山形県:流域下水道

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経営比較分析表(2017年度)

経営の健全性・効率性について

平成29年度の収益的収支比率は82.55%で、前年度と比較して1.57ポイント上昇した。地方債の元本償還は収益的収支であるが、元本償還に充てた一般会計繰入が資本的収支に計上されるため、収益的収支比率は100%を下回る状況が続いている。企業債残高対事業規模比率は地方債残高が減少し営業収益が増加したため、前年度と比較して22.38ポイント低下し、類似団体平均値を12.14ポイント下回った。地方債残高の減少により、企業債残高対事業規模比率は緩やかな低下傾向にある。汚水処理原価は60.67円で、前年度と比較して1.19円低下したが、類似団体平均値が大幅に低下したため、平均値を4.02円上回った。施設利用率は74.29%で、前年度と比較して3.68ポイント上昇、類似団体平均値を8.96ポイント上回り良好な状態にある。水洗化率は88.81%で、前年度と比較して0.86ポイント上昇したが、類似団体平均値を3.83ポイント下回った。企業債残高対事業規模比率が緩やかな低下傾向にあること、汚水処理原価や施設利用率が類似団体平均値より比較的良好な水準で推移していること等から、現状としては経営はある程度安定していると考えられるが、人口減少等に伴い流入水量の減少が見込まれるため、水洗化率の向上や経営の更なる効率化に努める必要がある。

老朽化の状況について

平成29年度の管渠改善率は0.42%である。本県流域下水道の管渠は全て耐用年数の50年未満であるが、最も古い管は30年以上経過しており、水管橋の経年劣化や硫化水素発生により腐食なども確認されるため、日常点検などにより適正な管理を行い、対策が必要な箇所は改善を図る。10数年後には管渠の耐用年数を迎えるため、企業会計への移行に合わせて経営戦略を策定するとともに、長寿命化対策の推進等により更新需要の急増を抑制する。なお、処理場の設備については、現在もストックマネジメント計画に基づき、点検・調査及び改築を行っており、今後も引き続き設備の改善を図る。

全体総括

本県流域下水道事業は、収益的収支比率が100%を下回っているものの、企業債残高対事業規模比率は低下傾向にあり、汚水処理原価や施設利用率も安定した水準にある。しかし、今後、人口減少等に伴う有収水量の減少や施設の老朽化等により、経営の厳しさが増すことも想定される。そのため、平成32年4月の地方公営企業法の財務に関する規定の適用に向け移行準備を進めるとともに、平成32年度を計画初年度とする経営戦略に盛り込んだ適正な負担金単価の設定や施設の更新需要の平準化などを着実に実施することで、経営の基盤強化に取り組んでいく。

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