経営の健全性・効率性について
木浦・有津地区については整備中であり、有収水量が少ない。また、地形上自然流下のみでは汚水を収集できないので、多くのマンホールポンプを整備しているため汚水処理原価が類似団体平均値と比べて高くなっている。また、公共下水道事業の料金体系に準じた料金設定にしており、3年毎に使用料改定を行っているものの、汚水処理原価が高いため、経費回収率については、類似団体平均値と比べて低くなっている。しかしながら、建設事業のピークは過ぎているので、企業債残高については逓減しているため、収益的収支比率が改善されており、経営改善に向けた取組が一定の成果を上げている。人口減少や節水機器の普及、社会情勢の変化による上水道使用量の減少等の要因と整備中の処理区があることにより施設利用率は、類似団体平均値と比べて低くなっている。水洗化率については、類似団体平均値と比べて低くなっているが、未接続世帯への接続促進により少しずつ改善されている。
老朽化の状況について
島嶼部の3処理区で汚泥の脱水を行っている移動脱水車が老朽しているため、平成28年度に更新する予定である。6処理区の内5処理区は供用開始から20年未満であるため、大規模な改修が必要な施設はほとんどない。今後は、供用開始後20年を超えてくるので、事故の未然防止及びライフサイクルコストの最小限化を図る必要がある。
全体総括
今後は、長寿命化計画に基づき施設の老朽化対策に取り組むとともに、施設の統廃合についても検討して行く必要がある。整備事業のピークは過ぎているため、地方債償還金については逓減することから、汚水処理原価についても逓減し、経費回収率も改善されると考えている。しかしながら、人口減少等による有収水量の減少が見込まれるため、事業費を可能な限り抑えて今まで以上に経費の節減に努めるとともに、定期的な使用料改定を行い引き続き経営改善を図る必要がある。