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旧産炭地特有の経済構造として、生活保護率が高いなど低所得者が多く、併せて人口の減少、高齢化の進展に伴う税収等の低迷により歳入が減少している。類似団体と比較して大きな差があり、今後、地方税の徴収率の向上や企業誘致の推進により税収の確保をに努める。
歳出面では、人件費、公債費の減、扶助費では経常的経費は増加したものの、その増加経費に対する特定財源の増および生活保護費における前年度精算分の充当により経常一般財源は大幅に減となり、歳出全体の経常一般財源決算額は、501百万円(-1.6%)の減となっている。歳入面では、市町村税で市町村民税は景気低迷の影響等により減少したが、たばこ税の増により109百万円の増となった。臨時財政対策債を含む実質的な普通交付税の459百万円減などの要因により、全体の経常的一般財源等は440百万円(-1.3%)減となっている。その結果、本年度の経常収支比率は0.3ポイント改善されたが、生活保護費の前年度精算分の充当がなければ悪化していたと見込まれる。類似団体と比較して同水準であるが、今後、更なる行財政改革の取り組みにより、義務的経費等経常経費の削減に努める。
人件費、物件費及び維持補修費の合計額の人口1人当たりの金額が類似団体平均を上回っているのは、維持補修費が要因となっている。合併により重複した施設や老朽化した施設の維持管理に経費がかかっており、行財政改革実施計画、公共施設等のあり方に関する実施計画等に基づき施設の統廃合を含め歳出抑制に努める。
類似団体と比較して高い水準であるが、今後も他団体の水準や民間給与の状況を踏まえ、給与の適正化に努める。なお、国家公務員給与削減前との比較では+0.3となっている。
行財政改革実施計画に基づく取組みにより、前年度と比較して約0.13人の減となっている。今後も、市民サービスを維持しながら全般的な事務事業の見直し等を行い、適正な定員管理を図る。
公債費については、合併特例債事業、臨時財政対策債の元金償還が増となっているが、合併推進事業費の償還終了、一般廃棄物処理事業、地域総合整備事業、過疎対策事業債等が一部償還終了となり、平成20年度をピークに減少傾向となっているが、今後も小中学校再編整備事業等大型事業を計画しているため、事業実施に際しては年次計画により公債費負担の均衡を図る。
地方債現在高の減、充当可能財源等の将来負担額に対する比率の増により15.6ポイントの減となっている。地方債現在高のピークは越えたが、現在、小中学校再編整備事業、浸水対策事業、中心市街地活性化事業、清掃工場・し尿処理施設の長寿命化を図るための更新事業等の大型事業を実施しており、地方債残高の増加が見込まれるため合併特例債等の交付税措置率の高い地方債を選択することにより将来負担の適正化を図る。
平成18年11月に飯塚市行財政改革実施計画を策定し、平成18年度から平成22年度の5年間で全会計の職員数1,209人を168人(13.9%)削減し1,041人と計画していたが、3年間で200人削減(平成18-平成21比較)を達成した。更に、平成21年12月に同実施計画〔第一次改定版〕を策定し、平成21年度の全会計1,009人を平成26年4月までに130人(12.9%)を削減し、目標定数を879人としている。この計画期間における平成24年4月1日時点での実績は、全会計104人減の905人、普通会計92減の789人となっており着実に計画を進めている。人件費の経常収支比率に直接影響はないが、一部事務組合の人件費に充てた負担金については、類似団体と比較すると、かなり高くなっており、今後、抑制に向けた取り組みが必要である。
類似団体平均と比較して、物件費に係る経常収支比率が低くなっているのは、ごみ処理業務等の一部を一部事務組合が行っていることが挙げられる。今後、業務の民間委託が進むに連れ、物件費が上昇することが予想されるため、施設管理経費の削減をはじめ、各種委託業務の見直しなど物件費の水準を低く保つための取り組みを行う。
扶助費に係る経常収支比率が類似団体平均を大きく上回っている。これは、旧産炭地特有の経済構造として生活保護率が高いことが大きな要因である。就労支援等、自立に向けた取り組みの強化により、増大する扶助費の抑制を図る。
類似団体と比較して同水準であるが、繰出金の増加傾向が懸念される。要因としては、元金償還の始まった工業用地造成事業会計、後期高齢者医療特別会計繰出金が医療費増に伴い増加傾向にあり、介護保険特別会計においても各種のサービス給付費増となっている同様である。保険料の適正化の検討、医療費・サービス給付費抑制の方策として健康づくり事業や介護予防事業等をおこない、今後増大する普通会計からの負担額を減らすよう努める。
補助費等に係る経常収支比率が類似団体平均を上回っているのは、一部事務組合負担金や企業会計・外郭団体等をはじめとする各種補助金の見直しが必要である。特に一部事務組合負担金においては、ごみ処理業務を行う組合が、直営とは別に二組合存在するなど非効率なものとなり、負担金の増加につながっている。平成21年12月に策定した行財政改革実施計画第一次改訂版の中での取組みのひとつとなっているが、負担金・補助金等については相対的な基準の下に公益性、公平性、必要性、効果、経済性等を検討し整理合理化を図るとともに、外郭団体の運営・事業の効率化を図る。
近年の大型事業の実施により、その財源として借り入れた地方債を返済するための公債費も平成20年度をピークに減少傾向となっているが、現在進めている小中学校再編整備事業、浸水対策事業、中心市街地活性化事業、清掃工場・し尿処理施設の長寿命化を図るための更新事業等の大型事業を実施しているので、事業実施に際しては年次計画により公債費負担の均衡を図る。