経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率実際は、借換債や資本費平準化債によって償還額を平準化しているため、それらを加味した比率は常に90%台で安定し、H29は93.0%となるなど、費用のほとんどを収益で賄えている。今後も負担金の適正化に向けて市町村と協議するなど、安定した収入の確保を図る必要がある。④企業債残高対事業規模比率資本費算入による増収により、計算上、地方債残高の自己負担額が増え、指標が上昇したもの。引き続き、投資計画に基づき適切な施設整備を行い、受益者負担に基づく適正な負担金単価を設定していく。⑥汚水処理原価類似団体より低く、51~55円/㎥程度で横ばいに推移しており、今後とも適切な維持管理水準を継続していく。⑦施設利用率60%台で類似団体と同程度である。晴天時一日最大処理水量でも安定処理を行う必要があることから、妥当なスペックとしており、今後とも適切な施設規模の維持に努める。⑧水洗化率着実に伸びているが、類似団体より低い。関連市町村と連携し、接続率向上に努める必要がある。
老朽化の状況について
③管渠改善率本県流域下水道は供用開始から35年程度が経過したところで、本格的な老朽化はまだ始まっていないが、H16に中越大震災で被災して以来、地震対策として、順次、管渠更生等を行い、管渠の耐震補強を進めている。今後は、老朽化による更新費の増大を見据え、下水道ストックマネジメント計画に基づく適切な維持管理により管渠の延命化を図り、コスト縮減に努める必要がある。
全体総括
本県では、流域下水道施設維持管理計画において・定期的な調査・点検の実施・現在の施設状態の評価・長寿命化計画の策定を行い、各施設のライフサイクルコスト(LCC)の縮減と事業の平準化を図ることとしている。今後は、公営企業会計への移行(H32予定)を踏まえながら、中長期的な基本計画である経営戦略を策定し、計画的な更新投資及び維持管理により施設の安全性・信頼性を確保するとともに、経営基盤の強化に努めていきたい。