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長引く景気低迷の影響もあり、税収などの自主財源が伸び悩む状況にある中、前年度を0.01ポイント上回る指標となった。今後も財政需要に備えるために、職員数の削減や組織の見直しによる人件費の削減を行うなど、経常的な経費の圧縮に努める。また、自主財源の確保のために、定住化促進や企業誘致、ふるさと納税などの施策を推進し指標改善を図る。
歳入では、地方消費税交付金の増、地方交付税の増、市税の増などにより、経常一般財源は4.7%の増となった。また、歳出(経常一般財源)では、物件費の増や補助費等の増があったものの、人件費の減や公債費の減により減少した。これらにより経常収支比率は5.1ポイントの指標良化となった。経常的な人件費や公債費等は減少傾向にあるが、今後もさらに少子高齢化対策などによる扶助費の伸びや、公共下水道会計、国保財政支援などの繰出金、一部事務組合負担金の増などにより、高い水準で推移することが見込まれる。
平成18年度に給与構造改革を行い、給与の適正化を図った。それ以降も、適正な給与運用を実施し、今回も98.6と全国市平均を0.5ポイント下回った。今後も、佐賀県人事委員会勧告や人事院勧告等を参考にしながら、給与の適正化に努める。
早期退職や行革大綱に基づく人員管理により、一般会計に係る職員数については平成14年度から-56人となっており、全国・類団・県内平均と比較して適正といえる。今後も適正な人員管理を図る。
平成19年度~21年度に補償金免除繰上償還を実施し、地方債現在高の縮減が進んだことにより、毎年度の元利償還金の額も大幅に減少した。また、実施計画において、投資事業の上限を一定水準に抑制したり、起債発行についても交付税措置のない借入を控えるなど、実施事業の厳選に努め、前年度比1.0ポイントの改善となった。全国平均は上回っているものの、類似団体や佐賀県平均と比較しても、適正な水準といえる。
前年度から10.9ポイントの指標悪化となった。これは、地方債現在高の増(前年度比6.0%増)、さが西部クリーンセンターの建設による組合負担見込額の増など、将来負担額が増加したためである。今後、公共施設の建設事業等の大型ハード事業を控えているが、従来どおり財政措置等を勘案し、厳選した投資事業を実施し、計画的な地方債の発行に努めるなど、可能な限り、将来世代に負担を先送りにしない財政運営を行っていく。
平成17年度に策定した行財政改革大綱に基づく新規職員の採用抑制により、計画的に人件費の圧縮に努めてきた。平成27年度は全国平均、県内平均と比べて低い水準となっている。今後も人件費の縮減に努める。
全国・県内平均と比較しても下回っており、適正な水準といえる。経常経費については、ほぼ横ばいに推移しているところであるが、人件費削減のための新規職員採用の抑制による臨時職員(賃金)への切り替えや、各種施設の指定管理者制度への移行、民間委託等により、物件費の総額は増加する傾向にある。今後も、経常経費の削減、組織改編などにより、指標の改善に努める。
県内、類似団体平均を上回っている要因として、特に老人福祉と児童福祉が高水準にあることがあげられる。平成22国勢調査における、65歳以上の割合は全国26.6%、県内27.7%に対し、当市は29.2%と大きく上回っている。また平成22国勢調査(25.7%)と比較しても3.5ポイント増加しており、高齢化率が年々増加している。児童福祉費の多くを保育所運営費が占めているが、他市と比較して幼稚園より、保育所の比率が高いことが要因と考えられる。扶助費等の社会保障関係経費は今後も減少する見込みはなく、財政を圧迫する原因となっている。
その他の経費のうち最も影響を及ぼしているのが繰出金であり、整備途中の公共下水道事業や国保会計への繰出しにより、類似団体平均を大きく上回っている。公共下水道事業については公債費負担が大きく、それに伴い一般会計からの繰入金も大きくなっている。整備途中であるため建設費及び公債費の減少は考えにくく、今後も財政圧迫の要因となっていくと思われる。また、国保会計については、恒常的な赤字の解消のために一般会計から繰入を行うなど、各特別会計の運営状況が大きく影響を及ぼしており、今後も注視が必要である。
行財政改革大綱に基づく運営補助の見直しなどにより歳出の抑制をおこなったため、全国・県内・類似団体のいずれと比較しても下回っており、適正な水準といえる。しかし、一部事務組合負担金については、平均よりも高い水準にある。今後、広域ごみ処理施設やし尿処理施設の新規建設などの影響で増加する見込みである。そのうち公債費分については、健全化判断比率にも影響するため、一部事務組合の財政状況にも注視する必要がある。
全国・県内・類似団体のいずれと比較しても下回っており、適正な水準といえる。公債費のピークは、臨時財政対策債の元金償還が本格的に始まった平成18年度であり、平成19年度から平成21年度に実施した、公的資金補償金免除繰上償還により、地方債現在高が圧縮され、経常収支比率における公債費の率も年々減少している。
経常収支比率における公債費以外の割合が、類似団体比較で75.8ポイントと大きく上回っている。その要因の大きなものは、扶助費と繰出金である。扶助費は、少子高齢化による児童福祉、老人福祉などの社会保障関係経費の増加であり、繰出金は、公共下水道事業や国保会計の繰出しが経常収支比率の高止まりに影響を及ぼしている。共に、本市の財政運営を圧迫する要因と言える。
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