経営の健全性・効率性について
公共下水道事業については現在管きょ工事を進めており、今後も平成28年度に策定した「八幡平市汚水処理施設整備構想(アクションプラン)」に基づき事業を進めている。アクションプランでは、令和7年度の概成を目指す予定としているが、令和2年度の地方公営企業法適用に伴い、事業費の見直しが必要となる。平成30年度は前年度と比較して、使用料収入、汚水処理費用とも増加した。①収益的収支比率及び⑤経費回収率は依然として低水準にある。使用料収入のみでは経費を賄えず、一般会計繰入金に依存している状態が続いている。施設整備に伴う水洗化戸数の増加により、⑧水洗化率は、僅かながらであるが毎年増加の一途を辿っている。本処理区域においては、今後も水洗化人口の増加は見込めるものの、水洗化人口の増加に伴い経費(動力費、薬品費等)の増加も見込まれており、今後における安定経営の検討が急務である。公共下水道事業は、令和2年度から地方公営企業法を適用することで準備を進めている。安定経営を継続していくため、令和2年度以降には地方公営企業法適用後の財政シミュレーションを行いながら、適正水準による使用料収入の確保、管理手法の見直し等による汚水処理費の抑制を検討する。経営戦略(改訂版)を策定した後早い段階で、検討結果を実行していく必要がある。
老朽化の状況について
供用開始から15年が経過しており、現在においては全体的には管きょの更新が必要な段階ではない。しかし、中継ポンプについては、消耗部材の修繕が発生している。今後において、消耗部材の修繕費が増加することが見込まれる。更新時期を迎える管きょや、消耗部材の修繕への備えとして、アセットマネジメント(施設更新計画)の策定などを行い、計画的な更新が進められる体制を構築する必要がある。
全体総括
④企業債残高対事業規模比率については、一般会計で企業債償還金を負担していることから当該団体値は表れていない。しかし、本事業は現在も継続していることから、企業債残高等の動向については注視していく必要がある。令和2年度の地方公営企業法適用後には、健全経営と事業推進のバランスを念頭に置くことが求められることから、従来行ってきた様々な方策を再検討する必要がある。依然として、使用料収入の低さが事業経営に影響を及ぼしている。適正な使用料及び一般会計繰入金のあり方について早急に検討する。今後においては、1及び2で示した内容について、確実に進めていくことが必要である。