北海道青森県岩手県宮城県秋田県山形県福島県茨城県栃木県群馬県埼玉県千葉県東京都神奈川県新潟県富山県石川県福井県山梨県長野県岐阜県静岡県愛知県三重県滋賀県京都府大阪府兵庫県奈良県和歌山県鳥取県島根県岡山県広島県山口県徳島県香川県愛媛県高知県福岡県佐賀県長崎県熊本県大分県宮崎県鹿児島県沖縄県

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地方財政ダッシュボード

栃木県日光市の財政状況(2020年度)

🏠日光市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度📅2011年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

当市の財政力指数は0.59で、類似団体の平均(0.72)や県内市町の平均(0.74)を下回り、県内14市中13番目と低い位置にある。特に、市税の徴収率は、91.7%と前年度より1.5ポイント減少し、14市中13番目の状況にある。土地の評価額の漸減や、人口減少及び高齢化の進展に伴い課税額の増が見込めないなか、更なる市税の徴収率向上に努めるとともに、「日光市まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づき、企業誘致を推進し、工場などの進出による法人市民税や固定資産税、雇用の場の確保により個人市民税の増収を図ることで、歳入の確保に努めていく。

経常収支比率の分析欄

当市の経常収支比率は98.0%となり、県内14市の中で唯一100%を超えた前年から2.2ポイント改善したが、類似団体と比較して依然として高い状況にある。改善した主な要因は、新型コロナウイルスの影響による市税収入の減少が猶予特例債等によって補填でき、地方消費税交付金の増など、経常一般財源が増加した一方で、新型コロナウイルス感染症拡大による事業の停止や施設の閉鎖のほか、外出控えなどの影響もあり、経常経費が減少したことによる。依然として高い主な要因は、合併に伴い増大した職員数について適正化等を進めてきたが、会計年度任用職員制度開始の影響もあり、経常経費に占める人件費の割合が依然として高いこと、また、本庁舎建設事業等で借り入れた合併特例債の元金償還の開始などにより公債費が増大したことによる。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

当市の人口1人当たり人件費・物件費等の決算額は187,037円で、類似団体の平均(124,556円)や県内市町の平均(126,954円)をともに大きく上回っている。特に、職員数が類似団体と比較して多いため、人口1人当たりの人件費が高くなっている。その理由は、広域圏の合併により一部事務組合の事業を引き継ぎ、単独自治体として消防事業を実施していることや、市域が広いため居住地や観光施設が点在し、分散型の消防防災体制を整える必要があり、類似団体と比較して消防関係職員が多いことなどが挙げられる。今後、職員定員適正化計画に沿って職員数の適正化を図るとともに、物件費等についても、中長期の財政見通しに基づき積極的に削減を進め、毎年度予算編成時に抑制を図っていく。

ラスパイレス指数の分析欄

ラスパイレス指数は、平成20年度以降、概ね横ばい(国家公務員の時限的な給与改定特例法による措置がないとした場合)で推移している。これまで、55歳以上の原則昇給停止や昇格制度の見直し、現給保障の段階的廃止など国と同等の措置を行うことにより、全国市平均とほぼ同水準を維持している。今後も、より一層の給与の適正化を図るとともに人件費の縮減に努めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

当市の人口千人当たりの職員数は11.14人で、類似団体の平均(6.38)や、県内市町の平均(6.85)を上回っている。これは、広範囲な市域の行政サービスを維持していくため、地域の行政拠点施設を設置していることに加え、消防防災体制も分散型としていることから、類似団体に比べ職員数が多くなっている。当市の財政状況等に鑑み、職員数削減に取り組み、令和3年4月時点で、平成18年4月に比べ323人(普通会計)と職員定員適正化計画を超えて職員を削減しているものの、人口減少も進み思うような効果が表れていない。今後も、行政サービスの維持向上に努めながら、職員定員適正化計画に基づき、退職者補充率の抑制などにより、職員数の削減を行い、より適切な定員管理に努めていく。

実質公債費比率の分析欄

当市の実質公債費比率(過去3か年平均)は7.3%で、類似団体の平均(6.2%)や県内市町の平均(5.2%)を上回っている。標準税収入額等や普通交付税額の増により分母となる標準財政規模は増加したものの、合併特例事業債や臨時財政対策債などの元利償還金の増加に加え、災害復旧費等に係る基準財政需要額の増加により分子である公債費の実質負担額が分母以上に増加したため、単年度の数値は平成29年度に比べ2.3ポイント悪化し、過去3か年平均では0.8ポイント悪化した。今後、緊急度や住民ニーズを的確に捉えた事業の選択と集中を徹底し、地方債残高に注視しながら公債費と新規発行額の均衡を図りつつ、交付税措置のある市債を計画的に活用して適正な財政運営に努めていく。

将来負担比率の分析欄

当市の将来負担比率は65.9%で、類似団体の平均(20.4%)や県内市町の平均(7.7%)をともに上回っている。合併特例債や臨時財政対策債などの償還が進んだことによる市債残高の減少により将来負担額は減少しているが、市債残高の減少に伴い交付税算入額も減少することや、都市計画税、公営住宅使用料などの充当可能財源等が減少していることから、前年度と比較して0.1ポイントの改善に留まった。地方債への過度な依存を避けなければならないことから、今後はより一層、緊急度や住民ニーズを的確に捉えた事業の集中と選択を徹底し、交付税措置のある市債の計画的な活用を図りながら、適正な財政運営に努めていく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

広範囲な市域の行政サービスを維持していくため、地域の行政拠点施設を設置し、さらに消防防災体制も分散型としていることから、類似団体に比べ職員数が多くなっている。しかし、当市の著しい人口減少や厳しい財政状況に鑑みれば、効率的で効果的な行政経営に取り組まなければならない状況にあり、そのため、令和3年4月時点で、平成18年4月に比べ323人(普通会計)の職員を削減した。今後も、行政サービスの維持向上に努めながら、職員定員適正化計画に基づき、退職者補充率の抑制などにより、職員数の削減を行うとともに、効率的な行政組織体制や事務合理化による時間外勤務の抑制により、人件費の削減に努めていく。

物件費の分析欄

当市は、市域が広く公共施設が点在し、世界的な観光地が存在することから市営の観光施設を多く有し、その管理に要する費用が大きく、物件費に係る経常収支比率が高くなっている。また、職員定員適正化計画により職員数の削減を進めるなかで、民間委託、指定管理者制度の導入を行っていることなどから、物件費は増加傾向にあり、今後も抑制に努める必要がある。令和2年度は、会計年度任用職員制度により、物件費から人件費への移行などから、前年度比2.9ポイント減少した。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率は、類似団体や県内市町と比較するとやや低い状況にある。令和2年度は、ひとり親世帯臨時特別給付金事業費や子育て世帯臨時特別給付金支給事業費の増があったものの、民間保育園等運営費が減となったことから増加幅が小さく、前年度比で1.2ポイント減少した。しかし、障がい者自立支援給付費の増、こども医療費の助成における高校3年生相当までの現物給付方式など、市独自の社会保障施策の実施から事業費は増加傾向にある。そのため、今後、単独扶助費の見直しを図ることにより、上昇を抑制していく必要がある。

その他の分析欄

維持補修費、投資及び出資金、貸付金、繰出金などに係るその他の経常収支比率は、類似団体と比較して低くなっている。これは、主に投資及び出資金や貸付金などに係る比率が低いことが理由として挙げられる。令和2年度は12.3%で、前年度比0.4ポイント減少しているが、下水道事業が公営企業会計へ移行し、繰出金のうち赤字繰出分が補助費等へ移行したことが主な要因である。一方で、除排雪費や道路橋りょうの維持管理費等は増加していることから、今後も公共施設マネジメント計画により、施設保有量の適正化を推進し、維持補修費の平準化を図っていく。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率は、類似団体や県内市町と比較して大幅に低くなっている。これは、広域合併により一部事務組合の事務を引き継いだため、一部事務組合への負担金(補助費等に区分されるもの)が大幅に減少したことによるものである。なお、補助金については、住民サービスの低下を最小限に抑えつつ、補助制度をより効果的・合理的に運用することを目的として、令和元年度に「日光市補助金の適正化に関する基準」を策定し、第三者による補助金適正化推進委員会において各補助金の効果検証・評価を実施するなど、適正化の推進を行っている。

公債費の分析欄

公債費は、合併特例事業債の積極的な活用などにより、類似団体や県内市町と比較し高い状況にある。庁舎整備事業などの大型事業のため発行した多額の合併特例事業債の償還が本格化してきたことや、臨時財政対策債発行額の増加などから、公債費はしばらく高止まりが予想される。しかし、地方債への過度な依存を避けるため、緊急度や住民ニーズを的確に捉えた事業の集中と選択を徹底し、交付税措置のある市債の計画的な活用を図りながら、適正な財政運営に努めていく。

公債費以外の分析欄

人件費や物件費の経常収支比率が類似団体と比較して高い状況にある一方で、扶助費や補助費等が類似団体と比較して低いため、公債費以外の経常収支比率は類似団体より3.0%低い75.4%となった。令和2年度は、新型コロナウイルスの影響により市税収入は減少したものの猶予特例債等の国からの補填措置や地方消費税交付金の増などにより経常一般財源は増加し、感染症拡大による事業の停止や施設の一時閉鎖などの影響もあり、物件費、扶助費に係る経常経費一般財源が減少したため、3.1ポイント改善する結果となった。しかしながら、高止まりする公債費や地域経済の先行きも不透明であり、人件費、物件費及び補助費等といった経常経費の圧縮により、経常収支比率の更なる改善を図る必要がある。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費は、市民一人当たり164,758円と前年度と比較し90,049円の増となっている。令和2年度は庁舎整備事業が終盤となり事業費は減となったが、新型コロナウイルス感染症対策のため特別定額給付金支給事業費等により大きく増となった。なお、庁舎整備事業費の減に伴い類似団体や県内市町の平均との乖離幅は縮小傾向にある。消防費は、市民一人当たり22,133円と類似団体や県内市町の平均を大きく上回っているが、これは市域が広いため居住地や観光施設が点在し、分散型の消防防災体制を整える必要があることから、類似団体と比較して消防関係職員が多いことによる。商工費は、市民一人当たり45,723円と類似団体平均と比較して高い水準にあるが、これは中小企業の事業資金調達を容易にし、経営安定と振興を図るため金融対策に力を注いでいることや、観光客誘致のための様々なプロモーション事業に取り組んでいること、数多くの市営観光施設を所有し、その維持補修に多くの経費がかかることなどの理由が挙げられる。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、市民一人当たり639,249円となっている。主な構成項目である人件費は、市民一人当たり101,682円となっており、類似団体や県内市町の平均を大きく上回っている。これは、広範囲な市域の行政サービスを維持していくため、地域の行政拠点施設として地区センター方式を採用し、さらに消防防災体制も分散型としていることから、類似団体に比べ職員数が多くなっていることによる。しかし、当市の著しい人口減少や厳しい財政状況に鑑みれば、効率的で効果的な行政経営に取り組まなければならない状況にあり、そのため、令和2年4月時点で、平成18年4月に比べ323人(普通会計)の職員を削減した。今後も、行政サービスの維持向上に努めながら、職員定員適正化計画に基づき、退職者補充率の抑制などにより、職員数の削減を行うとともに、効率的な行政組織体制や事務合理化による時間外勤務の抑制により、時間外勤務手当の削減に努めていく。また、物件費は市民一人当たり81,992円、公債費も市民一人当たり73,744円と類似団体や県内市町の平均を大きく上回っており、コストがかなり高い状況となっている。これは、国際観光都市である当市が有する数多くの観光施設の維持管理や指定管理に要する経費が多いことや、これまでに合併特例債や過疎債などの活用して庁舎整備事業や観光施設整備事業等を実施してきたために増加したものである。今後は、中長期の財政見通しに基づき、後年度の負担を考慮しながら、事業の緊急度や市民ニーズを的確に捉えて事業を進めていく。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

財政調整基金の残高については、平成22年度に新規積立て(400百万円)を行って以降、ほぼ横ばいで推移していたが、平成28年度以降は財源不足により毎年取崩しを行ってきた。令和2年度においては、最終的な収支の状況から取崩しを取りやめたが、標準財政規模の増加により、前年度比0.26ポイントの減となった。実質収支額及び実質単年度収支については、平成26、27年度は普通交付税や地方消費税交付金の増などにより改善傾向にあったが、平成28年度に財政調整基金を取り崩して以降、悪化傾向に転じた。令和2年度は市税の減収の一方で、新型コロナウイルス対応地方創生臨時交付金などの国からの補填措置があったことなどから、実質収支の黒字幅が増加し、実質単年度収支も財政調整基金を取り崩しを取りやめたことで黒字に転じ、前年度と比べ改善されている。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

平成19年度以降、いずれの年度においても、全ての会計において黒字であり、連結実質赤字額は生じていない。なお、黒字額の割合のほとんどを水道事業会計と一般会計で占めている。令和2年度における実質公債費比率や将来負担比率などの指標については、財政健全化法の基準で見ると、いずれの指標も早期健全化基準を下回っており、早期に健全化のための対応を必要とする状況ではないといえる。しかし、平成28年度以降、比率は悪化傾向にあり、交付税への依存が高いことや地方債の残高が多いことなど厳しい財政運営を迫られている。今後も、指標の動向などに注視しながら、財政の健全化を図っていく。※令和2年度の「その他会計(黒字)」に含まれる会計後期高齢者医療事業特別会計、公共用地先行取得事業特別会計

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

令和2年度における実質公債費比率の分子は1,692百万円となっている。元利償還金等(A)においては、地方道路等整備事業債などの償還終了がある一方、合併特例債や臨時財政対策債の増などにより、全体で元利償還金が252百万円の増加となっているほか、分流式下水道に要する経費などで下水道事業に係る繰入金が増となるため、全体で増額となった。一方、元利償還金等から控除する算入公債費等(B)においては、合併特例事業債や過疎対策事業債、臨時財政対策債など交付税措置の割合が高い地方債を活用したため、算入公債費等が増となっている。これらの理由により、実質公債費比率の分子は前年度より229百万円の増となっている。今後、緊急度や住民ニーズを的確に捉えた事業の選択と集中を徹底し、地方債残高に注視しながら公債費と新規発行額の均衡を図りつつ、交付税措置のある市債を計画的に活用して適正な財政運営に努めていく。

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

令和2年度における将来負担比率の分子は13,417百万円となっている。将来負担額(A)においては、辺地債、猶予特例債、減収補てん債などの新たな発行はあるものの、合併特例債や臨時財政対策債などの償還が進んだことにより現在高は減少し、全体で1,396百万円の減となっている。一方、将来負担額から控除する充当可能財源等(B)においては、財政調整基金や減債基金の取り崩しを行わず森林整備基金等の積み立てを行ったため充当可能基金は増となったが、都市計画税、公営住宅使用料などの充当可能特定収入が減少し、市債残高の減少に伴い交付税算入額も減少することから、全体で1,703百万円の減となった。これらの理由により、将来負担比率の分子は前年度より306百万円の増となっている。地方債への過度な依存は避けなければならないことから、緊急度や住民ニーズを的確に捉えた事業の選択と集中を徹底し、交付税措置のある市債の計画的な活用を図りながら、適正な財政運営に努めていく。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

(増減理由)・基金への積み立ては、一般寄附や、預金利子、債券運用よる運用益等を各基金に積み立てた一方、日光産業団地区画購入事業費用や公共施設マネジメント計画に基づく公共施設の統廃合や長寿命化事業のため「合併振興基金」から1,103百万円、高齢者の福祉施策の推進に資する事業に要する経費に充てるため「高齢者福祉基金」から40百万円などを取り崩した結果、基金全体として1,027百万円の減となった。(今後の方針)・市町村合併による財政措置が終了し、今後来たるべき人口減少による市税の減収や公共施設の老朽化に伴う大規模事業に備えつつ、行政サービスの水準を維持し、持続可能な行政運営を行うため、「日光市長期財政の収支見通し」(令和3年10月改定)に基づく財政健全化の取組みを着実に実施し、「第2次日光市総合計画後期基本計画」の目標とした財政調整基金残高15億円以上(標準財政規模の5%)を毎年度確保していく。

財政調整基金

(増減理由)・新型コロナウイルス感染症拡大による経常的な事業の実施見送りや、コロナ対策の国庫支出金の増加、地方消費税交付金の増加などの要因により収支が改善し、最終的な収支の状況から取り崩しを取りやめ、一般寄附金、預金利子の積立てを行った。(今後の方針)・後年度の財源不足や災害等の緊急事態に備えるため、中長期の財政見通しに基づき計画的に基金残高を管理していく。

減債基金

(増減理由)・新型コロナウイルス感染症拡大による経常的な事業の実施見送りや、コロナ対策の国庫支出金の増加、地方消費税交付金の増加などの要因により収支が改善し、最終的な収支の状況から取り崩しを取りやめ、預金利子の積立てを行った。(今後の方針)・庁舎整備事業など大型施設整備の財源として多額の合併特例事業債を発行したことから、公債費はしばらく高止まりすることが予想され、これに備えて積立てを行ってきた。庁舎整備事業などの元金償還が本格化する令和3年度以降の公債費の財政負担を考慮し、「減債基金」の有効活用を図っていく。

その他特定目的基金

(基金の使途)・合併振興基金:市民の連帯の強化、地域振興並びに公共施設の適正配置及び長寿命化に関する事業の推進・庁舎整備基金:庁舎の整備に関する事業・高齢者福祉基金:高齢者の福祉施策の推進に資する事業・ふるさと日光応援基金:日光市をふるさととして応援しようとする個人又は法人その他の団体からの寄附金の適正な管理・地域医療整備基金:市内における産科又は小児科の医療施設又は設備の整備等、地域における医療体制の充実を図るための事業(増減理由)・合併振興基金:日光産業団地区画購入事業費用や公共施設マネジメント計画に基づく公共施設の統廃合や長寿命化事業のため、1,103百万円を取り崩したことによる減少・庁舎整備基金:庁舎の整備に要する経費に充てるため16百万円を取り崩したことによる減少・高齢者福祉基金:高齢者の福祉施策の推進に資する事業に要する経費に充てるため40百万円を取り崩したことによる減少・ふるさと日光応援基金:ふるさと応援寄附金の返礼品取扱事業者数を充実したことに伴う寄附金の増加(今後の方針)・合併振興基金:公共施設マネジメント計画に基づく公共施設の統廃合や長寿命化事業の実施などに伴い、今後も減少が見込まれる。・庁舎整備基金:老朽化した庁舎の整備等の実施に伴い、今後も減少が見込まれる。・高齢者福祉基金:高齢者福祉施設等の整備・改修に伴い、今後も減少が見込まれる。・ふるさと日光応援基金:令和3年度ふるさと寄附金の返戻事業に充てるため、333百万円の取り崩しが見込まれる。・地域医療整備基金:令和元年度末時点において、産科又は小児科の医療施設・設備の整備予定は無いため、増減は無い見込み。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

令和2年度決算における有形固定資産減価償却率は72.4%であり、前年度比+1.2ポイント増加した。これは、庁舎の建替など大規模な整備事業が一段落し、新庁舎の減価償却が開始されたことなどが理由と考えられる。また、類似団体平均と比べると9.6ポイント高く、日光市の所有する施設の老朽化が著しいことを示している。

債務償還比率の分析欄

庁舎の建替などの大規模な整備事業が一段落するため、地方債現在高は平成30年度をピークに今後は減少傾向となる見込みである。これに伴い債務償還比率も減少が見込まれ、令和2年度は前年度比-140.6ポイントとなったが、類似団体と比べ1.5倍程度と依然として高い水準にあるため、市債の適正管理に努めていく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

令和2年度決算における将来負担比率は65.9%、有形固定資産減価償却率は72.4%であり、類似団体平均と比較して高い値で推移している。これは、合併特例債など有利な地方債を利用して施設等の更新を行っているが、既存建物の解体や統廃合が進んでいないため、減価償却費が累積していることが一因と考えられる。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率について、地方債の現在高の減や標準財政規模の増により、前年度比▲0.1ポイントとなった。実質公債費比率について、合併特例債や臨時財政対策債に係る元利償還金の増により、前年度比+0.8ポイントとなったが、来年度も庁舎整備に係る元利償還金の増などににより実質公債費比率は増加する見込みである。

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

本市は合併により広大な面積を有し、市内全域の行政サービスを維持するために公共施設やインフラ設備を類似団体よりも多く有することから、一人当たりの施設面積や道路延長が類似団体平均を超える傾向にある。有形固定資産減価償却率については、【道路】、【認定こども園・幼稚園・保育園】、【児童館】が類似団体平均と比較して数値が高く、老朽化が顕著となっている。【道路】については、供用を開始している市道の道路改良や舗装補修を進めているが、老朽化進んだ道路が多いことから有形固定資産減価償却率は前年度比+0.5ポイント悪化した。【認定こども園・幼稚園・保育園】及び【児童館】については、民間事業者の施設整備に対して補助を行い、市有施設は廃止・解体を進めているため現在残っている施設は老朽化が進み、有形固定資産減価償却率が極めて高い数値となっている。【公民館】については、合併(平成18年)以降、各公民館の建替が行われてきたことで新しい施設が多く、類似団体と比べて資産減価償却率が低い傾向にあり、令和2年度は2施設の建替が実施されたことで資産減価償却率が3.3ポイント改善した。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

一人当たりの面積については、【消防施設】が類似団体平均と比べて4倍程の面積であり、これは広大な市域の火事や災害に対応するため3消防署、5分署、1分遣所を有することが理由である。有形固定資産減価償却率については、【市民会館】は類似団体平均と比較して数値が極めて高く老朽化が顕著であるが、【庁舎】は各行政センター及び本庁舎の建替が行われたことによりここ数年にかけて大幅な改善がみられる。【市民会館】については、各施設について建替及び統廃合の検討が行われている。

財務書類に関する情報①(2020年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度末から570百万円の減(▲0.5%)、負債総額925百万円の減(▲2.5%)となった。資産金額の変動が大きいものは事業用資産、インフラ資産及び基金である。事業用資産は、産業団地土地購入による資産の増(+1,000百万円)や公民館の更新整備に伴う資産の増(587百万円)がある一方で、旧庁舎解体による資産の減(▲891百万円)や養護老人ホーム施設(晃明荘)の譲渡による減(▲1,001百万円)により、183百万円減少した。インフラ資産は道路整備による資産の増(+825百万円)が減価償却による資産の減少(190百万円)を上回ったこと等から526百万円増加した。基金(固定資産)は、産業団地土地購入のために取り崩したこと等により、1.028百万円減少した。負債金額の変動が最も大きいものは地方債であり、これは本庁舎整備事業が令和元年度までに工事の大部分を完了したことにより令和2年度に発行した地方債が令和元年度と比べて4億円ほど減少したことや本庁舎整備に係る地方債の償還が開始されたことなどから固定負債が974百万円減少した。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、純経常行政コストは41,741百万円(前年度比+8,031百万円)となり、経常費用の変動が大きいものは業務費用(人件費、物件費)、移転費用(補助金等)である。人件費は会計年度任用職員に係る人件費の増などから922百万円増加し、物件費は『賃金』の廃止などから537百万円減少した。補助費等は新型コロナウイルス感染症緊急経済対策として実施した特別定額給付金などから8,208百万円増加した。臨時損失は、資産売却損が減となる一方で、令和元年度台風17号に係る災害復旧事業費の増により、37百万円増加し、臨時利益は、資産売却益の減により114百万円減少したため、純行政コストは42,222百万円となり、前年度と比べて8,182百万円の増となった。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(44,680百万円)が純行政コスト(42,222百万円)を上回ったことから、本年度差額は2,458百万円となり、純資産残高は51,703百万円(前年度比+354百万円)となった。令和2年度は、新型コロナウイルス感染症感染のまん延により一部の経常的な事業の実施が見送られたこと、また感染対策事業については地方創生臨時交付金等の財源により実施したことなどから本年度差額は2,458百万円となった。固定資産は産業団地土地購入などにより有形資産等の増加は4,193百万円であったが、固定資産償却、土地購入に係る合併振興基金の取り崩し、養護老人ホーム施設の無償譲渡などによる資産の減少により、固定資産等形成分の本年度純資産変動額は1,910百万円の減少となり、純資産残高は354百万円の増加となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、本年度末資金残高は1,070百万円、前年度と比べて330百万円の増となった。業務活動収支は、新型コロナウイルス感染症のまん延により一部の経常的な事業の実施が見送られたことや消費税率引き上げに伴う地方消費税交付金の増などにより、3,957百万円(前年度比+1,467百万円)となったが、公民館の更新整備や国民体育大会開催に向けたスポーツ施設の改修事業等により投資活動収支は▲2,080百万円(前年度比▲368百万円)となった。財務活動収支は、地方債償還支出が合併後最大の5,671百万円となった一方で、前年度に比べ地方債等発行収入が抑制されことにより、1.547百万円(前年度比622百万円)となった。

財務書類に関する情報②(2020年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は、広大な市域に合併前の旧市町村ごとに整備した公共施設があるため、保有する施設面積は全国平均よりも多いが、保有する施設は老朽化が著しく減価償却が進んでいることなどから、類似団体を下回っている。前年度と比べて資産合計は▲57,048万円(▲0.5%)と減少しているものの、人口の減少割合が大きく(▲1,246人、▲1.5%)、住民一人当たり資産額は1.4万円の増となった。歳入額対資産比率は、特別定額給付金に伴う国庫支出金などにより歳入総額が大幅に増加(+9,778百万円、+23.0%)したことにより、前年度から▲0.5ポイントとなった。有形固定資産減価償却率は類似団体平均より高い水準にあるため、引き続き公共施設マネジメント計画に基づき、計画的な予防保全による長寿命化や施設の統廃合を進めるなど、公共施設の適正管理に努める必要がある。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、現在保有する資産のうち、過去および現在の世代が負担してきた割合を示す指標であり、類似団体平均を大きく下回っているものの、前年度と比べて+0.5ポイントの46.2%となっている。なお、負債の三分の一を占める臨時財政対策債は、地方交付税の不足を補うために特例的に発行している地方債だが、これを除いて算出した純資産変動比率は64.0%である。将来世代負担比率は、現在保有する資産に対し、将来世代が負担する地方債残高(臨時財政対策債を除く)の割合を示し、類似団体平均を大きく上回っているものの、令和2年度の地方債発行の抑制により、前年度と比べて▲0.4ポイントの39.6%となっている。世代間の均衡を保ち、将来に過度な負担を残さないために、新規発行債の抑制と地方債残高の圧縮に努める必要がある。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、類似団体平均を上回っており、昨年度に比べて10.9ポイント増加している。令和2年度について、特別定額給付金により移転費用が前年度から8,291百万円増加し、純行政コストも8,182百万円の増加となった。特別定額給付金を除いた場合、物件費等が純行政コストの3割を占めており、減価償却費が行政コストを高めている要因の一つとなっている。公共施設マネジメント計画に基づき、計画的な予防保全による長寿命化や施設の統廃合を進めるなど、公共施設の適正管理に努める必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は類似団体平均を大きく上回り、前年度と同じ75.1万円である。その主な要因は、庁舎整備事業が令和元年度までに工事の大部分を完了したことにより地方債発行額4,124百万円と前年度に比べて410百万円減少し、また元金償還額(5,671百万円)を下回ったため、負債合計が925百万円(▲1.5%)減少したが、人口も1,246人(▲1.5%)減少したことで住民一人当たり負債額は増減なしとなった。基礎的財政収支は、公民館の更新整備等により投資活動収支は赤字であったが、新型コロナウイルス感染症のまん延により一部の経常的な事業の実施が見送られたことなどにより業務活動収支は黒字であったため、前年度に比べ1,420百万円の増となった。令和2年度は類似団体平均を上回る結果となったが、これは類似団体に比べて観光関連事業が多く、それらの実施見送りによるコスト減が大きく影響したためと考える。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

令和2年度について、経常収益は建物共済災害共済金などの一時的な増加により158百万円(+11.0%)の増となったが、経常費用には特別定額給付金が含まれるため8,189百万円(+23.3%)の大幅な増となり、受益者負担比率は前年度よりも0.4ポイント減少した。類似団体平均を0.3ポイント上回る結果となったが、これは経常収益の一時的な増加が主な要因であり、経常的な数値の改善にあたっては経常経費の抑制および受益者負担の適正化等を着実に実行していく必要がある。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,