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本市の財政力指数は0.50であり、県平均0.37は上回っているものの、類似団体平均0.81を大きく下回っている。これは、人口減少や高齢化等により、人口1人当たりの地方税収入が少ないことなどで、基準財政収入額が小さくなっていることに加え、合併により市域が広まったことなどで基準財政需要額が大きくなっていることによるものである。今後、合併算定替は段階的に縮小される見込みであり、恒常的な財源不足に陥ることが見込まれるため、「第6次佐世保市行財政改革推進計画」に基づき、定員管理の適正化、選択と受益者負担を前提とした行政サービスの提供、税等徴収率の向上など、行政運営の効率化、財政基盤の強化を進める必要がある。
本市の経常収支比率は87.5%であり、類似団体平均(90.5%)、県平均(89.5%)、全国平均(90.7%)全て下回っているが、前年度(85.7%)と比較すると1.8ポイント上昇した。これは、介護保険事業や後期高齢者医療事業への繰出金、生活保護費等扶助費にかかる経常経費充当一般財源が増加するとともに、地方税、普通交付税の減などによる歳入経常一般財源が減少したことによるものである。今後は、人口減少による税収減、高齢化の進展による社会保障関係費の増に加え、合併による財政支援措置の段階的終了により、財政構造の硬直化が進むことが予想されるので、経常収支比率90%を超えないことを財政運営の目標とし、経常経費の削減、税等徴収率の向上に努めなければならない。
人件費、物件費及び維持補修費の合計額の人口1人当たりの金額が類似団体平均を上回っているのは、主に人件費が要因となっている。本市は保健所や港湾、広域消防などの業務があることや、平成17年、18年及び22年に市町合併を行っており、市域が広くなったことなどに加え、国体開催を控えていることから、人口千人当たり職員数が類似団体と比較して多い(本市7.88人、類団6.12人)状況にある。今後は「第6次佐世保市行財政改革推進計画」に基づき、定員管理の適正化を図ることで、人件費を抑制するとともに、市有財産の再編・統合を進めることで、公共施設の整理縮小及び公共施設の維持管理にかかる物件費、維持補修費の削減に努める。
平成24年4月1日から臨時特例法に基づく国庫公務員の給与減額措置が実施されているためラスパイレス指数は大幅に上昇している。全国市平均との比較では本市のラスパイレス指数は1.1ポイント高くなっているが、類似団体との比較では中位程度の水準であり、また、本市の昨年度のラスパイレスとの比較では昇給月を先送りしたことにより昨年度よりも1.3ポイント下がっている。今後も国、他都市の動向等を勘案しながら給与の適正化に努める。
保健所設置市であること、消防業務を市直轄で行い近隣市町の消防業務も受託していることなど制度的な要因に加え、市域が広いため支所・行政センターを17か所設置していることなどの地域独自の事情のため、職員数が多くなっている。今後は、行財政改革推進計画に基づき、施策・事務事業の内容及び手法の見直し、職員の対象不補充等を行うことにより段階的に職員数を削減し、平成33年4月1日現在で1,950人(普通会計部門)以下を目指し、定員管理の適正化に努める。
「実質的なプライマリーバランスの黒字化」を原則として財政運営を行ってきたことで、公債費充当一般財源(分子)が減となったことで、昨年度から0.8ポイント低下したが、類似団体平均、全国平均、県平均の全てを上回っている。これは、自主財源に乏しい本市において、公共施設の整備に必要な財源として地方債を多く発行していることが要因となっている。今後も地方債の発行抑制に努め、計画的な財政運営に努める必要がある。
昨年度から0.8ポイント低下したが、類似団体平均、全国平均、県平均の全てを上回っている。これは、地方債の現在高、公営企業債等繰入見込額などが分母に対して大きいことなどが要因となっている。自主財源に乏しい本市において、公共施設の整備に必要な財源として地方債を多く発行していることや、平地の少ない地勢上、下水道の設備投資に多額の費用がかかることで各々大きくなっているものであるが、「実質的なプライマリーバランスの黒字化(元金償還額以上に地方債を発行しない)」を原則として財政運営を行っており、地方債残高は今後も減少することが見込まれる。
職員給や議員年金共済会負担金の減などにより、歳出決算額は減となったものの、歳入経常一般財源の減により、比率は前年度と同じとなった。類似団体平均、全国平均、県平均と比較してもほぼ同程度の数値となっている。今後とも行財政改革の推進により、人件費の抑制に努めなければならない。
教育用パソコン整備の増などにより、前年度から0.9ポイント増となっているが、類似団体、全国平均と比較すると下回っている。今後は、公共施設の整理縮小を進め、施設維持管理経費等、経常的な物件費の縮減に努める必要がある。
障がい者自立支援法等の改正に伴う社会福祉費、生活保護費にかかる扶助費が増となったことで、全体で0.5ポイントの増となっているが、類似団体の平均は若干下回っており、近年の推移を見ても同様の動きを見せている。
後期高齢者医療事業、介護保険事業等にかかる繰出金決算額の増及び歳入経常一般財源の減により、前年度と比較して0.3ポイントの増となっている。類似団体平均、全国平均と比較すると下回っているが、県平均を上回っており、今後も医療費の動向に注視する必要がある。
歳出決算額は微減となったものの、歳入経常一般財源の減により、前年度と比較して0.1ポイントの増となっている。類似団体平均、全国平均、県平均と比較すると、大幅に下回っている。
地域総合整備事業債などの償還終了もあり、歳出決算額は減となったものの、歳入経常一般財源の減少により、経常収支比率は前年度と同じとなった。類似団体平均と比較すると3.9ポイント多く、自主財源に乏しい本市において、これまで施設整備にかかる地方債を多額に発行していることから大きくなっているものであり、今後も計画的な地方債の発行に努める必要がある。
公債費を除く経費にかかる経常収支比率は、類似団体平均、全国平均、県平均の全てを下回っている。これは言い換えれば、公債費が占める割合が大きく、経常収支比率を押し上げる要因となっていることがうかがえる。今後とも、市債発行額を元金償還金の範囲内とする基本方針を継続し、公債費負担の軽減を図っていかなければならない。ただし、物件費や繰出金の増により、前年度から1.8ポイント増加しているため、今後もその抑制に努めなければならない。
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