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大手企業の集中等により法人市民税をはじめとして一定の税収があるため、0.84となっている。平成28年度は前年度より+0.01ポイントとなったものの、基幹収入である税の徴収強化等、引き続き安定的な歳入の確保に努める。
平成28年度は経常収支比率の分母である経常的な収入の大幅な減少を受け、前年度より12.7ポイント高い数値となっている。これは企業業績の影響を受けた法人市民税の大幅な減少が大きな原因であるが、企業の業績に左右されるこの状況は楽観視できるものではない。「第4次長岡京市行財政改革アクションプラン」を元に、コスト意識の徹底や資産の有効活用、職員数の適正管理などに努める必要がある。
類似団体平均と比較して人件費・物件費等の決算額が低くなっている要因として、ゴミ処理業務や消防業務を一部事務組合で行っていることが挙げられる。一部事務組合の人件費・物件費等に充てる負担金を含めると人口1人当たりの金額は増加する。今後はこれらも含めた経費について抑制していく必要がある。
類似団体平均と比べ2.0ポイント、全国市平均で比べると1.6ポイント上回っている。これは、職員平均年齢が若くなり昇任するスピードが速まっていることなどが要因となっている。また、指数が100.0を上回ってはいるが、地域間での給与水準に配慮して支給されている地域手当については、国基準では16%のところを12%に抑制している。結果として、地域手当も含めたラスパイレス指数は97.2となり、全国市平均を下回っている。
第3次定員管理計画(平成24年度~平成28年度)に基づき、職員数の適正化に努めた。今後は第4次定員管理計画(平成29年度~平成33年度)に基づき、定数については一定の弾力性を持ちながらも、限られた人的資源で業務効率を最大限に高められるよう、行財政改革に努める。
標準税収入額等の増加や、基準財政需要額算入額の増加などにより、単年度で0.3ポイント、3ヵ年平均でも0.1ポイント改善した。今後も緊急度・市民ニーズを的確に把握した事業の選択により安易に起債に頼ることのない財政運営に努める。
事業の実施による建設事業債の増加や、一部事務組合地方債残高の増などにより、将来負担比率は8.7ポイント高くなった。今後も公債費等義務的経費の縮減を中心とする行財政改革を進め、財政の健全化に努める。
人件費には議員等への報酬も含むが多くは職員人件費である。職員数については定員管理計画のもと計画的に削減を行ってきた。ここ数年間は人口が急増した昭和40~50年代に採用した多くの職員が定年を迎えたため、職員数の減少に加え、若年化が進んでいる。平成28年度は前年度を2.2ポイント上回ったが、法人市民税等の落ち込みによるものであり、今後、職員人件費は減少していく見込みである。
物件費に係る経常収支比率は、類似団体平均の数字とほぼ同じ値で推移している。今後、引き続き人員削減策や事務の効率化を進めていくと、委託料やアルバイト賃金、OA機器の更新といった物件費の上昇を招くことが予想される。そのような状況下でいかに抑制していくかが課題となる。
ここ数年間は、扶助費に係る経常収支比率は類似団体平均を下回っていたが、法人市民税等の落ち込みによる分母の減少の影響が大きく、前年度より1.8ポイント増の12.0ポイントと、類似団体と同数字となっている。扶助費は法令に基づき支出する経費が多く、任意に削減することが困難である。市の単独制度の見直しなど給付水準や給付と負担の関係について、引き続き幅広い議論が必要である。
その他に係る経常収支比率は、ここ数年はおおむね類似団体平均と近い数字で推移してきたが、平成28年度は法人市民税等の落ち込みによる分母の減少の影響が大きく、前年度を2.6ポイント上回った。今後は厳しい市財政の現状からも、特別会計に対する本市の繰出し基準の見直し等が求められる。
補助費等に係る経常収支比率が類似団体平均を上回っているのは、類似団体と比較してごみ処理、消防、福祉といった多くの事務を一部事務組合で処理をしている関係上、負担金の割合が高いためである。今後は一部事務組合も含めた連結決算を視野に入れた財政運営が求められる。
市債残高の増加傾向に加え、平成28年度は法人市民税等の落ち込みによる分母の減少の影響が大きく、公債費に係る経常収支比率は前年度を2.4ポイント上回った。高利率の市債の償還が進んだことや低金利が続いていることで、利子の負担割合は減少したものの、今後は大型事業の地方債償還が本格化する見通しであるため、新たな地方債の発行においては公債費の水準に留意していく必要がある。
平成28年度は、法人市民税等の落ち込みによる分母の減少の影響が大きく、前年度より10.3ポイント上昇している。今後、扶助費と公債費の伸びが見込まれる中、各性質別歳出をいかに抑制していくかが重要となる。
将来負担比率については、庁舎等の公共施設の再編に備え、基金に積立を行ってきた結果、類似団体に比べ低い数値で推移している。ただし、今後計画されている公共施設の建替え等に伴い、基金を取り崩すことが予想され、数値が悪化することが考えられる。実質公債費比率についても、学校や保育所施設の耐震化・老朽化等工事への対応で発行した起債の償還が本格化することや、交付税措置されていた公債費の償還終了などを考慮すると、現在の良好な数値が維持できるとの楽観視はできない状況である。そのため、数値に大きな影響を与える公共施設等の改修について、公共施設再編整備構想の策定や統一的な基準による公会計の指標を活用することで財政負担の軽減・平準化に取り組む。
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