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輸送用機械器具製造業等の好調により法人税割が大幅増となったことや地方消費税交付金の増などにより、単年度で1.02%と平成21年度以来の財源超過となった。しかしながら、歳入の根幹である市税全体については前年度より増とはなったものの、今後の市税収入の大幅な増加は期待できず、依然として景気低迷から脱却したとは言えないため、財政運営は厳しい状況にある。歳入全体では市税以外に地方消費税交付金の増が見込まれる以外は大幅な増加は期待できず、今後も歳入面では厳しい状況が続くことが考えられるが、税の徴収強化のために設置されている納税推進室による税収等確保に努めるとともに、歳出面においても効率的に事業執行ができるよう、投資的経費を含めた事業の見直しを行っていく。
前年度と比較すると、公債費や補助費等は減となったが、扶助費等が増になり、経常支出はほぼ横ばいだった。しかしながら、地方消費税交付金が大幅増となったことから、経常収入は増となり、結果として経常収支比率は低下した。類似団体と比較すると、経常収支比率は低いものの、扶助費をはじめとする義務的経費は依然として年々増加していること、世界経済の不透明さからなる市税収入低下のリスクを考慮すると、今後も低い数値を維持することは難しい。そのため、行政改革への取り組み等により義務的経費の削減に努めることや事業の選択と集中を進めていくことが重要である。
人口1人当たりの決算額としては前年度と比べ増となったが、類似団体平均よりは低い数値にある。人口1人当たりの決算額が増となった要因としては、物件費が大規模事業の増などにより、2.8%の増となったためである。今後、人件費については、引続き給与制度や職員定数の見直しなど、人件費関係経費全体について抑制していく必要があり、物件費については、効率的な事業の実施により予算の削減を図りたい。
例年、人事院勧告に準拠した給与適正化に努めているが、前年度より水準が高くなり、依然として類似団体平均を上回っている状態にある。団塊世代の退職により、多くの新規採用職員が入ってきているが、今後とも、人事院勧告及び地域の民間給与に準拠した給与適正化に努めるとともに、人件費の縮減策を検討する。
本市の特徴として、旧町村の地域振興及び財産区事務並びに住民に密接な窓口事務を行う支所(6支所)があること、東富士演習場に係る事務を行う専門部署があること、公立保育園及びこども園(9園)及び公立幼稚園(8園)を直営で管理運営していること、農地や山林が多いこと等が挙げられる。現在、パスポート交付窓口業務等の民間委託を実施しており、市立図書館においても、民間委託にシフトしつつある。今後も民間の活用等を図りながら、定員適正化計画に基づき適正な定員管理に努める。
赤字特例債等の元利償還額の減により全体の元利償還額は減少したが、基準財政需要額算入額が減少したことから、単年度では前年度とほぼ同水準の比率となったものの3ヶ年平均では減少の傾向にある。本市の特徴として、防衛関係補助金を財源とした事業が多いことや非合併団体であること等の理由により基準財政需要額に算入されない地方債の割合が高く、同程度の地方債元利償還金がある自治体と比べ、比率が高くなる傾向がある。今後は、地方債償還額は大規模借入れにより増加を、基準財政需要額算入額は臨時財政対策債等の元金償還算入等により増加を見込むため、比率が大きく増減することはないと思われる。引続き、歳出面における事業の見直し等に努めていく。
前年度と比べ、比率はやや低下した。主な要因としては、地方債の現在高が減少したこと、充当可能基金額が増加したことが挙げられる。類似団体と比較すると、依然として比率は高い状況にあり、今後は、起債計画に沿った借入れを実施することにより地方債残高の増加を抑え、債務負担行為についても水準を抑えることにより、財政の健全化に努める。また、事業の選択と集中を進め、確実に基金を積み立てていく必要もある。
類似団体と比較すると、若干低くはなっているが、その差は小さくなっている。本市の特徴として、臨時職員雇用経費が多いことが挙げられる。これは、公立保育所が多いために保育士の臨時職員が多いことが主な要因となっている。今後も国の動向等も視野に入れながら、給与制度や職員定数の見直しなど、職員経費はもちろんのこと、臨時職員雇用経費についても抑制していく必要がある。
平成27年度決算は、小学校教育用コンピュータ整備事業等が増となったことから、前年度よりも比率は高くなっており、年々同じ傾向が続いている。類似団体の平均も年々高くなってきているものの、その差は縮まりつつある。今後は、民間委託に係るコスト削減をより一層促進するとともに、事業の見直しなど経費削減に努めていく。
平成27年度決算は、医療扶助費や児童発達支援事業等が増となったことから、前年度よりも比率が高くなった。扶助費については、年々増加の傾向にあり、今後も増加していくことが見込まれる。単独事業の見直しや不正受給の防止など、より適正な財政運営を図っていく必要がある。
その他に係る経常比率は類似団体平均よりも低い水準とはなっているが、当市の財政を圧迫しているものとして、維持管理経費に多額の経費を要する下水道事業特別会計や、年々増加する国民健康保険特別会計や介護保険特別会計への繰出金が挙げられる。特に国民保険特別会計は近年特に逼迫しており、繰出金の経常収支比率は増加することが見込まれる。
平成27年度決算は、御殿場市小山町広域行政組合負担金等が減となったことから、前年度よりも比率は低くなった。補助費に係る経常収支比率は、年々減少の傾向にあるが、類似団体と比較すると高い水準にある。今後は御殿場市小山町広域行政組合でごみ再資源化施設を建設する予定があるため、比率が上昇すると思われる。また、既存の補助金・交付金の見直しや廃止を行うなど、経費を抑制していく必要がある。
平成27年度決算は、赤字特例債等の元利償還金が減となったことから、前年度よりも比率は低くなった。今後は大規模事業が続き、借入額が増加することが見込まれ、数年後には比率が高くなると思われる。世代間の公平性の確保という観点を考慮しながら、適正な借入を行う必要がある。
公債費以外の経常収支比率については、類似団体平均を下回っている。当市においては、年々比率が高くなっている物件費、類似団体平均よりも比率が高い補助費等の事業費を如何にして減らしていくかが課題となる。予算総枠としては、年々増加の傾向にあり、歳出の削減ができていない。人件費や扶助費等の義務的経費はともかく、物件費や補助費等を中心とした事業の見直し等を進めていくことが、当市の財政運営の安定につながっていく。そうすることで、当市の重要な課題の一つである基金残高の低位水準も解消されていくことが期待される。
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