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山梨県甲府市:特定地域生活排水処理の経営状況(2023年度)

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経営比較分析表(2023年度)

収益的収支比率

企業債残高対事業規模比率

経費回収率

汚水処理原価

施設利用率

水洗化率

経営の健全性・効率性について

本市の特定地域生活排水処理事業は、「甲府・峡東地域循環型社会形成推進地域計画」に基づき、甲府市浄化槽事業として平成23年度から平成27年度まで浄化槽の設置を行った。事業費については、平成27年度までは浄化槽の新設工事のため多額となっており、浄化槽設置終了後の平成28年度以降は浄化槽の維持管理を行っている。①収益的収支比率については、平成28年度までは営業費用に対し使用料収入及び一般会計からの繰入金などによる収益的収支のみであったため100%となっていたが、平成29年度より浄化槽新設に要した費用の地方債償還金償還が始まったため資本的収支が発生し、いずれの年度も前年度対比で比率減となっている。また、一般財源からの繰入金への依存度が高い状況が続いている。使用料の適正性を示した⑤経費回収率については、令和5年度は修繕費や公営企業会計移行などの費用の増加により全国平均と比べると低い状況となっている。費用の効率性を示した⑥汚水処理原価については、前述と同様に修繕費や公営企業会計移行などの費用の増加により、依然として全国平均を上回っている。浄化槽処理能力と一日平均処理水量を比較した数値となる⑦施設利用率については、令和5年度は前年度と同率となっており、過疎化に伴う影響などから依然として全国平均より低くなっている。

老朽化の状況について

本市が管理する浄化槽の約半数は、甲府市浄化槽事業により新設した浄化槽であることから、経過年数が少ないため老朽化の進行は少なく修繕については軽微なものがほとんどである。しかし、残りの約半数は寄附採納した浄化槽であるため、設置してから20年以上経過した浄化槽も多いことから、器具等の不具合の件数も多く、大規模な修繕を要する事案も想定される状況である。このことから、今後においても、老朽化の進行に伴い修繕に係る費用は増額していくものと考えられる。

全体総括

甲府市浄化槽事業は、本市の北部山間地域限定の特定地域生活排水事業であり、平成23年度に事業を開始し、浄化槽の新設及び既存浄化槽の寄附採納を進め、平成27年度をもって浄化槽の新設は終了した。現在の事業内容は浄化槽の維持管理のみであることから、事業費は減少したものの新設した浄化槽に係る市債残額は多額であり、市債の償還が長期間にわたって継続していくのが実情である。また、修繕に係る費用についても、施設の老朽化に伴い増額していくことが予想され、今後も一般会計からの繰入金が必要不可欠である。このため、既存浄化槽の維持管理を適切に行いながら総合的に収支の改善を図り、繰入金の低減に努めることとする。

出典: 経営比較分析表,

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