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旧産炭地特有の経済構造として、生活保護率が高いなど低所得者が多く、併せて人口の減少、高齢化の進展に伴う税収等の低迷により歳入が減少している。類似団体と比較して大きな差があり、今後も地方税の徴収率の向上や企業誘致の促進、中心市街地の活性化などにより税収の確保に努める。
歳入面では、市町村税のうち市町村民税個人分(所得割)は228百万円増加したが、法人分の減少は止まらず、固定資産税も評価減などにより282百万円の減、臨時財政対策債を含む実質的な普通交付税の29百万円減などが影響し、経常一般財源等は266百万円減となっている。歳出面では、人件費、公債費の減などが影響し、歳出全体としては、経常一般財源決算額が514百万円の減となっている。その結果、経常収支比率は0.9ポイント改善された。今後は、普通交付税の合併算定替の終了を見据え、公共施設の統廃合、事務事業評価による事業の見直し、義務的経費を除いた経常的経費の枠配分方式による予算編成、行財政改革実施計画の確実な実施により歳出抑制に努める。
人口1人当たり人件費・物件費等決算額が類似団体平均を上回っているのは、維持補修費が依然として高い水準にあることが主な原因となっている。合併により重複した施設や老朽化した施設の維持管理に経費がかかっており、公共施設の統廃合、長期継続契約による管理経費の合理化、行財政改革実施計画の確実な実施など総合的な歳出抑制に努める。
類似団体と比較して0.3ポイント高くなっており、今後も他団体の水準や民間給与の状況を踏まえ、給与の適正化に努める。なお、国家公務員給与削減前との比較では同水準となっている。
行財政改革実施計画に基づく定員削減により、前年度と比較して0.1人減となっている。今後も、市民サービスを維持しながら全体的な事務事業の見直し、機構改革等の取り組みを推進し、適正な定員管理を図る。
公債費については、合併特例事業債、臨時財政対策債の元金償還の開始などで増加傾向にあるものの、一般廃棄物処理事業債や一般単独事業債などの交付税措置率が低い、もしくは措置率がない事業の償還が終了したことにより、結果として昨年度に比べて1.7ポイントの減となっている。しかしながら、小中学校再編整備事業などの大型事業を継続して実施しているため、事業費の適正化や事業実施年度の分散などの工夫により公債費負担の均衡を図る。
小中学校再編整備事業、浸水対策事業、中心市街地活性化事業、清掃工場・し尿処理施設の長寿命化を図るための更新事業の本格化により、地方債現在高が徐々に増加しているため、昨年度に比べて2.5ポイントの増となっている。今後も地方債現在高の増加は続く見込みであるため、事業費の適正化を図りつつ、合併特例事業債等の交付税措置率の高い地方債を選択することにより将来負担の適正化を図る。
類似団体平均に比べ人件費に係る経常収支比率が5.0ポイント下回っている。これは、平成18年度に策定した行財政改革実施計画に従って、職員数の削減を実施してきたことによるものである。平成18年4月1日現在の普通会計での職員数が1,022人にであったのに対し、平成25年4月1日現在の普通会計での職員数は798人と224人の削減を達成している。今後も市民サービスを維持しながら全体的な事務事業の見直し、機構改革等の取り組みを推進し、適正な定員管理のもとに人件費の抑制を図る。
類似団体平均に比べ物件費に係る経常収支比率が低くなっている主な要因として、ごみ処理業務等の一部を一部事務組合が行っていることが挙げられる。今後、業務の民間委託が進むにつれて物件費が増加することが予想されるため、施設管理経費の削減をはじめ、各種委託業務の見直しなど物件費の水準を低く保つための取り組みを行う。
扶助費に係る経常収支比率が類似団体を大きく上回っている。これは、旧産炭地域特有の経済構造として、生活保護率が高いなど低所得者が多いことが大きな要因である。就労支援など自立に向けた取り組みの強化により、増大する扶助費の抑制を図る。
類似団体平均に比べ高い水準になっている主な要因として、繰出金の増加が挙げられる。高齢化の進展に伴う医療費増が影響し、後期高齢者医療特別会計や介護保険特別会計などで繰出金が増加傾向にあり、普通会計の負担増につながっている。保険料適正化による収入増と健康づくり事業や介護予防事業等の推進による医療費・サービス給付費の抑制といった支出減の双方の取り組みにより、負担額を減らすよう努める。
類似団体平均に比べ補助費等に係る経常収支比率が高くなっている主な要因として、一部事務組合負担金や企業会計・外郭団体等をはじめとする各種補助金の経費が高いことが挙げられる。特に、一部事務組合負担金においては、ごみ処理業務等を行う一部事務組合が直営とは別に2つ存在するなど合併後の統廃合がまだなされていない状態である。負担金・補助金等については、行財政改革実施計画や補助金のあり方検討委員会等の指針を踏まえ、合理化を図るとともに、外郭団体の運営・事業についても効率化を図る。
公債費については、合併特例事業債、臨時財政対策債の元金償還の開始などで増加傾向にあるものの、一般廃棄物処理事業債や一般単独事業債などの交付税措置率が低い、もしくは措置率がない事業の償還が終了したことにより、結果として昨年度に比べて1.7ポイントの減となっている。しかしながら、小中学校再編整備事業などの大型事業を継続して実施しているため、事業費の適正化や事業実施年度の分散などの工夫により公債費負担の均衡を図る。