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神奈川県川崎市:自動車運送事業の経営状況(2018年度)

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経営比較分析表(2018年度)

経常収支比率

営業収支比率

流動比率

累積欠損金比率

利用者1回当たり他会計負担額

利用者1回当たり運行経費

他会計負担比率

企業債残高対料金収入比率

有形固定資産減価償却率

経営の健全性について

本市では、平成26年度から平成30年度までを計画期間とする「川崎市バス事業経営プログラム」に基づき、お客様サービスの向上を図るとともに、営業所管理委託を拡大するなど、持続可能な経営を目指して取組を進めてきた。計画期間最終年度である平成30年度においては、前年度に引き続き黒字決算を確保するとともに、資金不足を解消することができた。事業の状況①経常収支比率は、概ね100%程度で推移していることから、経営の健全性は確保されているものと考えている。②営業収支比率は100%を下回っているが、これは公営バスとして公共施設等への接続や民間事業者では対応の難しい地域の交通手段を確保するための路線を運行していることによるものである。また、③流動比率は100%を下回っているが、平成27年度以降、企業債償還による債務の減少や現金預金の増加等により増加傾向にある。④累積欠損金比率については、平成27年度以降は資本剰余金の処分や純利益の計上等により改善傾向にある。独立採算の状況公営バスとして公共施設等への接続や民間事業者では対応の難しい地域の交通手段を確保するための路線を運行していることから、一般会計からの適正な公共負担を受けている。このため⑦他会計負担比率は公営企業平均値を上回っている。資産及び負債の状況バス車両使用年数の延長等により投資を抑制してきたが、平成30年度は、営業所の建替え整備やバス車両更新数の増加等に伴い、⑧企業債残高対料金収入比率が大幅に増加し、⑨有形固定資産減価償却率は大幅に減少している。

走行キロ当たりの収入

走行キロ当たりの運送原価

走行キロ当たりの人件費

経営の効率性について

経営の効率性に関する指標の本市の推移をみると、①走行キロ当たりの収入は平成26年度以降増加しており、②走行キロ当たりの運送原価は平成28年度から増加傾向にあったが平成30年度は減少に転じた。この結果、両者の差は平成29年度に72.84円であったものが、30年度では50.14円となり減少した。これは、路線やダイヤの見直しにより増収が図られたとともに、職員数の減や、退職手当支給率の引き下げなどにより人件費が減少したことによるものである。③走行キロ当たりの人件費についても、同様の理由から減少している。これらの指標の民間事業者との比較については、対象となる民間事業者の規模、営業地域、経営手法等(管理委託による運行など)が一様でなく、単純比較はできないものの、①走行キロ当たりの収入は民間事業者平均値よりも低くなっているが、これは前述の公共施設等への接続や民間事業者では対応の難しい地域の交通手段を確保するための路線を運行していることが一因と考えられ、また、②走行キロ当たりの運送原価は民間事業者平均値よりも高くなっている。バス1台の乗車定員に対する平均輸送人員の割合である④乗車効率は、乗車人員が公営企業平均値を上回っていることや、平成26年度から増加傾向にあることから、利用者ニーズに即した運行を提供できているものと考える。

全体総括

本市では、採算性の確保が難しい路線の運行を行うなど公営バスとして役割を果たしながら、平成26年度に策定した「川崎市バス事業経営プログラム」(平成26年度~平成30年度)に基づき、経営改善に取り組んできた。この結果、営業収支比率は安定的に推移し、純利益の計上等により累積欠損金も減少している。今後については、営業所の建替え整備やバス車両更新数の増加等への対応など、多くの資金が必要となり、非常に厳しい経営環境が見込まれるが、市バス輸送サービスを持続的に提供し、市民やお客様の大切な交通手段を確保するため、平成30年度に策定した「川崎市バス事業経営戦略プログラム」(令和元年度~令和7年度)に基づき、さらなる経営改善の取組を進めていく。

出典: 経営比較分析表,

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