経営の健全性・効率性について
経常収支比率は微増となっていますが、100%未満のため依然として慢性的な赤字状態が続いています。そのため、毎年欠損金を計上することとなり令和2年度末で約2億円の累積欠損金が生じております。支払能力を示す流動比率は徐々に低下していますが、これは償還元金の増加にともなう流動負債の増加を要因としており、令和2年度末では41.22%と類似団体、全国平均を下回っています。事業運営は一般会計からの多額の繰入金により成り立っている状況です。企業債残高対事業規模比率は類似団体平均、全国平均を下回りましたが、これは分流式下水道等に要する経費の算定方法の変更により一般会計負担額が増加したためです。また、経費回収率は類似団体平均を上回るものの100%を超えておらず、水洗化率は類似団体平均、全国平均を下回っています。今後も水洗化率の向上と汚水処理費の削減を進めていく必要があります。汚水処理原価は173.92円となっており類似団体、全国平均を上回っています。
老朽化の状況について
面整備を進め有形固定資産が増加していることもあり有形固定資産減価償却率は類似団体平均を上回っています。また、平成3年から整備を始めたことから耐用年数を過ぎた管渠はなく、管渠老朽化率が低いことから現在、管路等の老朽化は見られません。
全体総括
今後も、集中浄化施設を備えた大型団地、事業所への接続など効果が大きい区域への整備を進めるともに、「生活排水処理アクションプログラム」、「経営戦略」に沿って整備区域を拡大し、水洗化率の向上、未収金の徴収強化、経費節減などを図り、経営基盤の強化を図っていきます。