支は減となった。一般会計においては実質収支が1,100万円増となっているが、震災に対応するために財政調整基金を取り崩しているため、見た目以上に厳しい財政状況となっている。今後も各会計において歳出の抑制と歳入の確保に努め、黒字額の維持、増加を図っていく。

実質公債費比率(分子)の構造(2011年度)

分析欄

平成23年度は前年度比0.1ポイントの減となった。実質公債費比率は3か年平均で測定するため平成20年度と平成23年度の数値を比較することになるが、主たる要素である元利償還金が平成18年度をピークに減少傾向にあり、平成20年に比べて平成23年度の単年の数値が減少したことが、数値減少の要因となった。また、公営企業に要する経費として地方債の償還の財源に充てたと認められる一般会計からの繰入金(元利償還金)は、償還に要する経費は減少に伴い減となった。

将来負担比率(分子)の構造(2011年度)

分析欄

分子を構成する将来負担額は確実に減少傾向にあり、地方債現在高の減少、公営企業債等繰入見込額(将来の準元利償還金)の減少及び退職手当負担見込額の減少が大きな要因となった。債務負担行為は唯一減少しなかった要素であるが、土地開発公社の土地の買戻しが行われていないため、債務負担行為の利子分が年々増加していくことによるものである。将来負担額から差し引かれる充当可能財源等については平成23年度は財政調整基金から繰入金の増加等により4億円以上減となった。分母を構成する標準財政規模は、過去5年を見ると平成19年度の64億9,500万円を底に平成21年度まで回復傾向にあったが、町民税や入湯税、臨時財政対策債の減により平成23年度では、19年度を下回る63億6,366万円となった。しかし標準財政規模の減少率を将来負担額の減少率が上回ったため、将来負担比率も5年連続の減となった。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,