北海道上富良野町：公共下水道の経営状況（2016年度）

収益的収支比率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016
当該団体値（％）	66.09	67.71	75.72	76.47	75.36	76.27	73.92
類似団体内平均値（％）	69.11	68.99	71.08	69.5	73.66	73.48	75.25

企業債残高対事業規模比率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016
当該団体値（％）	2091.77	878.82	794.22	787.42	933.32	890.87	673.19
類似団体内平均値（％）	1618.57	1537.19	1391.85	1338.35	1127.41	1065.9	1003.47

経費回収率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016
当該団体値（％）	88.6	86.4	93.97	85.71	84.43	89.73	82.93
類似団体内平均値（％）	64.82	61.99	63.62	63.36	67.16	64.91	69.07

汚水処理原価

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016
当該団体値（円）	176.6	181.82	166.88	183.21	191.12	180.06	195.69
類似団体内平均値（円）	248.22	271.61	262.47	263.15	255.15	259.58	247.35

施設利用率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016
当該団体値（％）	55.14	56.54	71.91	69.96	51.32	48.87	49.88
類似団体内平均値（％）	123.7	134.25	81.32	90.2	90.6	95.7	114.03

水洗化率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016
当該団体値（％）	87.1	87.79	88.77	90.75	91.3	91.12	91.17
類似団体内平均値（％）	85.08	84.87	83.87	84.07	84.38	83.27	83.41

経営の健全性・効率性について

総収益で総費用と地方債償還金を賄えているかを表す「収益的収支比率」は100％で収支均衡となりますが現状は74％を推移しています。地方債償還金が不足する26％を一般会計繰入金により補填している状況です。料金収入に対する企業債残高の割合から企業債残高規模を表す「企業債残高対事業規模比率」は、全国、類似団体平均よりも低く推移しています。使用料で回収すべき経費を賄えているかを表す「経費回収率」は82.93％で全国平均より17％低く、類似団体より9％高い中間の水準になっていますが、減少しています。有収水量１㎥あたりの汚水処理費用（汚水資本費・汚水維持管理費）を表す「汚水処理原価」は、195.69円で全国平均より58円高く、類似団体より40円低い中間の水準を推移しています。施設の効率性を表す「施設利用率」は地下水量や観光シーズンの変動はあるものの、年間の平均値では49％の稼働率に止まり、類似団体とは同水準、全国平均と比べ10％低く、人口減少と節水の普及による有収水量の減少が要因であります。水質保全の効果や施設の効率性を表す「水洗化率」は91.17％でこれまで住宅リフォーム助成等の普及促進対策により、増加傾向で推移してきましたが現在は伸び率が停滞しています。

管渠改善率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016
当該団体値（％）	0.01	0.0	0.0	0.02	0.01	0.0	0.0
類似団体内平均値（％）	0.01	0.1	0.08	0.16	0.04	0.16	0.05

老朽化の状況について

現状の管渠施設において、標準耐用年数を経過している汚水管渠は存在しませんが、設置から30年以上が経過し、部分的に劣化が進行している管渠もあることから、日常の点検修理等により適正な維持管理を行うとともにこれから増大する老朽管渠に対しては、長寿命化対策の検討を進めていく必要があります。

全体総括

現在の経営状態は、維持管理費用の全部と資本費の一部を賄っていますがこれまでの投資による債務残高は高い水準にあり、企業債償還金の一部を一般会計繰入金に依存している財務状況にあることから、経営の健全性・効率性が確保されているとは言えません。また、施設利用についても水洗化率は向上しているものの、終末処理場は遊休状態となる期間があり、施設規模が過大となっていることから事業計画の見直し等による経営の効率性を検討する必要があります。今後は人口減少及び節水思考による収入の減少や施設の老朽化対策等の課題が予想される中、持続可能なサービスを提供するため、経費回収率100％を基本とした使用料の改定、新規投資の厳選と企業債発行の制限等の施策により、収入の増加と経費の抑制を図り、経営の改善を進めていく必要があります。