経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率は98.32%であり,前年度比較で5.25ポイント増となり改善がみられた。しかし100%ではないため,今後も適切な維持管理に努めながら,経費削減をしていく考えである。④企業債残高対事業規模比率は113.43%であり,全国平均及び類似団体平均値と比較すると低い数値である。要因としては新規整備要望がないことから,新設工事を行っていないためである。また,一般会計負担分が大きいことも要因のひとつと考えられる。⑤経費回収率は49.15%であり,全国平均及び類似団体平均値と比較すると低い数値である。要因はほかの下水道事業より料金水準が低いことに加え,人口減少により料金収入が少ないためである。今後は,適正な料金確保と更なる維持管理費の削減を図ることが必要と考える。⑥汚水処理原価は150.00円であり,全国平均及び類似団体平均値と比較すると低い数値である。今後は料金の見直しを図り,更なる原価の引き下げとなるよう努めていく考えである。⑦施設利用率は特定地域生活排水処理施設ということから100.00%であり,全国平均及び類似団体平均値と比較しても高い水準であり,適正な施設利用が出来ていると思われる。⑧水洗化率は特定地域生活排水処理施設ということから100.00%であり,全国平均及び類似団体平均値と比較しても高い水準であり,適切な汚水処理であると思われる。
老朽化の状況について
本事業は平成14年から供用開始した事業で,現在15年が経過している。浄化槽の耐用年数は40年であるため,施設としては比較的新しいが,今後老朽化し平成50年以降に更新が必要になると思われる。しかし,本事業の対象地域は過疎地域で人口減少が見込まれているため,事業の継続か廃止するか等の検討を行う必要があると考えている。
全体総括
特定地域排水処理事業においては,経費回収率を除き,全国平均及び類似団体平均値と比較しても高い水準である。料金水準が低いことから経費回収率の向上は見込めないことから,今後は料金の見直しや更なる経費削減に取り組んでいく必要があると考える。また,平成31年度から公共下水道事業及び農業集落排水事業は企業会計に移行となるが,当事業も早期に企業会計へ移行し,財務諸表による経営状況,固定資産の把握をしながら,経営基盤の強化と財政マネジメントの向上を図り,安定的な住民サービスに努めていきたい考えである。