静岡県焼津市：焼津市立総合病院の経営状況（2020年度）

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収録データの年度

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経営比較分析表（2020年度）

地域において担っている役割

②救急・小児・周産期・災害・精神などの不採算・特殊部門に関わる医療の提供志太榛原保健医療圏（構想区域）は、人口約46万人、高齢化率29.4％（2016年10月１日現在）となっており、圏域の11病院（一般病床2,392床、療養病床1,078床）のうち、地域医療支援病院である公立３病院（当院、島田市立総合医療センター、藤枝市立総合病院）が中心となって、がん、脳卒中、急性心筋梗塞等の４疾病（精神疾患を除く）及び救急医療、災害時における医療、周産期医療等の５事業に対応した医療提供体制を構築している。当院は焼津市の地域医療の中核的な役割を果たすとともに、地域周産期母子医療センター、地域がん診療連携推進病院、認知症疾患医療センターとして、圏域全体から患者を受け入れている。更に南海トラフ巨大地震による被害が想定される中、災害拠点病院として、重症患者の広域的な受け入れ、ＤＭＡＴ等の受け入れ及び派遣、市内救護病院や救護所との連携等の役割を担っている。

経常収支比率

医業収支比率

修正医業収支比率

累積欠損金比率

病床利用率

入院患者１人１日当たり収益

外来患者１人１日当たり収益

職員給与費対医業収益比率

材料費対医業収益比率

経営の健全性・効率性について

①新型コロナウイルス感染症の影響で医業収益減少を余儀なくされ、経常収支比率は100％を下回ったものの、前年度より好転した。②医業収支比率は、前述の影響により下降するも類似病院平均値と同水準にある。③累積欠損金比率については、平成26年度の会計制度改正により退職給付引当金を一括計上したことによる特別損失計上が起因している。④病床利用率は、これまで80％超を維持し類似病院平均値を上回ってきたが、令和２年度は新型コロナウイルス感染症の流行に伴う入院患者数の減により数値が下降した。⑤入院患者1人1日当たり収益は、令和２年度は上昇したが、循環器内科の常勤の専門医師など点数の高い診療を行う医師の不在や不足により、類似病院平均値を下回っている。⑥外来患者1人1日当たり収益も令和２年度に上昇したが、代謝内分泌内科、呼吸器内科の常勤の専門医師などの不足により、在宅療養指導管理料等の指導管理料が算定できないことなどから、類似病院平均値を下回っている。⑦職員給与費対医業収益比率は、類似病院平均値を上回って推移しているため、職員配置の見直し等を検討していく。⑧材料費対医業収益比率は、類似病院平均値を下回り、良好な数値で安定推移している。

有形固定資産減価償却率

器械備品減価償却率

１床当たり有形固定資産

老朽化の状況について

現病院建築年月日昭和58年4月法定耐用年数39年建物経過年数39年①現状の建物（後年増築部分は除く）については、上記の通りほぼフル償却にて、有形固定資産減価償却率は令和２年度に75％を超えて老朽化が進んでいることから、計画している新病院建設完了まで、年次ごと相応のメンテナンスを講じていく。②・器械備品減価償却率は、医療機械備品の老朽化により75％前後で推移していたが、平成30年度以降好転し、類似病院平均値よりも低い水準で推移している。・今後も、新病院建設基本計画等に沿った計画的な備品の更新を検討していく。③1床当たり有形固定資産は、類似病院平均値よりも低い数値で毎期推移しており現状過大投資ではないものの、医療の質を担保しながらバランスの採れた投資をしていく。

全体総括

・令和２年度の経常収支比率は新型コロナウイルス感染症蔓延による患者数の減が大きく起因し100％弱となった。・また累積欠損金比率が類似平均よりも高いことから、経営状況が厳しい状況にある。以上を鑑み、令和３年度に於いて既に着手している医療コンサルタントの提案や指導を基軸にしながら、経営体力の強化に向けた経営改善策を実行し、策定を予定している中期経営計画に基づき、着実に諸比率向上を具現化していく。また、志太榛原保健医療圏における公立4病院の相互補完体制を図り、地域完結型医療の更なる推進に努めていく。

出典：経営比較分析表,

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