経営の健全性・効率性について
汚水処理経費を下水道使用料で賄うことができていないため、「経常損益」を示す経常収支比率及び「料金水準の適切性」を示す経費回収率において、100%を下回る状況が続いている。このことから、欠損金が発生し、「累積欠損」が年々増加している。「支払能力」を示す流動比率については、100%を下回っているが、分母である流動負債の大部分が次年度に返済を予定している企業債であり、企業債残高の比率をみると年々改善傾向である。「施設の効率性」を示す施設利用率については、市単独での下水処理場を有していないため数値を計上していない。「使用料対象の捕捉」を示す水洗化率については、類似団体平均値を上回っており、引き続き下水道未接続世帯への接続勧奨に努めたい。
老朽化の状況について
有形固定資産のうち償却対象資産の減価償却がどの程度すすんでいるかを示す減価償却率については、昭和62年度より事業を着手していることから、現有する固定資産は比較的新しく、低い数値となっている。また、法定耐用年数を超えた管渠についても存在しないことから、管渠老朽化率及び管渠改善率は計上していない。
全体総括
本市の下水道事業は、汚水処理費用を使用料収入だけで賄えない状況が続いており、一般会計から基準外繰入金を受けながら運営を行ってきた。このため、受益者負担を適正化し、独立採算の原則に基づく企業経営を行っていくために、令和4年9月より下水道使用料の改定を行った。今後も、定期的に財政状況を検証し、使用料改定の必要性について検討を行っていくことにより、持続可能な公共下水道事業運営の確立に努めていく。