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三位一体の改革による税源移譲、臨時財政対策債振替等の影響により、平成17年度以降上昇傾向にあったが、平成22年度は企業収益悪化による税収減等のために、基準財政収入額が大幅に減少し、それに伴い財政力指数は低下した。引き続き自主財源の確保に努めていく。
分子にあたる経常的な歳出が公債費の増などによって73億円増加したものの、分母の経常一般財源が地方交付税及び臨時財政対債の増より243億円もの大幅な増加となったため、経常収支比率は前年度に比べて5.2ポイントの大幅な改善となった。今後、公債費・社会保障費の増大が予想される中、安定した財政運営を確保するため、引き続き積極的な歳入の確保と経常的な歳出削減に努めていく。
物件費は、システムの維持経費等により増加したが、人件費は職員の定数削減や給与カットの効果により減少した結果、これらの合計は前年度に比べ減となった。しかしながら、半島という地理的な条件により職員の分散配置が必要なことなどから、グループ内や都道府県平均値に比べ依然として高い水準にあるため、引き続き人件費の抑制に努めていく。
本県のラスパイレス指数は、100.1(平成23年4月1日)であり、昨年度の100.0と比較すると、0.1ポイント高くなっている。本県の給与制度は、国の制度に準じた制度となっていることから、この0.1ポイントの差は年齢構成の差によるものと思われる。また、グループ内平均値及び都道府県平均値を上回っているのは、各団体において財政上の理由により行われている給料カット率の差異等によるものと考えられる。給与制度については、従来から必要な見直しを行い、国に準じた制度となっていることから、適正なものと考えており、今後とも適正な運用に努め、国の動向を見ながら、必要な改正を行っていく。
人口10万人当たり職員数については、グループ内平均値よりも多くなっているが、南北に長く南部を中心に過疎地域を有する本県の地理的環境に対応するため小中学校や振興局などの地方機関への職員配置の必要性等によるものである。現在、平成24年3月に策定した「新行財政改革推進プラン(改定版)」に掲げる削減目標に基づき、事務事業の見直しや簡素で効率的な体制の構築による定数削減に取り組んでいる。
グループ内平均値を下回っているが、前年度に比べ0.7ポイント悪化している。今後は、退職手当債等の交付税措置のない地方債の償還が本格化するため、公債費は増加していくことから、退職手当債等の資金手当債の発行を抑制するとともに、20年償還を基本としていた銀行等引受債の30年償還への転換を継続し、公債費負担の平準化に努めていく。
「新行財政改革プラン」に基づき職員の定数削減を進めたことにより退職手当負担見込額が減少したことや、充当可能基金が増加したことなどによって、前年度に比べて14.7ポイントの大幅な改善となった。今後は、退職手当債や行政改革推進債等の発行により、将来負担が増加するおそれもあるため、事業の効率化・重点化により県債発行を抑制するなど行財政改革の推進により健全化を図っていく。
前年度から2.9ポイント改善しており、その主因は「新行財政改革推進プラン」に基づく定数削減や給与カットによるものである。半島という地理的な条件により職員の分散配置が必要なことなどからグループ内平均値を上回っている現状にあるため、引き続き人件費の抑制に努めていく。
子ども手当の創設などにより前年度に比べ増となっているものの、依然、グループ内平均値を0.2ポイント下回っている。これは、他団体に比べ進展した市町村合併によって、生活保護費や児童扶養手当の県負担割合が減少したことなどによるものであり、引き続き制度の適正な運用に努めていく。
金額ベースでは道路の維持補修経費の増のため、やや増加したが、分母の経常一般財源の大幅増により、比率は前年度に比べて0.2ポイント改善した。今後、インフラの老朽化により、財政的な負担が増大するおそれがあるため、計画的かつ予防的な維持補修を行うことで費用を平準化し、コストの縮減に努めていく。
前年度に比べて、0.8ポイントの改善となっており、その主因は「新行財政改革推進プラン」に基づき補助金等について廃止や見直しを行ったことによるものである。引き続き、各単独補助金等について受益者負担の観点からの見直しを検討するなど、一層の抑制に努めていく。
公債費がグループ内平均値を大きく下回っているのは、繰上償還を行うなど将来の公債費負担軽減に努めてきたことや、交付税措置の講じられる地方債に発行を厳選するなど県債発行の抑制に努めてきたことなどによる。臨時財政対策債の償還が増加することで前年度から上昇しているが、今後も事業の効率化・重点化による新たな県債発行の抑制などにより、引き続き公債費負担の軽減に努めていく。
前年度に比べて、3.8ポイント改善したが、人件費の影響が大きいことからグループ内平均値を上回っている現状にあるため、引き続き人件費をはじめとした諸経費の抑制に努めていく。