沖縄県：北部病院の経営状況（2017年度）

地域において担っている役割

救急医療、高度医療、特殊医療、不採算医療、医療従事者の育成などの役割を担っている。地域医療支援病院や災害拠点病院に指定され、また平成28年５月には地域周産期母子医療センターに認定されている。平成28年12月に地域包括ケア病棟を設置した。このほか、離島２箇所にある附属診療所を運営し、プライマリ・ケアを中心に地域に必要な医療を提供するとともに、相互に連携して救急医療にも対応している。

経常収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（％）	96.9	103.1	100.4	102.4	101.4	94.6
類似団体内平均値（％）	99.4	99.0	97.7	98.0	97.2	97.0

医業収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（％）	93.6	95.8	90.8	91.7	92.4	85.4
類似団体内平均値（％）	92.6	92.2	90.2	91.1	90.1	89.6

累積欠損金比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（％）	71.6	67.0	53.6	49.0	46.3	54.0
類似団体内平均値（％）	63.8	62.5	57.6	53.6	59.7	62.6

病床利用率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（％）	78.8	77.9	75.9	74.8	68.7	70.2
類似団体内平均値（％）	70.6	70.5	70.6	71.3	72.6	73.5

入院患者１人１日当たり収益

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（円）	39274.0	40239.0	42115.0	43229.0	48279.0	48795.0
類似団体内平均値（円）	45929.0	48203.0	48941.0	50413.0	50510.0	50958.0

外来患者１人１日当たり収益

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（円）	10762.0	11365.0	11680.0	12403.0	12440.0	11965.0
類似団体内平均値（円）	11409.0	11941.0	12272.0	13096.0	13552.0	13792.0

職員給与費対医業収益比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（％）	68.3	66.0	69.2	69.0	69.2	78.5
類似団体内平均値（％）	54.8	54.9	56.4	55.6	56.7	56.9

材料費対医業収益比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（％）	19.1	19.4	18.0	19.2	19.3	18.1
類似団体内平均値（％）	23.0	23.6	23.5	24.3	24.2	24.2

経営の健全性・効率性について

経常収支比率及び医業収支比率は、７対１看護体制の導入やNICUの増床等の病棟再編に伴う看護師の増員や医師の当直に係る時間外勤務手当の是正等により、給与費が大きく増加したことで低下した。入院収益は向上したものの外来収益が低下したことで医業収益は微増に留まった。累積欠損金比率は、医師の当直に係る時間外勤務手当の是正に伴い平成28年度以前に係る手当の支払いが生じたことにより上昇した。職員給与費対医業収益比率は、看護師の給料及び手当、医師の手当の増加により上昇した。材料費対医業収益比率は、薬品及び診療材料の費用縮減の取組により、類似病院平均を下回る数値で推移している。

有形固定資産減価償却率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（％）	41.6	41.6	67.5	67.9	67.9	69.5
類似団体内平均値（％）	45.5	45.8	48.9	50.3	49.8	50.9

器械備品減価償却率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（％）	52.2	50.5	74.8	79.8	79.1	81.3
類似団体内平均値（％）	62.5	59.9	65.4	65.7	65.0	66.8

１床当たり有形固定資産

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（円）	28870229.0	28742437.0	28016969.0	28373624.0	28877024.0	28771220.0
類似団体内平均値（円）	39169586.0	40264615.0	41593368.0	42578034.0	45645830.0	47082778.0

老朽化の状況について

有形固定資産減価償却率、器械備品減価償却率ともに、平成26年度の会計基準見直しに伴うみなし償却制度の廃止で減価償却累計額が増加しており、平成29年度は経年により減価償却が進んだことで上昇した。１床当たり有形固定資産は、計画的に更新を実施していることからほぼ同水準となっている。全体的に老朽化による経年劣化が進行しているため、今後は大規模な各種改修工事が必要である。

全体総括

■課題等・高い水準にある職員給与費対医業収益比率・医師、薬剤師等の人材確保・大規模な各種改修工事等の投資に向けた利益の確保■対策、今後の方向性・病床稼動率の向上（新入院患者確保）・地域連携の強化、紹介率の向上・時間外勤務の縮減・材料の適正使用、低廉購入の継続