経営の健全性・効率性について
漁業集落排水事業は、現在島嶼部に2つの処理場があり、何れの処理区についても、小規模で処理区域内人口密度が低いため汚水処理原価が高くなっているが、使用料については、公共下水道事業の料金体系に準じているため、使用料対象経費である汚水処理費を賄えておらず⑤の経費回収率が、100%を大きく下回っている。①の収益的収支比率は99%で、使用料収入は当年度の下水道使用料の改定により微増したものの、施設管理経費がそれと同様に増加したため、前年度とほぼ同率となった。⑥の汚水処理原価は昨年比で61.02ポイント増加したが、新型コロナウイルスの感染防止対策からの使用水量の減少に伴い、有収水量が減少したことによるものである。⑧水洗化率については、各種接続促進を行うことにより年々改善しているものの、類似団体平均値と比べて低くなっていることから、水洗化率の向上による使用料収入確保のため、水洗化の普及促進にこれまで以上に取り組む必要がある。
老朽化の状況について
志津見処理区は供用開始から20年、椋名処理区は供用開始から15年が経過している。今後、大規模な改修の予定はないものの、各施設の老朽化について、定期的な点検等を継続するなど注視が必要である。
全体総括
当分の間、大規模な改修の予定はないものの、改築・更新の時期を見て、近接する処理場への統廃合を検討する予定である。また、資産の老朽化や人口減少等に伴う料金収入の減少に対応するため、策定した経営戦略に沿って、経営基盤強化と財政マネジメントの向上に努めてまいりたい。