経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率は、100%以上であるが、総収益は一般会計繰入金に依存している状況である。また、⑤経費回収率は100%を下回っており、このグラフからみても、一般会計繰入金に依存している状況がわかる。類似団体と比較しても、⑤経費回収率は非常に低い値となっている。その要因は、汚水処理費用に対して料金設定が低いことである。しかし、本事業の使用料金は、下水道料金に準じて徴収しているため、使用水量の増加、または下水道料金の改定がない限り、収入増は見込まれない。⑥汚水処理原価は類似団体の約2.6倍であり、汚水処理にかかる費用が非常高いことがわかる。本事業は平成12年度から整備を行っているため、今後設備の老朽化により、汚水処理原価の増加が考えられる。⑦施設利用率は類似団体の約2/3であり、施設の利用状況が低いことがわかる。その要因は、一世帯あたりの人数が減少傾向にあるためである。⑧水洗化率は、対象世帯への整備が終わっていることから100%に近く、横ばいとなっている。
老朽化の状況について
本事業においては、平成12年度から供用開始をしており、当初設置した浄化槽においては、約17年が経過している。そのため、修繕が必要な浄化槽も近年増加しており、修繕費も年々増えている。浄化槽の耐用年数は約32年といわれており、今後老朽化により、入れ替えが必要な浄化槽においても対応していかなければならない。
全体総括
本事業においては、対象地域の人口減少などから、料金収入の増加が見込まれない中で、設備の老朽化から汚水処理原価は増加しており、非常に厳しい財政状況である。下水道地域との公平性から鑑みても、独自の料金設定を行うことは難しく、今後も下水道料金に準じた料金設定で使用料金を徴収し、不足分は一般会計からの繰入金で賄わざるをえない。