東京都国立市の財政状況(2010年度)
収録データの年度
財政比較分析表(2010年度)
財政力
財政力指数は3ヵ年平均で1.043、単年度で0.981となり、単年度数値が1を下回ったため、平成15年度以来の普通交付税交付団体となった。生活保護費等の扶助費の伸びを反映し基準財政需要額が増となった半面、リーマンショックの影響を受け市民税所得割等が落ち込み、基準財政収入額が減となったことが背景として挙げられる。類似団体平均より高い値になっているのは、市民の所得水準が高いこと等の理由により類似団体を上回る税収が
財政構造の弾力性
経常収支比率は96.4%と昨年度より0.6ポイント悪化したが、減収補填債及び臨時財政対策債を経常一般財源等から除いた経常収支比率は101.0%と昨年度より1.0ポイント改善した。この逆転現象は、臨時財政対策債の借入額を昨年度の934百万円から700百万円へと抑制した結果、分母となる経常一般財源等が減少たことによる。減収補填債及び臨時財政対策債を経常一般財源等から除いた経常収支比率は若干好転しているものの、依然100%を上回り財政の硬直化した状態が続いている。経常経費の削減を図ると同時に、財政健全化に向けた取り組みを着実に実施していく必要がある。
人件費・物件費等の状況
類似団体平均より高く、東京都平均より低い値となっている。個別に比較すると、人件費と物件費は類似団体平均を上回り、維持補修費は類似団体平均を下回っている。人件費の中では議員報酬と委員等報酬、物件費の中では委託料と備品購入費が高い水準にある。特に、委員等報酬と委託料については、定員管理計画に基づいて嘱託職員化と委託化を行ってきた結果と考えられる。
給与水準(国との比較)
給与構造改革に係る本給の引き下げを実施したことにより、昨年度より2.3ポイント下がった。しかし、ラスパイレス指数は100.9と類似団体平均や全国市平均よりも高い水準となっている。硬直化した財政状況に鑑みても、着実に給料表の改定等を進めていく必要がある。
定員管理の状況
毎年見直しを行ってきた定員管理計画に基づき、職員数を管理してきた結果、類似団体平均、東京都平均を下回る結果となった。行政需要の増減に対応した柔軟な定員管理計画により、今後も適正な水準を維持していく。
公債費負担の状況
単年度で見ると、平成22年度は債務負担行為に基づいた土地開発公社保有土地の買い戻し費用が指数を押し上げ、昨年度に比べ2.6ポイント高い6.1%となった。しかし、平成22年度より単年度数値の高い平成19年度が平均から抜けたため、3ヵ年平均の実質公債費比率は0.3ポイント下がり、4.1%となった。中央線連続立体交差化事業も終盤を迎え、これに合わせた国立駅周辺のまちづくりが今後本格化してくることや、老朽化した公共施設の耐
将来負担の状況
昨年度より7.5ポイント低い26.5%となったが、これは団塊の世代の退職等により退職手当負担見込額が減少したことや、下水道事業特別会計、一部事務組合が発行した地方債の償還が進み残高が減少したことが主な要因である。数値だけを見ると類似団体平均より低い水準にあるが、今後も将来負担比率を算定する際の各項目ごとに債務残高を適切に管理し、後世への負担を少しでも軽減するよう新規事業の実施等についても精査を行い、財政の健全化を図っていく。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2010年度)
人件費
退職手当の減や退職に伴う職員入れ替え効果、給料改定や期末勤勉手当の支給月数減による職員給の減等により、昨年度と比べて減となった。退職手当のピークは越えつつあるが、類似団体平均よりラスパイレス指数が高いという課題があるので、給料表の改定等を着実に実施し適正化を図っていく必要がある。
物件費
物件費に係る経常収支比率が類似団体より高くなる要因の一つは委託料である。定員削減の代替としての委託化によるほか、指定管理者制度導入に伴い補助金から指定管理料へと振り替えた影響もある。行政評価等を活用し、経常経費を一層縮減していく必要がある。
扶助費
社会福祉費に係る扶助費が高いことが、この値を押し上げる要因となっている。社会福祉費は障害者福祉に係る費用が主な内容である。類似団体平均と比べると、老人福祉費・児童福祉費も高い位置にある。サービス水準の他市との均衡や子育て支援の社会的要請があり、今後も増加が見込まれる経費ではあるが、施策の成果向上を目指しつつ、経費を抑制していく必要がある。
その他
特別会計に対する繰出金が大きいことが、類似団体平均よりも高い値となっている要因である。特に過去の集中的な下水道整備に伴う下水道事業特別会計への公債費分の繰出金が大きく、ピークは越えたものの今後も高い水準での推移が見込まれている。独立採算の原則からも、使用料の適正化を図る等、税収を主な財源とする一般財源の負担を減らしていかなくてはならない。
補助費等
国立市は消防事務を都に委託しているため、その委託金が類似団体平均に比べ数値が高止まりしている要因の一つである。平成19年度より数値が大きく改善しているのは、多摩川衛生組合に近隣市が全域加入したことにより、当市の負担割合が減少したことによるものである。補助金に関しては、今後もそのあり方を常に問い直していく必要がある。
公債費
近年の厳しい財政状況により普通建設事業費を抑制してきたため、公債費は11.4%と類似団体平均、東京都平均より低い値となっている。最近では市債残高に占める臨時財政対策債等の赤字地方債の割合が上昇傾向にあるため、赤字地方債の発行に頼らない財政を目指さなくてはならない。
公債費以外
公債費以外の経常収支比率は85.0%と類似団体平均に比べ高止まりをしている。類似団体と比較する中で見えてくる国立市の特徴として、扶助費と繰出金に係る経常収支比率が高いことが挙げられる。扶助費の中でも社会福祉費が特に高い水準にあり、障害者福祉に係る経費が主な内容である。また繰出金については、下水道事業特別会計への公債費にかかる繰出金の高止まりが大きな要因となっている。
実質収支比率等に係る経年分析(2010年度)
分析欄
平成19年度から平成20年度にかけては実質単年度収支が赤字であり、財政調整基金残高と実質収支額の合計が標準財政規模比で10%に満たない状態だった。平成21年度から平成22年度にかけては実質単年度収支が黒字となり、平成22年度は財政調整基金残高と実質収支額の合計が標準財政規模比で10%を超える水準となった。財政調整基金残高、実質収支額には常に留意した財政運営を行っていく必要がある。
連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2010年度)
分析欄
国民健康保険特別会計が平成19年度及び平成20年度に赤字となったが、それ以外は全て黒字決算となっている。黒字なので問題がないように見えるが、下水道事業特別会計と国民健康保険特別会計については、使用料・保険料で賄わなければならない部分を一般会計が赤字繰出しを行うことにより補てんし、黒字を保っている状況にある。独立採算の原則からも使用料・保険料の適正化を図る等、税収を主な財源とする一般会計の負担額を減らしていかなくてはならない。
実質公債費比率(分子)の構造(2010年度)
分析欄
繰上償還を除く元利償還金の推移を見ると、平成10年度をピークに減少傾向にあったが、学校の耐震改修工事や臨時財政対策債等の借入れが続いたことにより、平成15年度以降また増加傾向にある。下水道事業特別会計や、多摩川衛生組合等の一部事務組合では、過去に借り入れた起債の償還が進み残高が少なくなってきていることから、準元利償還金は長期的に見ると減少傾向にある。債務負担行為に基づく支出額は、土地開発公社からの買い戻しを行った年度に数値が大きくなる傾向がある。平成19年度は清化園跡地用地、平成22年度は谷保第一・第二土地区画整理事業用地の買い戻しを行ったため数値が大きくなっている。
将来負担比率(分子)の構造(2010年度)
分析欄
一般会計等に係る地方債の現在高は、清化園跡地用地の買い戻しを行った平成19年度をピークに減少傾向にある。しかし、今後も国立駅周辺のまちづくりや老朽化した公共施設の耐震化や建て替えなどの大規模事業が必要となってくるため、適正に管理していかなくてはならない。債務負担行為に基づく支出予定額で金額が一番大きいのは、国立駅南口公共施設用地の買い戻しに係る経費で約28億円がここに計上されている。この用地については、国立駅周辺まちづくり事業の中で買い戻す予定となっている。公営企業債等繰入見込額及び退職手当負担見込額は過去に借り入れた起債の償還が進み残高が少なくなってきていることから減少傾向にある。退職手当負担見込額は、年齢・給料の高い職員が退職し、若い職員が入職することによる職員の入れ替えが今後も続くことが見込まれるため減少傾向にある。
よくある質問
このページで何が分かりますか?
東京都国立市の2010年度の財政状況資料集、主要指標、分析コメントを確認できます。
データの出典はどこですか?
総務省の『財政状況資料集』および『統一的な基準による財務書類に関する情報』をもとに構成しています。
関連する地方公営企業も見られますか?
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