農業集落排水施設 公共下水道 特定環境保全公共下水道 簡易水道事業(法適用)
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平成24年度の財政力指数は、前年度同値という結果となりました。分母となる基準財政需要額は前年度と比較して、高齢者保健福祉や地域経済・雇用対策に係る基準財政需要額が増額したものの、全体的には減少する結果となりました。分子となる基準財政収入額は、法人の景気回復等により前年度と比べ9.4%も伸びており、同指数は上昇に向かうであろうことが推測されますが、類似団体と比較しても順位が低く、岩手県平均と比較してもかなり低い数値であることから、今後も厳しい財政状況が続くものと思われます。
景気回復等により、地方税は平成23年度、24年度と連続で上昇(平成23年度=24億8,012万円・対前年比9.4%増、平成24年度=25億1,201万円・対前年度比1.3%増)を続けていますが、歳入の約4割を占める地方交付税の減少(平成24年度=74億96万円・対前年度比4.1%減)が大きく影響し、分母となる経常一般財源は約3億3,000万円の減収となりました。分子となる経常的経費充当一般財源についても、前年度比約2億3,600万円抑制することができましたが、結果的には歳入の減少幅に対して歳出の抑制幅が追いつかず、経常収支比率を前年度に比べ0.4ポイント増加させることとなりました。
平成17年の合併時から「遠野市定員管理計画」に基づく職員数の定数管理を行い、平成24年度までに74人の職員縮減を行っています。平成24年度は11人の職員縮減を行い、約8,400万円の人件費を抑制することができました。同計画により、平成28年4月1日までにさらに22人の縮減を図り、人件費の適正化に努めます。物件費等については、東日本大震災による沿岸被災地への復興支援事業が約1億4,700万円増額したほか、除排雪に係る経費が約5,600万円増額。物件費の経常的経費は過去5年間で平均2.5%ずつ上昇しており、さらなる節減に努める必要があります。
類似団体の平均ラスパイレス指数である104.8を若干上回る105.4となっており、今後、さらに給与の適正化を図っていきます。昨年度よりも0.6ポイント上昇した要因としては、定員管理計画により職員数を縮減する中で、市政課題に素早く対応するために部署を新設し、それに伴い昇格職員が増えたことによるものと捉えております。組織体制の最適化、各種手当等の総点検、管理職員数の適正化等を行い、引き続き給与の適正化に努め、同指数の改善を図ります。
平成28年4月1日の総職員数363人(10年間で-92人)を目標に、定員管理計画による職員縮減を行っており、平成24年度までに74人の縮減を行いました。専門性の高い職種の維持を基本に職員数の見直しを行ってきた結果、一般行政職員だけが減少を続けています。当市は面積も広く、人口減少に伴う人材も不足していることなどから、民間事業者等へのアウトソーシングもなかなか進まず、職員数の縮減も限界に近付いていると捉えています。今後も厳しい財政事情が続くと推測されることから、業務の見直し、さらなる事務事業の効率化を図り、類似団体の平均職員数に近付くよう努めていきます。
平成24年度の実質公債費比率は、健全財政5カ年計画による適量、適切な事業実施を図ったことなどから12.0%と類似団体平均の12.4%を下回りましたが、前年度比では0.2ポイント増という結果になりました。要因としては、総合防災センター整備に係る償還が始まったことなどから元利償還金全体として約3,000万円増えたこと、民間福祉施設の整備に係る債務負担の繰上償還を行ったことなどが主な要因です。平成25年度からは中心市街地活性化基本計画に係る観光交流センターやまちおこしセンターなどの償還が始まることから、同比率は今後も増加すると見込んでおり、今後ますます計画的な運用に努める必要があります。
平成24年度の将来負担比率は96.7%と、昨年度よりも14.6ポイント上昇する結果となりました。特別養護老人ホームや障害者支援施設などの民間福祉施の整備に係る債務負担については繰上償還により、約4億6,300万円の減額となりましたが、一方で、総合食育センター整備に6億7,000万円、公共牧場再編整備に3億円、とおの物語の館整備に3億円、市道二日町小友線整備に1億7,000万円などの借入れが増えたことで、同比率が上昇することとなりました。現在の健全財政5カ年計画を見直すなど、将来負担額の削減に向けた取り組みを積極的に実施していきたいと考えます。
人件費に係る経常収支比率は類似団体平均値よりも高く、その要因としては、ごみ処理業務や消防業務を直営で行っていることから、類似団体の人口千人当たり平均職員数よりも当市の職員数が多いことなどが挙げられます。職員数の計画的な縮減を図っていることから、人件費の決算額は前年度よりも約1億2,900万円減額(うち、経常的経費約1億1,000万円減)となりました。職員定数については、引き続き定員管理計画に基づく縮減を図り、人件費に係る経常収支比率の改善に努めます。
物件費に係る経常収支比率が上昇した要因は、中心市街地活性化のための中核施設である観光交流センター、まちおこしセンター、飲食・売店施設の新設による増(約1,900万円増)のほか、平成24年7月に供用開始した総合防災センターの施設管理費の増(約900万円)などによるものです。また、定員管理計画に基づく職員数の縮減を図っている一方で、事務補助者としての臨時職員を増員していることから、賃金が約1,000万円ほど増額になってしまいました。情報システムなどの設備に係る維持管理経費も増加傾向にあることから、一層の経費節減を図る必要があります。
扶助費に係る経常収支比率は、前年度と比べ0.3ポイント上昇しました。要因としては、障害者自立支援介護給付費が約6,000万円増のほか、生活保護費が約5,600万円増、医療給付費を中学生まで拡大したことにより約70万円増、インフルエンザの流行等による乳幼児や小学生の医療費給付が約650万円増となったことなどが挙げられます。当市は高齢化率も高く、子育て支援施策を積極的に推進していることなどから、これらに係る扶助費はさらに増加するものと捉えており、今後ますますの適正化に努めていきます。
平成24年度に大きく減少した理由は、国保税軽減世帯の減による国民健康保険特別会計への財政安定化支援繰出金の減(1,300万円減)、徹底した経費節減による同特別会計事務費繰出金の減(500万円減)及び介護保険特別会計事務費繰出金の減(3,700万円減)などが主な要因です。維持補修費に係る経常収支比率は、0.8ポイント上昇してしまいましたが、これは除排雪に係る経費(5,600万円増)が膨らんだことによるもので、一時的な経費であることから、将来的に財政を硬直化させる要因にはならないものと捉えています。
補助費等に係る経常収支比率は類似団体平均を下回っていますが、前年度よりも2.6ポイント上昇しました。経常的経費に係る決算額は約2億7,700万円増で、土木費及び消防費に係る負担金約300万円の増や、廃止路線バス運行に係る補助金500万円の増などが主な要因です。健全財政5カ年計画に基づく審査を毎年行っておりますが、改めて補助金交付基準の適正化を図るための基準を設け、不適当な補助金は見直しや廃止を行うよう、さらなる健全化に努めます。
平成23年度までは公債費に係る経常収支比率が減少していましたが、平成24年度から総合防災センター整備に係る償還が始まったことなどから、前年度に比べ0.5ポイント上昇する結果となりました。平成25年度以降も市民センターの耐震化改修工事や市役所本庁舎整備等が控えており、起債償還のピークは平成28年度頃に迎えるものと捉えております。健全財政5カ年計画で示す地方債残高250億円を超えないよう、普通建設事業費の圧縮、年度間の平準化に努めていきます。
類似団体と比較すると、5年間の平均で約5.3ポイント減という低い数値で推移しており、財政の柔軟性が保たれていると解されます。しかし、上記の各グラフで示すとおり、物件費及び補助費等に係る経常収支比率の割合が伸びており、これに係る抑制策を講じる必要があります。公共施設の指定管理費用の見直しや事務費等のさらなる削減、各団体への補助金の見直しなど、さらに財政の健全化策を進め、財政硬直化の抑制に努めていきます。
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