宮崎県串間市：市民病院の経営状況（2020年度）

地域において担っている役割

市内唯一の機能として、CTやMRIなどの高度医療機器による検査環境を持ち、不採算部門である産婦人科、耳鼻咽喉科のほか、外科、泌尿器科、皮膚科による診療体制を執っている。また、地域包括ケア病床（31床）での療養を担うとともに、救急告示病院として年間約1,500件に対応している。当市においては、無医地区が存在しており、その無医地区への巡回診療の実施のほか、訪問診療、訪問看護、訪問リハビリテーションも実施し、地域包括ケアの役割を担っている。

経常収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）	102.7	98.4	96.5	85.3	85.3	84.4	92.8	94.1	85.3
類似団体内平均値（％）	97.1	96.3	96.9	98.3	96.7	96.6	97.2	96.9	100.6

医業収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）	102.3	95.2	91.5	78.6	77.8	77.3	86.1	86.8	77.8
類似団体内平均値（％）	87.7	86.6	85.4	85.3	84.2	83.9	84.0	84.3	80.7

修正医業収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）							83.9	84.5	75.7
類似団体内平均値（％）							80.4	80.6	77.1

累積欠損金比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）	51.4	52.0	29.5	53.9	71.3	93.1	92.0	102.6	128.1
類似団体内平均値（％）	92.4	95.4	84.4	85.2	87.1	88.4	92.3	94.7	97.2

病床利用率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）	67.8	66.2	62.8	57.8	64.7	58.3	71.6	62.8	56.3
類似団体内平均値（％）	69.0	68.5	68.3	67.9	69.8	69.7	70.1	70.4	65.8

入院患者１人１日当たり収益

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（円）	35387.0	34973.0	35919.0	31738.0	29790.0	33066.0	31466.0	34197.0	35718.0
類似団体内平均値（円）	31025.0	31577.0	32431.0	32690.0	33491.0	34136.0	34924.0	35788.0	37855.0

外来患者１人１日当たり収益

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（円）	6815.0	6781.0	6684.0	6569.0	7067.0	6811.0	7052.0	7487.0	9223.0
類似団体内平均値（円）	9176.0	9437.0	9726.0	10037.0	9976.0	10127.0	10241.0	10602.0	11234.0

職員給与費対医業収益比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）	43.7	49.2	49.3	57.7	60.0	61.9	55.6	54.9	72.5
類似団体内平均値（％）	61.2	61.8	62.9	63.3	64.2	64.2	64.7	64.4	70.2

材料費対医業収益比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）	19.4	20.3	19.7	20.3	16.8	15.1	14.4	14.7	16.3
類似団体内平均値（％）	19.4	19.5	19.2	19.2	18.9	18.6	17.9	17.8	18.0

経営の健全性・効率性について

令和2年度においては、経常収支比率は85.3パーセント、医業収支比率は77.8パーセント、いずれも前年度から悪化し、類似病院平均値と比較すると経常収支比率、医業収支比率ともに下回る結果となった。累積欠損金比率についても、前年度から悪化し128.1パーセントとなったところである。引き続き病床利用率の向上、外来患者1人1日当たり収益などの増収をはじめとする収入の確保及び薬品や診療材料費等の経費削減に努め、経営健全化に向けた改善を図っていく。

有形固定資産減価償却率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）	33.8	33.0	35.5	36.8	39.8	42.9	46.4	48.9	45.5
類似団体内平均値（％）	48.3	48.0	52.2	52.4	52.5	53.5	54.1	54.6	56.9

器械備品減価償却率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（％）	78.9	66.1	68.8	65.0	68.2	74.0	80.0	82.7	73.7
類似団体内平均値（％）	64.3	63.3	69.6	69.2	69.7	71.3	71.4	71.7	72.9

１床当たり有形固定資産

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020
当該団体値（円）	31938608.0	33534608.0	34425967.0	34853817.0	34994942.0	35218650.0	35258417.0	35222883.0	39358225.0
類似団体内平均値（円）	33533100.0	34139294.0	35115689.0	35730958.0	37752628.0	39094598.0	40683727.0	41891213.0	42806727.0

老朽化の状況について

施設については、建設から15年経過しており、耐用年数の半期を迎える2025年に向け、施設維持のための補修・改修を計画していく。医療機器等については、耐用年数を迎えている機器も多いため、適宜更新する必要があるが、現在の病院の経営状況や機器等の必要性、地域医療の確保を考慮しながら、更新を進めていく。

全体総括

累積赤字は年々増加しており、単年収支における欠損金額の縮減に向け、病院経営の改善を図り、健全な病院運営を維持できるよう改善を進めている。当市においては、2035年頃まで高齢者人口（65歳以上）推計に大きな変化はないことや地域包括ケアシステムの構築への貢献も含め、収益性の見込める診療、療養等の充実を図るなど、地域の医療ニーズに則した安定的な医療を提供できる運営体制の構築を進めていく。