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地方財政ダッシュボード

愛知県蟹江町の財政状況(2018年度)

🏠蟹江町

地方公営企業の一覧

末端給水事業 公共下水道


収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2018年度)

財政力指数の分析欄

平成24年度以降ほぼ横ばいの状態が続いており、平成30年度決算では、依然として類似団体内平均を0.24ポイント上回っている。本町では、町税収入に占める法人税額の割合が小さく、税収が経済情勢等の影響を受けにくい傾向にある。今度も引き続き、事務事業の徹底的な見直しと施策の重点化の両立に努め、活力あるまちづくりを展開しつつ行政の効率化を推進し、更なる財政の健全化に努める。

経常収支比率の分析欄

補助金・負担金の整理・合理化を進めてきたことや、地方債の新規発行を抑制してきたことにより、類似団体内平均を下回る水準で推移している。しかし、人件費と扶助費は類似団体平均より高い傾向が続いており、特に扶助費は類似団体内平均を2.0ポイント上回っている状況である。加えて、今後は、平成29年度以降の地方債の増発により、公債費が増加する見込みである。今後も引き続き、歳出の徹底的な見直しと施策の重点化を図り、経常経費の削減に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費・物件費の人口1人当たりの決算額は、類似団体内平均を若干下回る水準で推移している。これは、民生部門と消防部門の職員給が、職員数が多いことから類似団体内平均を上回っているものの、その他の人件費と物件費で類似団体内平均を下回っているためである。今後も引き続き、効率的な人員配置や適正な給与水準の維持に努めるとともに、行政の効率化を推進し、歳出の削減に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

いずれの年度も、類似団体内平均を大きく下回った水準で推移している。平成27年度には職員の経験年数階層の変動により若干の上昇となったものの、平成28年度には-1.9ポイントと大きく落ち込んだ。職務を責任に応じた適正な給与制度の運用等に努めたこと等により、平成29年度以降は上昇傾向にあるものの、依然として類似団体内平均を大きく下回っている。今後も、適正な給与水準を確保するとともに、各手当等の見直し等を推進すること等により、一層の給与制度の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

人口1,000人当たりの職員数は、類似団体内平均を上回った水準で推移しており、特に平成27年度以降は1.0ポイント以上高くなっている。これは、保育所・児童館等の児童福祉に係る施設を多く備えていることや消防本部と消防署を単独で備えていることにより、民生部門と消防部門の職員数が多いためである。本町においても子育て支援の充実を図っていることから、今後も保育部門の職員数の増加が見込まれるが、職種ごとの職務性や職務内容を考慮しつつ、効率的な人員配置等により、適正化な定員管理に努める。

実質公債費比率の分析欄

実質公債費比率は、年々減少傾向にあり、類似団体内平均を下回る水準で推移している。しかしながら。将来負担比率の推移が示しているように、平成29年度以降は借入額が増加しており、その元金償還が始める令和2年度以降は、実質公債費比率も増加に転じる見込みである。そのため、今後は大規模事業の事業計画の整理を進めて規模の縮小・適正化を図るなど、起債依存の事業計画を見直し、起債に頼ることのない財政運営をしていく必要がある。

将来負担比率の分析欄

平成30年度決算は、前年度から14.4ポイント上昇し、42.6%となった。これは、自由通路等整備事業を始めとした大規模事業の実施により、平成29年度以降に借入額が増加していることに加え、下水道事業の進捗による公営企業等繰入見込額の増加や財源不足に対応するための基金の取崩しによるものである。今後も下水道事業の拡大による公営企業への繰出しの増加が見込まれるため、大規模事業を始めとした事業計画の徹底的な見直しによる地方債の抑制及び基金残高の確保に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2018年度)

人件費の分析欄

人件費に係る経常収支比率は、類似団体内平均と比較すると高い水準で推移しているが、これは、保育所・児童館等の児童福祉に係る施設を多く備えていることや消防本部と消防署を単独で備えていることにより、類似団体と比較して、民生部門と消防部門の職員数が多いことが主な要因である。今後も、効率的な人員配置等による定員管理の適正化や適正な給与水準の確保、一層の給与制度の適正化に努める。

物件費の分析欄

近年の物件費の推移を類似団体内平均と比較すると、賃金と需用費で上回っているものの、役務費や委託料で大きく下回っているため、全体として類似団体内平均を若干下回る水準で推移している。需用費で多くを占めているのは、学校給食の賄材料費である。賄材料費は、物価の変動に伴い公費負担を増額していることや、学校給食を引き続き町の直営で実施していくことから、更なる効率的な運営が求められている。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率は、毎年度、類似団体内平均を1.5~3.0ポイント程度上回った水準で推移している。これは、社会福祉費や老人福祉費に係る経費が類似団体と比べて多額であることが要因である。これは福祉施策を積極的に推進している結果であると考えるが、財政状況が一層厳しさを増す中にあって、財政を圧迫する傾向に歯止めをかけるよう、事務事業の見直しを検討する必要性が増してきている。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率は、下水道会計の法適化により下水道事業への補助金を補助費等に計上することとなった平成29年度決算を除いて、増加傾向が続いている。特別会計への操出金について、今後も増加傾向が続くと見込まれることから、特別会計の独立採算制の原則に立ち返った事業の見直しを推進するとともに、繰出基準を検討し、特別会計への繰出金の抑制に努める。

補助費等の分析欄

補助費等の経常収支比率は、補助金等の整理・合理化を進めたことにより、類似団体内平均を下回る水準で推移しており、平成30年度決算でも、前年度比1.6ポイント減少している。しかし、下水道事業について、事業の進捗や企業債の償還額増加とともに、補助金の増加が見込まれるため、企業会計の独立採算制の原則に立ち返った事業の見直しを推進するとともに、繰出基準を検討し、補助金の抑制に努める。

公債費の分析欄

過去の起債抑制策により類似団体内平均を下回って推移しており、近年も微減傾向が続いている。しかしながら、自由通路等整備事業等の大規模事業で、平成29年度以降は多額の町債を発行しており、今後は公債費の増加が見込まれている。そのため、大規模事業の計画を見直して規模の適正化を図るなど、起債に頼らない財政運営が必要である。

公債費以外の分析欄

近年は類似団体内平均を下回っていたものの上昇傾向が続いており、平成29年度決算で類似団体内平均を上回ったが、人件費と扶助費、補助費等が減少したことにより、平成30年度決算は、類似団体内平均を1.3ポイント下回ることとなった。財政状況が厳しさを増す中にあって、今後の公債費の増加が見込まれるため、事務事業の徹底的な見直しにより歳出を削減することの必重要性が増している。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

平成28年度まではすべての費目で類似団体内平均を下回っていたが、平成29年度決算では商工費と土木費が、平成30年度決算では土木費と消防費が類似団体内平均を上回る結果となった。これらの費目の増減は普通建設事業によるものであり、商工費は観光交流センター(仮称)須成祭ミュージアム整備事業(住民一人当たり-4,938円)が完了したことにより、前年度から減少し、消防費は、蟹江町同報系防災行政無線等整備事業の進捗により(同+7,794円)、前年度から増加した。また、土木費は、自由通路等整備事業が前年度から住民一人当たり9,383円増加した一方、平成29年度の下水道事業の法適化に伴う下水道事業出資金の皆減(同-13,263円)により前年度から住民一人当たり3,869円減少した。また、歳出決算の主な構成項目である民生費については、類似団体内平均を下回って推移しているが、平成26年度からの5年度で住民一人当たり23,800円増加しており、類似団体内平均に迫る水準となっている。これは、多世代交流施設建設事業(平成29年度・平成30年度の2年度で同20,769円)や保育所・児童館等児童福祉に係る施設の人件費や施設の維持管理費が増加していることによるものである。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

平成30年度歳出決算総額は11,394,045千円で、住民一人当たり302,229円となっており、平成29年度歳出決算総額の住民一人当たりコスト(290,380円)と比較すると、11,849円増加したことになる。中でも普通建設事業費が前年度比住民一人当たり11,830円増加しており、全体の増加幅の99.8%を占めている。平成29年度に完了した観光交流センター(仮称)須成祭ミュージアム整備事業(住民一人当たり-4,938円)や小学校空調設備設置事業(普通教室)(同-2,626円)、須成保育所改修事業(同-1,016円)の皆減があったものの、事業の進捗による自由通路等整備事業(同+9,383円)や蟹江町同報系防災行政無線等整備事業(同+7,794円)、多世代交流施設建設事業(同+5,761円)の増加があったためであり、自由通路等整備事業の事業費がピークを迎える令和2年度までは増加傾向が続く見込みである。歳出の主な構成項目である人件費は、住民一人当たりの決算額は類似団体内平均に近い水準で推移しているが、保育所・児童館等の児童福祉に係る施設を多く備えていることや消防本部と消防署を単独で備えていることにより職員数が多いため、住民一人当たりの職員給の決算額(同37,054円)が類似団体内平均(同36,468円)と比べて1.6%高くなっているからであって、職員一人当たりの職員給の決算額(4,817,072円)で見ると、類似団体内平均(5,602,691円)と比べて785,619円(14.0%)低くなっている。また、物件費、扶助費、補助費等については類似団体内平均より下回っているものの増加傾向が続いており、今後も事務事業の徹底的な見直しと施策の重点化の両立に努め、活力あるまちづくりを展開しつつ行政の効率化を推進し、更なる財政の健全化に努める。

実質収支比率等に係る経年分析(2018年度)

分析欄

●財政調整基金残高今後の普通建設事業の増加による財源不足に備えるため、積立金の一部を特定目的基金に回したことにより、財政調整基金の積立額が取崩額を下回ったことで、残高が減少した。●実質収支額概ね5~6%で推移しており、良好な状態を保っている。●実質単年度収支平成29年度からは増加したものの、財政調整基金の取崩額が積立金を上回ったため、依然としてマイナスになっている。●今後の見通し税収の大きな伸びが期待できないことから、今後も基金を活用しながらの財政運営となる見込みである。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2018年度)

分析欄

●現状一般会計とすべての特別会計、企業会計で赤字は生じていない。しかし、下水道事業会計では、平成14年度に事業に着手して以降、順次計画的に整備しており、平成22年3月31日に一部地域で供用開始され、順次拡大しているところであるため、毎年度、一般会計からの繰出しが必要となっている。●今後の見通し下水道事業会計では、今後も事業が拡大するため、現在の水準を維持していくためには、一般会計からの基準外繰出が必要となるが、受益者負担の原則に則り、適正な使用料や負担金の徴収を引き続き行っていくことが必要不可欠である。また、その他の各特別会計でも、独立採算制の原則に則った事業全体の見直しを推進するとともに、特別会計への繰出基準を検討し、一般会計と同様に経常経費の見直しを図り、適正な財政運営、企業経営を行っていく。

実質公債費比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

●元利償還金複数の事業債の償還終了により減少した平成27年度以降は、過去の起債抑制策の効果もあり減少が続いているが、平成29年度以降は大規模事業に係る起債が増加しており、今後は元利償還金も増加していく見込みである。●公営企業債の元利償還金に対しる繰入金下水道事業の拡大に伴って企業債の元利償還金が増加していることにより、増加が続いており、今後もこの傾向が続く見込みである。●算入公債費等今後も国庫補助金や補正予算債など、交付税措置率の高い起債を活用していくことにより、微増傾向が続く見込みである。●実質公債費比率の分子公営企業債の元利償還金に対する繰入金が増加しているものの、元利償還金の減少と算入公債費等の増加により、実質公債費比率の分子は減少した。今後は、平成29年度以降の起債増加により、実質公債費比率の分子も増加していく見込みである。

将来負担比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

●一般会計等に係る地方債の現在高大型事業による起債の増加により平成29年度以降は増加しており、自由通路等整備事業の事業費がピークを迎える令和2年度までは増加が続く見込みである。●公営企業債等繰入見込額下水道事業の進捗に伴い、下水道事業債の元利償還金に充てるための繰入金の見込額が増加しており、今後も増加傾向が続く見込みである。●組合等負担等見込額海部地区環境事務組合で平成30年度から令和3年度までの4か年計画で起債が予定されているため、令和3年度までは増加していく見込みである。●退職手当負担見込額職員数は増加しているものの、平均勤続年数が短くなっていることにより、減少傾向にある。●充当可能基金大規模事業や下水道事業の事業費の増加に伴う特定目的基金の取崩しや、扶助費等の増加による財源不足に対応するための財政調整基金の取崩しにより、平成29年度以降は減少傾向にある。この傾向は、今後も続く見込みである。●基準財政需要額算入見込額今後も国庫補助金や補正予算債など、交付税措置率の高い起債を活用していくことにより、微増傾向が続く見込みである。●将来負担比率の分子平成28年度までは減少傾向にあったが、一般会計等に係る地方債の残高や公営企業債等繰入見込額の増加により、平成29年度以降は増加を続けており、今後も増加傾向が続く見込みである。●今後の対応自由通路等整備事業の事業費のピークを過ぎた令和3年度は一般会計等の起債を抑制することにより、町債残高を減少させ、健全財政を確保することが重要である。

基金残高に係る経年分析(2018年度)

基金全体

(増減理由)財政調整基金、公共施設整備基金、下水道整備基金に510百万円を積み立てた一方、自由通路等整備事業に充てるために公共施設整備基金から30百万円、下水道事業への補助金に充てるために下水道整備基金から40百万円、多世代交流施設建設事業に充てるために福祉基金・地域福祉基金から合わせて230百万円を取り崩したほか、財源不足を補うために財政調整基金から520百万円を取り崩したことにより、取崩額が計820百万円に上ったことにより、基金全体としては、310百万円の残高減少となった。(今後の方針)財源不足に対応するための財政調整基金からの取崩しや、公共施設の整備費用の増加、下水道事業の進捗による下水道事業費の増加などに対応するための特定目的基金の取崩しにより、今後も減少傾向が続く見込みである。今後は、更なる歳出の徹底的な見直しと事務事業の重点化を図りながら、財源を確実に確保することによって、財源不足の縮小及び基金残高の確保に努める。

財政調整基金

(増減理由)将来の取崩しに取崩しに備えるために積立額の一部を公共施設整備基金と下水道整備基金に積み立てたこと及び普通建設事業や扶助費の増加による財源不足に対応するため積立額(410百万円)を超える520百万円を取り崩したことにより、前年度に比べて110百万円減少した。(今後の方針)財政調整基金の積立の目安は、標準財政規模の約15%である10億円としているが、財源不足が増加する傾向にある現状では、毎年度の取崩しは避けられない状況にあるため、歳出の見直しと財源確保を図りながら、基金への積立てを行っていく。

減債基金

(増減理由)平成30年度は基金運用益である利子分のみを積み立てたため、基金残高は2千円の増加にとどまった。(今後の方針)平成29年度以降の起債額の増加により町債残高が増加傾向にあることから、将来の償還額の増加に備えるため、積立可能額の一部を積み立てていく予定である。

その他特定目的基金

(基金の使途)公共施設整備基金:公共施設の整備事業下水道整備基金:公共下水道の整備事業土地区画整理基金:土地区画整理事業福祉基金:福祉施設の整備、福祉の向上地域福祉基金:地域福祉の増進(増減理由)公共施設整備基金:自由通路等整備事業のため30百万円を取り崩した一方、将来の公共施設整備費用の増加に備えるために50百万円を積み立てたことにより、20百万円増加した。下水道整備基金:下水道事業への補助金に充てるため40百万円を取り崩した一方、下水道事業の進捗による事業費及び企業債の償還費の増加に備えるために50百万円を積み立てたことにより、10百万円増加した。福祉基金・地域福祉基金:多世代交流施設建設事業に充てるため、福祉基金から33百万円、地域福祉基金から197百万円を取り崩したことにより減少した。(今後の方針)公共施設整備基金:将来見込まれている大規模事業や公共施設等総合管理計画に基づく公共施設の整備費用の増加に備えるため、今後も積立可能額の一部を積み立てていく予定である。下水道整備基金:下水道事業の進捗により、今後も下水道の整備費用及び企業債の償還費用が増加する見込みであることから、今後も積立可能額の一部を積み立てていく予定である。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2018年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率が類似団体内平均値と比べて若干高くなっているのは、昭和55年以前に整備され、建設から40年以上が経過した公共施設が多いためである。特に、庁舎・消防署・学校・保育所など、整備や更新に大きな財政負担が必要となる施設の多くが、昭和50年代までに整備されたものであり、老朽化が進行している。今後も、公共施設総合管理計画や施設保全計画(個別施設計画)に基づいた計画的な整備・更新を行い、公共施設の適切な維持管理に努める。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は、類似団体内平均値と比べやや高めとなっている。今後大規模事業の財源とするための多額の起債発行や基金の取崩しが予定されており、地方債残高の大幅な増加と充当可能基金残高の減少により、債務償還比率も高くなることを見込んでいる。今後は、増加する地方債償還額に備えるため計画的な基金への積立てを行いつつ、起債の抑制を図りながら、健全な財政運営に努める。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率について、平成29年度より増加しており、類似団体内平均値を大きく上回っている。有形固定資産減価償却率についても、建設から40年以上経過している公共施設が多いことにより、類似団体内平均値を上回っているのが現状である。今後も、大規模事業に係る多額の起債発行と基金の取崩しによる将来負担比率の増加に加え、耐用年数の到来を迎える公共施設が増加することによる整備費用の増加が予想されるため、起債の抑制を図りながら、公共施設管理計画等に基づいた計画的な公共施設の整備・更新を図ることにより、財政負担の軽減と平準化に努める。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率は、平成30年度に大規模事業の財源とするための多額の地方債を発行したことにより大きく上昇したが、一方で、実質公債費比率については、過去の事業債の償還が順次終了したことや平成28年度まで起債を抑制してきたことにより、類似団体内平均値を下回る水準で推移している。しかしながら、平成29年度から増加した地方債の発行は、少なくとも令和2年度までは増加を続ける予定であり、これらの元金償還が始まる令和2年度には、実質公債費比率も大きく上昇する見込みであるため、今後は、更なる起債の抑制と公債費の適正化に取り組んでいくことが必要である。

施設類型別ストック情報分析表①(2018年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体内平均値と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、学校施設、橋りょう・トンネル、道路であり、低くなっているのは児童館である。学校施設については、多くを昭和40年代から昭和50年代に整備されたものが占めており、これらの老朽化が進んでいるためである。児童館については、類似団体内平均値よりやや低くなっている。これは児童館の一つが平成23年に建築したためである。残る児童館の多くは、昭和60年代に整備されたものであるため、老朽化が進行している。今後は、公共施設整備保全計画に基づいて予防保全を行っていくが、施設の更新時期が重ねることにより一時期に財政負担が集中することが懸念されるため、適切に長寿命化対策や更新事業を実施し、財政負担の軽減・平準化に努める。

施設類型別ストック情報分析表②(2018年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

福祉施設については、類似団体内平均値と比較してやや高くなっているが、昭和50年代に建設され老朽化が進んでいた福祉センターを取り壊し、新たに建設した多世代交流施設を平成30年10月に供用開始したことにより、減価償却率が前年度と比べ9.3ポイント減っている。消防施設、庁舎については、昭和40年代から昭和50年代前半に整備され、建設から40年以上が経過していることから、類似団体内平均値と比べて約16ポイント高くなっている。今後は、学校施設や保育所等と同様に、更新時期が重なることから、一時期に財政負担が集中することが見込まれるため、公共施設整備保全計画(個別施設計画)に基づいて適切かつ効率的な予防保全事業を行い、財政負担の軽減と平準化に努める。

財務書類に関する情報①(2018年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

●一般会計等:資産は、前年度比△42百万円(△0.1%)となった。これは、多世代交流施設の建設等により事業用資産が+492百万円となったものの、減価償却によるインフラ資産の減少(△123百万円)、基金の取崩しによる固定資産及び流動資産の減少(固定資産△213百万円、流動資産△110百万円)等による減少幅が事業資産の増加幅を上回ったためである。なお、本町では資産の約87%を有形固定資産(34,270百万円)が占めている。これらの資産は、維持管理や更新等、将来の支出を伴うものであるため、資産保有の適正総量を見極め、公共施設等の適正管理を推進することで、将来的なコストの軽減に努める。また、負債は、前年度比+633百万円(+6.0%)となった。なかでも、地方債は前年度比+757百万円(+9.7%)と大きく増加している。これは、多世代交流施設建設事業や自由通路等整備事業、防災行政無線設備の更新等により、地方債の借入額(1,406百万円)が償還額(665百万円)を上回ったことによるものである。●全体:資産は、前年度比+671百万円(+1.2%)となっている。これは、一般会計では前年度比△123百万円であったインフラ資産に、特に下水道整備による資産増加が加わったことにより、全体会計ではインフラ資産が前年度比+478百万円(+2.0%)となったためである。また、負債についても、下水道の整備により地方債が増加したことにより、前年度比+1,088百万円(+5.5%)となっている。●連結:海部地区環境事務組合のごみ処分場の設備更新に伴い、資産では物品(+91百万円)が、負債では地方債(+988百万円)の増加しているほかは、資産、負債ともにほぼ全体会計を引き継いだ数値となっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

●一般会計等:経常費用は9,796百万円であり、前年度比+584百万円(+6.3%)となった。内訳は、業務費用が5,472百万円(前年度比+144百万円、+2.7%)、移転費用が4,323百万円(前年度比+440百万円、+11.3%)である。業務費用については、職員給与費及び退職手当引当金の減少により人件費が前年度比△78百万円(2,199百万円→2,121百万円、△3.5%)となったものの、物件費が+185百万円(2,010百万円→2,195百万円、+9.2%)、維持補修費が+61百万円(124百万円→185百万円、+49.2%)となったことにより、前年度比+144百万円となった。また、移転費用については、JR蟹江駅橋上駅舎整備工事負担金の増加により補助金等が前年度比+376百万円(1,814百万円→2,189百万円、+20.7%)となった影響により、全体で+440百万円となった。●全体:全体会計では、水道事業及び下水道事業の使用料を収益に計上しているため、経常収益が一般会計等に比べ+876百万円(1,422百万円)となっている。一方で、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上していることにより、移転費用が一般会計等に比べ+5,133百万円(9,456百万円)となっているが、前年度と比較してみると、国保法の改正等により国民健康保険事業特別会計で補助金等が△423百万円となった影響により、全体会計の移転費用は前年度比△46百万円(9,501百万円→9,456百万円)となった。●連結:連結会計では、連結対象企業等の事業収益を計上し、一般会計に比べて、経常収益が+948百万円(1,494百万円)となっている一方、経常費用が+9,743百万円(物件費等の+819百万円等により業務費用+1,606百万円、社会保障給付の8,547百万円により移転費用+8,137百万円)となったため、純行政コストは+8,796百万円(18,057百万円)となっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

●一般会計等:税収等(6,869百万円)及び国県等補助金(1,685百万円)で構成される財源は、前年度比+140百万円(+1.7%)の8,553百万円であった。一方で、純行政コストは前年度比+585百万円(+6.7%)の9,261百万円であったため、財源が純行政コストを下回り、純資産残高は前年度比△675百万円となった。効率的な行政運営による費用の圧縮と併せて、地方税の徴収業務の強化による税収の増加、国・県の補助金の積極的な活用等により財源の確保に努める。●全体:一般会計等と比べて、国民健康保険税や介護保険料等が税収等に含まれることにより税収等が+2,385百万円(9,254百万円)、国や県の負担金等が含まれることにより国県等補助金が+3,320百万円(5,005百万円)となったため、財源は一般会計等比+5,706百万円(14,259百万円、前年度比△244百万円)となった。一方で、純行政コストも一般会計等と比べて+5,450百万円(14,711百万円、前年度比+204百万円)であったことから、本年度差額は一般会計等と比べて+255百万円(前年度比△449百万円)の△453百万円となり、純資産残高は一般会計等と比べて+254百万円(前年度比△418百万円)の33,741百万円となった。●連結:愛知県後期高齢者医療広域連合への国県等補助金が含まれることにより、財源は、一般会計等と比べて+9,155百万円(17,708百万円、前年度比△97百万円)となった。一方で、純行政コストも一般会計等と比べて+8,796百万円(18,057百万円、前年度比+301百万円)となったことから、本年度差額は一般会計等と比べて+358百万円(前年度比△399百万円)の△350百万円となり、純資産残高は一般会計等と比べて+6,733百万円(前年度比△330百万円)の35,062百万円となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

●一般会計等:業務活動収支は、前年度比△420百万円の+83百万円であった。これは、業務収入が9,073百万円(前年度比+215百万円)であった一方で、物件費等や移転費用の支出増加のため業務支出が8,988百万円(前年度比+638百万円)となったためである。また、多世代交流施設建設事業、自由通路等整備事業、防災行政無線整備事業等による投資活動支出1,665百万円(前年度比△256百万円)に対し、投資活動収入が919百万円(前年度比△310百万円)にとどまり、投資活動収支としては△746百万円(前年度比△54百万円)を計上している。財務活動収支については、投資活動支出に充てるための地方債の借入増加により、財務活動収入(1,406百万円、前年度比+494百万円)が財務活動支出(704百万円、前年度比△22百万円)を上回ったため、+703百万円(前年度比+516百万円)となった。現状は、業務活動収支については黒字を保っているものの、投資的支出の財源を基金の取崩しと地方債の借入に頼っている状況であり。今後、業務支出の増加を考慮すると、基金や地方債への依存度が高くなると見込まれるため、行財政改革を更に推進し、財政負担を軽減させる必要がある。●全体:国民健康保険税等の税収入や水道料金等の使用料収入が含まれていることから、業務活動収支は一般会計等と比べて+530百万円の613百万円(前年度比△369百万円)となっている。投資活動収支は、水道管の布設替や下水道整備事業による投資活動支出が多くなっているため、一般会計等と比べて△627百万円の△1,373百万円(前年度比△387百万円)となった。財務活動収支は、下水道事業債の借入により収入が支出を上回り、一般会計等と比べて+164百万円の867百万円(前年度比+355百万円)となった。●連結:海部地区急病診療所組合の診療報酬が業務収入に含まれること等から、業務活動収支は一般会計等比+660百万円の743百万円(前年度比△313百万円)となった。また、海部地区環境事務組合の処分場設備更新等により、投資活動収支は△1,598千円(前年度比△536百万円)に、財務活動収支は942百万円(前年度比+429百万円)となった。

財務書類に関する情報②(2018年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

①住民一人当たりの資産額【1050万円】住民一人当たりの資産額は、例年横ばいで推移(前年度比+0.1%)しており、類似団体平均値(1502)を大きく下回っている。これは、資産のうち特に道路や土地に取得価格が不明なものが多いことから、その大半を備忘価格1円で評価していることが影響しているためである。②歳入額対資産比率【3.36年】歳入額対資産比率は、類似団体平均値(3.75)0.39下回っている。また、前年度と比較すると△0.12となっているが、これはインフラ資産の減価償却等による資産の減少のほか、社会保障関係経費に係る国・県の負担金等の増加等により、歳入総額が増加しているためである。③有形固定資産減価償却率【59.8%】有形固定資産減価償却率、例年、類似団体平均値と同程度の数値となっている。前年度と比べると、多世代交流施設の建設により前年度比△0.2となったものの、60%に近い水準で推移しており、資産の老朽化が進んでいるため、公共施設等総合管理計画に基づき、適正な管理運営に努める。2.資産と負債の比率④純資産残高【71.6%】純資産残高は、類似団体平均値(74.0)とほぼ同程度の数値となった。純行政コストが税収等の財源を上回ったことから、純資産が減少(前年度比△675)した。純資産の減少は、将来世代が利用可能な資源を過去及び現在世代が費消して、その便益を享受したことを意味するため、引き続き行政コストの削減に努める。⑤将来世代負担比率【9.7%】将来世代負担比率は、類似団体平均値(13.7%)を下回っているが、前年度と比べると+1.9%となっている。これは、多世代交流施設建設事業、自由通路等整備事業等による地方債の発行額が増加しているためである。今後も、事業の見直しや事業費の縮減を進めるとともに、他の財源の確保等により、新規に発行する地方債の抑制し、将来世代の負担軽減を図る。3.行政コストの状況⑥住民一人当たりの行政コスト【24.6万円】住民一人当たりの行政コストが、類似団体平均値(31.8万円)を大きく下回っている。これは、住民一人当たりの資産額(上記①)が少ないことに連動して、減価償却費等が少なく抑えられているほか、その他のコストについても低く抑えられていることによるものである。しかしながら、前年度比で見ると+1.6万円となっており、年々増加しているため、今後もさらなる効率的な行政運営に努め、行政コストの縮減を図る。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

④純資産残高【71.6%】純資産残高は、類似団体平均値(74.0)とほぼ同程度の数値となった。純行政コストが税収等の財源を上回ったことから、純資産が減少(前年度比△675)した。純資産の減少は、将来世代が利用可能な資源を過去及び現在世代が費消して、その便益を享受したことを意味するため、引き続き行政コストの削減に努める。⑤将来世代負担比率【9.7%】将来世代負担比率は、類似団体平均値(13.7%)を下回っているが、前年度と比べると+1.9%となっている。これは、多世代交流施設建設事業、自由通路等整備事業等による地方債の発行額が増加しているためである。今後も、事業の見直しや事業費の縮減を進めるとともに、他の財源の確保等により、新規に発行する地方債の抑制し、将来世代の負担軽減を図る。3.行政コストの状況⑥住民一人当たりの行政コスト【24.6万円】住民一人当たりの行政コストが、類似団体平均値(31.8万円)を大きく下回っている。これは、住民一人当たりの資産額(上記①)が少ないことに連動して、減価償却費等が少なく抑えられているほか、その他のコストについても低く抑えられていることによるものである。しかしながら、前年度比で見ると+1.6万円となっており、年々増加しているため、今後もさらなる効率的な行政運営に努め、行政コストの縮減を図る。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

⑥住民一人当たりの行政コスト【24.6万円】住民一人当たりの行政コストが、類似団体平均値(31.8万円)を大きく下回っている。これは、住民一人当たりの資産額(上記①)が少ないことに連動して、減価償却費等が少なく抑えられているほか、その他のコストについても低く抑えられていることによるものである。しかしながら、前年度比で見ると+1.6万円となっており、年々増加しているため、今後もさらなる効率的な行政運営に努め、行政コストの縮減を図る。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

⑦住民一人当たりの負債額【29.8万円】住民一人当たりの負債額は、類似団体平均値(39.1万円)を下回っているものの、前年度比は+1.7万円となっており、増加傾向にある。これは、地方債発行額の増加によるところが大きく、今後も予定している地方債の発行により、増加を見込んでいる。⑧基礎的財政収支【△912万円】基礎的財政収支は、基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた投資活動収支の赤字額が業務活動収支の黒字額を上回ったため、△912万円となっている。前年度と比較しても△117万円となっており、赤字額が増加している。投資活動収支が赤字となっているのは、地方債を発行して、多世代交流施設建設事業や防災行政無線事業を行ったためである。5.受益者負担の状況⑨受益者負担比率【5.6%】受益者負担比率は、類似団体平均値(4.8%)と比較して、+0.8%となっており、高い水準で推移しているが、前年度と比較すると△0.3%と、微減傾向にある。今後は、公共施設の使用料の見直しを行う等、受益者負担の適正化に努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

⑨受益者負担比率【5.6%】受益者負担比率は、類似団体平均値(4.8%)と比較して、+0.8%となっており、高い水準で推移しているが、前年度と比較すると△0.3%と、微減傾向にある。今後は、公共施設の使用料の見直しを行う等、受益者負担の適正化に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,