経営の健全性・効率性について
経常収支比率は、類似団体平均と比較すると下回っているものの、100%を超えている。今後も効率化の推進を図り、経常費用の削減を進めたい。累積欠損金比率は、前年度と同様に0%となっており、今後も継続できるように経営努力を行っていく。流動比率は、企業債の償還金を一般会計からの繰入金で賄っていることもあり、100%を上回っている。企業債残高対事業規模比率は、平均値と比較すると下回っているが、今後汚水ポンプ場及び管渠整備に対して大きな投資を予定しており、企業債残高が増加する見込みである。経費回収率は、令和元年度より下がり続けており、令和3年度については、令和2年度より8%の減少となっている。そのため、経費のコスト削減等図りながら、経費に対する使用料の適正反映を検討することが必要である。汚水処理原価は、類似団体平均や全国平均よりも高い数値となっている。令和7年度までは大きな収入増が見込まれないため、使用料の適正反映について検討を行う必要がある。施設利用率は、類似団体平均や全国平均を上回っているため、過大なスペックとはなっていないと思われる。しかしながら、施設の老朽化が進んでいることを考慮し、既設汚水処理施設の廃止を検討しており、流域下水道に接続する計画としている。水洗化率は、類似団体平均や全国平均の数値を上回っている状況である。今後も使用料収入を図るため、水洗化率向上を図っていく必要がある。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率について、類似団体の平均値より高くなっている。処理場については、将来的に廃止を検討していることから、定期的に点検等を行い、必要に応じて更新・修繕を実施する。②及び③の令和3年度については、管更生等行っていないが、令和2年度に実施したTVカメラ調査にて、更生が必要な管が発見されたため、令和3年度にSM計画を変更し、令和4年度に管更生の実施設計、令和5年度に更生工事に入る予定としている。今後もTVカメラ調査等による点検を行い、結果に応じて更生等による老朽化対策を実施する。
全体総括
本町の公共下水道事業は、下水道事業完了に向け、令和7年度までは汚水ポンプ場や管渠等の整備を予定しており、企業債残高が増加していくことが見込まれ、今後も厳しい経営環境となることが考えられる。また、分析表から「原価処理単価」が高くなっていることにより「経費回収率」が低くなり、経営の効率性を低下させていることや、「経常収支比率」が高いものの「経費回収率」が下がっていることが伺える。上記の点を踏まえ、更なる町民サービスの向上を目指し、投資を含めて効率的かつ適正な下水道事業の運営を行うためには、事業の効率化や経営内容の見直しを行い、コスト削減等を図りながら、経費に対する使用料の適正反映を検討する必要がある。