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財政力指数の分析欄近年、市内輸出産業の好調や復旧復興関連事業に伴う市内建設産業の好調が税収を押し上げていたものの、コロナによる景気低迷や復旧復興関連事業の減少に伴う減収により、基準財政収入額が減少傾向(令和2年度46.1億円→令和3年度42.3億円)にある。また、今後も、少子高齢化の影響等による人口減少(令和2年度末31,840人→令和3年度末31,031人)などの税収のマイナス要因が見込まれることから、歳出経常経費の徹底的な削減を図るとともに、税収増加への施策の重点化など、収納率向上に努め、財政の健全化を図る。 | 経常収支比率の分析欄歳入(経常的経費)では、地方税の増(187,978千円)や地方交付税の増(620,583千円)等に伴い、経常的収入全体で939,438千円の増加となった。歳出(経常的経費)では、令和2年度に実施した繰上償還の影響による公債費の減(-415,112千円)等があったものの、人件費の増(434,950千円)や光熱水費や委託料の増加などに伴う物件費の増(178,817千円)等などにより、経常的支出全体では419,639千円の増加となった。この結果、前年度と比較して経常収支比率は4.2ポイント減少したものの、類似団体平均、全国平均及び岩手県平均を大きく上回っている。今後は、市税等の収入確保及び歳出の抑制に努めるとともに、公債費の繰上償還を実施し、経常収支比率の改善に努める。 | 人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄人件費は、職員給(-220,765千円)、退職手当組合負担金(-38,582千円)、議員報酬(-4,804千円)などにより、人件費全体として215,125千円の減少となった。物件費は、上中島市営住宅解体事業(117,700千円)、ふるさと便お届け事業(140,871千円)、新型コロナウイルスワクチン予防接種事業(247,366千円)などにより、物件費全体として188,850千円の増加となった。また維持補修費の増加に加えて人口減の影響により、前年度と比較して、人口1人当たり人件費・物件費等決算額は6,971円の増加となり、類似団体平均、全国平均及び岩手県平均を上回っている。近年は復旧・復興事業による施設の再建に伴う維持管理費が発生しているが、公共施設の集約化などにより、コスト削減に努める。 | ラスパイレス指数の分析欄ラスパイレス指数は昨年と比較して横ばいであり、類似団体の平均を下回っている。今後は、人事評価結果の一層の活用を図ることで、業績・能力に応じた職務・職責構造への転換を図り、給与体系の適正化に努める。 | 人口1,000人当たり職員数の分析欄東日本大震災に関連し、復興事業の収束やラグビーワールドカップ2019開催後も、増加した施設や多様なサービスを維持するため、近年は類似団体平均及び岩手県平均を上回る状況が続いている。今後は、人口減に見合った職員数に向けて、定員適正化計画において定める職員目標数値以上に削減するよう努める。具体的には、新市庁舎への移転を見据え、釜石市DX基本計画に基づいて業務の大幅な効率化を図るとともに、第3次釜石市人材育成計画に基づいて職員の意識変革を図ることで、人員減となっても市民サービスの向上を実現できる体制づくりに努める。 | 実質公債費比率の分析欄令和2年度に繰上償還を実施したことに伴い、元利償還金が減少したこと等により、単年度比率が16.9%から10.6%に減少したため、3年平均値も15.8%から14.4%に減少したが、類似団体平均、全国平均及び岩手県平均を上回っている。近年は公共施設等の建設など、大規模な市債発行を行っていることから、今後は事業計画の整理や縮減を図りつつ、公営企業債の元利償還に対する繰入金などの抑制に努める。 | 将来負担比率の分析欄将来負担比率を算出する式の分子となる将来負担額が減少(721,809千円)し、充当可能基金が増加(222,767千円)したことに伴い、分子全体においては、839,304千円の減少となった。充当可能財源等が将来負担額を超えたのは、東日本大震災の復旧・復興事業に係る震災復興特別交付税の精算金を多く含む財政調整基金が充当可能基金を押し上げているためである。今後は税収等も人口減少等により伸び悩みが避けられないことから、地方債や義務的経費の削減など財政健全化を図り、比率の上昇の抑制に努める。 |
人件費の分析欄経常経費充当一般財源の人件費は、復興事業の進捗に伴い経常的な業務が増加したため、経常収支比率は1.9ポイントの増加となった。類似団体平均、全国平均及び岩手県平均を上回っているため、直営で運営している施設に対する職員配置の見直しを行い、施設の統廃合を含め、民間への委託や効果的な職員体制の構築を図り、市民ニーズを反映した組織体制に基づき削減に努める。 | 物件費の分析欄学校給食センター解体事業(-58,159千円)の減少、上中島市営住宅解体事業(117,700千円)、ふるさと便お届け事業(140,871千円)、新型コロナウイルスワクチン予防接種事業(247,366千円)などにより、物件費全体として(188,850千円)の増加となり、経常経費充当一般財源の物件費は、前年度比12%の増加となっているため、経常収支比率は0.4ポイントの増加となった。これは、復旧・復興事業により設置した施設の維持管理費が膨らんでいるためであり、公共施設の集約化などにより、コスト削減に努める。 | 扶助費の分析欄住民税非課税世帯等臨時特別給付金給付事業(434,200千円)、子育て世帯等臨時特別支援事業(337,900千円)、生活保護費(18,238千円)の増加などにより、扶助費全体として650,420千円の増額となり、経常経費充当一般財源の扶助費は、前年度比20.3%の増加となったため、経常収支比率は0.8ポイントの増加となった。岩手県平均を下回っているものの、今後は、市単独の医療給付費の増加なども見込まれるため、各種手当への特別加算などの見直しを進めていくことで財政負担の抑制に努める。 | その他の分析欄介護保険事業会計繰出金(-78,420千円)、後期高齢者医療事業会計繰出金(-24,561千円)、魚市場事業会計繰出金(-12,768千円)などの減少により、繰出金全体として117,516千円の減少となった。経常経費充当一般財源の繰出金は、前年度比8.8%の減少となり、その他の経常収支比率は1.9ポイントの減少となった。類似団体平均、全国平均及び岩手県平均を下回っているが、各事業会計の赤字補てん的な繰出金の増加が懸念されることから、事業計画の整理や縮減を図りつつ、抑制に努める。 | 補助費等の分析欄特別定額給付金給付事業(-3,246,000千円)、復興関係事務費(国庫返還等)(-1,702,471千円)の減少などにより、補助費等全体として5,532,129千円の減少となったものの、経常経費充当一般財源の補助費等は、前年度比9.8%増加し、経常収支比率は0.1ポイントの増加となった。類似団体平均、全国平均及び岩手県平均を上回っていることから、補助金及び負担金を伴う事業の見直しを行い、コスト削減に努める。 | 公債費の分析欄公営住宅建設事業債(-3,890,731千円)、一般単独事業債(-248,694千円)、過疎対策事業債(-219,875千円)などの減少により、公債費全体として4,467,304千円の減少となった。経常経費充当一般財源の公債費は前年度比18.2%減少し、経常収支比率は5.5ポイントの減少となった。令和2年度に釜石市中期財政計画(令和3年度~令和7年度)を策定し、令和3年度から市債発行額を元金償還額の90%以下にすることで、公債費抑制を図る計画であり、今後、事業計画の整理や縮減を図りつつ、抑制に努める。 | 公債費以外の分析欄人件費については、職員配置の見直しや、民間への委託化など、市民ニーズを反映した組織体制に基づき、削減に努める。物件費については、引き続き削減に努める。扶助費については、各種手当の見直しなど財政負担の抑制を図る。補助費等については、補助金など交付基準等の見直しや廃止を行い削減に努める。その他については、特に公営企業に対する負担金について、繰出基準に基づく厳密な繰出や公営企業会計の経営計画見直しによる料金の適正化など、経営の効率化を踏まえて負担金の抑制に努める。 |
議会費労働費消防費諸支出金総務費農林水産業費教育費前年度繰上充用金民生費商工費災害復旧費衛生費土木費公債費 |
目的別歳出の分析欄・総務費は、東日本大震災復興交付金返還金や庁舎建設基金積立金が減少したことから、住民一人当たりのコストは159,190円となった。・民生費は、コロナ関連の子育て支援事業により増加し、住民一人当たりのコストは215,605円となったが、これは類似団体平均の上昇と同様の傾向である。コロナの状況次第では、今後のコストは高止まりする見込みである。・農林水産業費は、東日本大震災に係る災害復旧事業が多額であったことから全国平均等を上回っていたが、復興事業がほぼ収束したことから住民一人当たり17,226円となり、類似団体平均を下回った。・商工費は、コロナ対策事業や地域なりわい再生緊急対策事業などの事業により、全国平均等を上回り、住民一人当たりのコストは36,043円となっているが、コロナの状況次第では、今後のコストは高止まりする見込みである。・消防費は、避難道路整備事業や釜石大槌地区行政事務組合負担金などの事業により、全国平均等を上回り、住民一人当たりのコストは42,162円となっているが、今後も消防屯所の建設などの大型事業が予定されているため高止まりする見込みである。 |
人件費補助費等災害復旧事業費投資及び出資金物件費普通建設事業費失業対策事業費貸付金維持補修費普通建設事業費(うち新規整備)公債費繰出金普通建設事業費(うち更新整備)積立金前年度繰上充用金 |
性質別歳出の分析欄・歳出決算総額においては、住民一人当たりのコストは749,786円となっている。・人件費は、コロナ対策事業に係る人員増加が必要な状況であったこと、また当市の人口減少が相まって、類似団体平均より高い傾向にあり、住民一人当たりのコストは106,591円となっている。・物件費は、復旧・復興事業による施設の設置に伴う維持管理費等が増加していることから、全国平均等を大きく上回り、住民一人当たりのコストは141,667円となっているが、公共施設の維持管理費の見直しや指定管理制度の導入等により、今後はコストは下がる見込みである。・補助費等は、復旧・復興事業の精算に伴う国庫返還金等により多額となっていることから、全国平均等を大きく上回り、住民一人当たりのコストは132,643円となっているが、復旧・復興事業の精算が進捗するとともにコストは下がる見込みである。・普通建設事業は、東日本大震災に係る復旧・復興事業実施に伴い、全国平均等を上回っていたが、復旧・復興事業がほぼ収束したことから減少した。今後は新庁舎の建設が見込まれることから、一時的に増加することが見込まれる。・公債費は、これまで全国平均等を上回る傾向が続いていたが、令和2年度に繰上償還を実施したことから住民一人当たりのコストは61,358円となった。今後は釜石市中期財政計画に基づき公債費抑制を図ることから、コストは下がる見込みである。 |
基金全体(増減理由)・庁舎建設基金に322,669千円積み立てたこと、また活性化基金に103,820千円積み立てたことなどにより、基金全体では189,238千円の増加となった。(今後の方針)・復興事業が終盤を迎え、復興事業の財源となる特定目的基金の残高が減少していくことが影響し、基金全体の残高は減少していく見込みである。 | 財政調整基金(増減理由)・財政調整基金は、前年度の決算剰余金などにより252,543千円を積み立てたが、取り崩しをしなかったため増加となった。(今後の方針)・震災復興特別交付税の精算のため、財政調整基金を取り崩して、償還金に充てる予定としている。 | 減債基金(増減理由)・減債基金は、繰上償還等に備えるため7,745千円を積み立て、29,191千円を取り崩したため減少となった。(今後の方針)・減債基金を財源とした償還に備えることとしている。 | その他特定目的基金(基金の使途)・庁舎建設基金:新市庁舎の2025年度開庁に向け、建設事業の財源に充当・復興まちづくり基金:復興交付金事業以外の東日本大震災からの復興事業の財源に充当・ラグビーこども未来基金:ラグビーを活用したまちづくりの推進及び次代を担う青少年の人材育成に必要な事業の財源に充当(増減理由)・庁舎建設基金:2025年度開庁に向けて整備を進める新市庁舎建設事業の財源に充当するため、77,766千円を取り崩し、322,669千円を積み立てたことによる増加。・復興まちづくり基金:被災者住宅再建などの財源として412,877千円を充当したことによる減少。・ラグビーこども未来基金:いわて・かまいしラグビーメモリアルイベント開催事業などの財源として22,950千円を取り崩したのに対し、ふるさと寄附金分などを財源とした32,531千円を積み立てたことによる増加。(今後の方針)・庁舎建設基金:2025年度開庁に向けて整備を進める新市庁舎建設事業費について、今後も取崩しを予定している。・復興まちづくり基金:主に被災者の住宅再建事業に充当しており、復興交付金事業の進捗に伴い、被災者の住宅再建が進んでいることから、今後残高は減少していく見込みである。・ラグビーこども未来基金:ラグビーを活用したまちづくりの推進及び次代を担う青少年の人材育成に必要な事業の財源として、今後、取崩しを予定している。 |
有形固定資産減価償却率の分析欄有形固定資産減価償却率については、類似団体より低い水準にあり、令和3年度以降においても同様の傾向が続く見通しである。これは東日本大震災の復興事業で集中的に整備された施設が多いためである。一方、築30年以上など耐用年数を迎え、老朽化に直面している施設も多いことから、今後は有形固定資産減価償却率の水準に留意しつつ、個別施設計画を基に、より適正な施設の維持管理を目指していく。 | 債務償還比率の分析欄債務償還比率は、類似団体平均を下回っており、主な要因としては、東日本大震災の復旧・復興事業に係る震災復興特別交付税の精算金を多く含む財政調整基金が充当可能基金を押し上げているためである。しかし、充当可能財源は減少していく見込みであり、今後の債務償還比率の増加要因となりうるため、地方債発行額の適正化など、健全財政の維持に取り組んでいく。 |
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析将来負担比率の算出式の分子となる将来負担額が減少(△721,809千円)したことに加えて、充当可能財源等が増加(+117,495千円)したことに伴い、分子がマイナスになったことで、将来負担比率は昨年度に引き続き-%となった。要因としては、東日本大震災の復旧・復興事業に係る震災復興特別交付税の精算金を多く含む財政調整基金が充当可能基金を押し上げているためであり、充当可能基金が減少していくことを見越して、引き続き地方債や義務的経費の削減など財政健全化を図り、比率の上昇を抑制していく。また、東日本大震災の復興事業による公共施設の整備に伴い、有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値を大幅に下回っているが、過去に集中的に整備された施設の老朽化に直面しており、今後は数値の上昇が懸念されることから、施設ごとの個別施設計画を基に、より適正な施設の維持管理を目指していく。 |
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分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析将来負担比率の算出式の分子となる将来負担額が減少(△721,809千円)したことに加えて、充当可能財源等が増加(+117,495千円)したことに伴い、分子がマイナスになったことで、将来負担比率は昨年度に引き続き-%となった。要因としては、東日本大震災の復旧・復興事業に係る震災復興特別交付税の精算金を多く含む財政調整基金が充当可能基金を押し上げているためであり、充当可能基金が減少していくことを見越して、引き続き地方債や義務的経費の削減など財政健全化を図り、比率の上昇を抑制していく。令和2年度に実施した繰上償還により、令和3年度の公債費は前年度より627,727千円の減となり、実質公債費比率(単年度)は6.4ポイント改善した。今後も公債費負担の逓減に向けて、事業計画の整理や縮減による新規の市債発行や公営企業債の元利償還金に対する繰入金等の抑制を図るとともに、後年度負担の軽減に向けた繰上償還を検討するなど、比率の改善に努めていく。 |
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道路橋りょう・トンネル公営住宅港湾・漁港認定こども園・幼稚園・保育所学校施設児童館公民館 |
施設情報の分析欄類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、橋りょう・トンネルであり、特に低くなっている施設は認定こども園・幼稚園・保育所、学校施設、公営住宅、児童館である。橋りょう・トンネルについては、施設の多くが1960年代から1970年代に整備されたものであり、整備後30年以上経過するものが大半を占めるなど、特に老朽化した橋りょうが増えていることから有形固定資産減価償却率が高くなっている。令和3年度以降においても同様の傾向が続くことから、橋梁長寿命化修繕計画に基づき、計画的に改修を進め、老朽化対策に取り組んでいくこととしている。公営住宅については、東日本大震災以降に市では災害復興公営住宅約940戸の整備を進めたことから、有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値を大きく下回っている。認定こども園・幼稚園・保育所、学校施設、児童館についても同様に、東日本大震災の復興事業で施設を整備したことにより、有形固定資産減価償却率は低くなっている。これらの復興関連施設は整備が完了し、今後も数値は低い状態が続く見通しであるが、老朽化が進む既存施設の統廃合も含めて施設の適正配置に努め、維持管理費の増加に留意していきたい。 |
図書館体育館・プール福祉施設市民会館一般廃棄物処理施設保健センター・保健所消防施設庁舎 |
施設情報の分析欄類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、図書館、体育館・プール、福祉施設、庁舎であり、特に低くなっている施設は、保健センター・保健所、消防施設、市民会館である。図書館については、昭和58年度建設後の経年が進んでいるため、有形固定資産減価償却率が類似団体内平均値より高くなっている。唯一の市立図書館であることから計画的に改修を行い施設の延命化を図り、引き続き老朽化対策に取り組んでいく。体育館・プールについては、昭和45年度整備の市営プールや昭和54年度整備の中妻体育館など、施設整備からの経過期間が長い施設があり、有形固定資産減価償却率が高くなっていることから、今後は施設の集約化をはじめ、将来の更新費用の抑制に向けて取り組んでいく。福祉施設については、昭和46年度に整備された老人福祉センターなど、築年数が経過し、資産価値が減少している施設があることから、有形固定資産減価償却率が類似団体内平均値より大幅に高くなっている。庁舎については、特に昭和29年度建設の第一庁舎の経年が進んでおり、有形固定資産減価償却率が類似団体内平均値よりも高く、建物の経年に伴い徐々に数値が高くなる見通しである。そうした中で、現在新市庁舎建設が計画され、将来的には分散する現庁舎の統合も検討されるなど、将来的な施設の維持管理費の縮減が期待されるが、引き続き現庁舎の老朽化対策や維持管理費の抑制に向けて取り組んでいくこととしている。保健センター・保健所については、施設の老朽化に伴い、平成26年度に保健センターの大規模改修が行われたこと、消防施設や市民会館については、東日本大震災での被災による再建など資産の耐用年数の経過が短い施設が多いことから、有形固定資産減価償却率が類似団体平均値を下回っている。 |
資産合計負債合計 |
1.資産・負債の状況一般会計等の資産総額は、前年度末から12,325百万円の減少(△7.5%)となった。資産減少の主な要因は、建設仮勘定が資産振替となったことで各資産の原価償却累計額が増加したことによるものである。資産総額のうち、有形固定資産の割合は89.6%であり、これらの資産は将来の維持管理・更新等の支出を伴うものであることから、早急に施設ごとの個別計画を作成し、より適正な施設管理に努めていきたい。一般会計等の負債総額は、前年度末から443百万円の減少(△1.9%)となった。負債減少の主な要因は、地方債等(固定負債)の残高が減少したことによるものであり、令和2年度に地方債を繰上償還したことにより償還額が地方債発行額を上回り、707百万円の減少となった。 |
純経常行政コスト純行政コスト |
2.行政コストの状況一般会計等の純経常行政コストのうち、経常費用は31,249百万円となり、前年度から4,813百万円の増加(18.2%)となった。このうち人件費や物件費等の業務費用は22,990百万円、補助金等や社会保障給付、他会計への繰出金等の移転費用は8,258百万円となり、業務費用は前年度から9,384百万円の増加(69.0%)、移転費用は4,571百万円の減少(△35.6%)となった。業務費用のうち最も金額が大きいのは、維持補修費や減価償却費を含む物件費等15,053百万円(前年度比+8,087百万円)である。移転費用のうち最も金額が大きいのは、補助金等3,905百万円であるが、特別定額給付金給付事業の終了や復興交付金返納額が減少したことにより、前年度から4,584百万円の減少(△54.0%)となった。震災復興事業により多くの施設が再建され、施設の維持管理コストの増加が著しいことから、公共施設の適正管理とともに経費の縮減に努めていきたい。 |
本年度差額本年度末純資産残高本年度純資産変動額 |
3.純資産変動の状況一般会計等では、税収等の財源18,949百万円(前年度比△3,237百万円、△14.6%)が純行政コスト32,733百万円(前年度比+2,549百万円、+8.4%)を下回ったことから、本年度差額は△13,783百万円となり、純資産残高は11,881百万円の減少となった。これは新型コロナウイルス感染症への対応や震災復興事業により整備した施設の維持管理等に伴い純行政コストが増加したことに加えて、東日本大震災復興交付金が減少したことに伴い、財源の税収等が減少したためと考えられる。 |
業務活動収支投資活動収支財務活動収支 |
4.資金収支の状況一般会計等では、業務活動収支は1,012百万円であったが、投資活動収支については、投資活動支出が投資活動収入を上回って△1,086百万円となっている。これは、震災復興事業の進捗に伴い、投資活動支出が減少したことに加えて、東日本大震災復興交付金基金の廃止に伴い、令和2年度に基金残高を全額繰り入れたことで、令和3年度は基金取崩収入が大幅に減少したことが要因と考えられる。また、財務活動収支は、地方債等発行収入が地方債等償還支出を下回ったことから△535百万円となっているが、これは令和2年度に実施した地方債の繰上償還の影響が大きい。しかしながら、台風19号被害関連の災害復旧事業債の償還の本格化や、新庁舎建設など大型事業も控えていることから、今後も繰上償還をはじめ地方債等償還額の抑制に向けた取組の推進が求められる。 |
①住民一人当たり資産額(万円)②歳入額対資産比率(年)③有形固定資産減価償却率(%) |
1.資産の状況住民一人当たり資産額は、東日本大震災復興交付金を積み立てている基金や、震災復興事業により形成された有形固定資産が資産合計を増加させていることで、類似団体平均値を大きく上回っている状況にあった。しかし、令和2年度の東日本大震災復興交付金基金の廃止等に伴い基金残高が減少していることから資産額は減少に転じ、今後も減少傾向が続くと見込まれる。歳入額対資産比率は、基金が減少したことにより資産合計が減少したが、東日本大震災復興交付金の減少等により歳入総額が減少したため、類似団体を上回った。今後も歳入の減少が見込まれることから数値が増加していくものと予想される。有形固定資産減価償却率は、震災復興事業により新たに資産が形成されたため、類似団体を下回っている。しかし、既存施設の多くが耐用年数を迎え老朽化に直面していることもあり、今後数値の増加が予想される。 |
④純資産比率(%)⑤将来世代負担比率(%) |
2.資産と負債の比率純資産比率は84.6%となり、前年度より0.9ポイント減少したものの、依然として類似団体に比べ高い数値になっている。これは、純資産残高が昨年度から11,881百万円、8.5%減少したものの、基金の減少等に伴い資産が12,325百万円、7.5%減少したことによるものである。将来世代負担比率は、昨年度から0.5ポイント数値が増加したものの、類似団体平均値を下回っている。これは令和2年度に繰上償還を実施したことにより地方債現在高が減少したことよるものである。今後は、地方債の発行抑制に取り組み、将来世代への負担軽減に努めていきたい。 |
⑥住民一人当たり行政コスト(万円) |
3.行政コストの状況住民一人当たり行政コストは、昨年度に比べて10.4万円増加し、依然として類似団体平均値を上回っている。東日本大震災からの復興過程の中で膨張した人件費や新たに整備した施設の維持管理にかかる物件費の増大など純行政コストが高い数値を推移していることや、人口の減少が著しいことが大きな要因である。 |
⑦住民一人当たり負債額(万円)⑧基礎的財政収支(百万円) |
4.負債の状況住民一人当たり負債額については、昨年度から0.4万円増加し、依然として類似団体平均値を上回っている。これは、令和2年度に実施した繰上償還により負債合計自体は減少しているものの、分母である人口の減少に起因するものである。今後も新庁舎建設などの大型事業が控えており、増加傾向へ転じる可能性があるため、市債発行額の抑制や繰上償還により、地方債残高の縮小に努めていきたい。基礎的財政収支は、業務活動収支の黒字分が基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた当市活動収支の赤字分を上回ったため、177百万円となったものの、類似団体平均値を大きく下回っている。投資活動収入が赤字となっているのは、収入の多くを占める基金事業の財源となる基金取崩収入が除かれているためである。 |
⑨受益者負担比率(%) |
5.受益者負担の状況受益者負担比率は類似団体平均と同程度であるが、昨年度から3.0ポイント減少している。特に、経常費用が昨年度から4,813百万円増加しており、経常費用のうち施設の維持管理費等を含む物件費の増加が顕著となっている。震災後に整備された施設の維持管理費が、今後の財政運営の負担となることが懸念されているため、公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した既存施設の集約化・複合化や長寿命化と併せて、適切な管理を進めていきたい。 |
出典:
財政状況資料集
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統一的な基準による財務書類に関する情報
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