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リーマンショック以降落ち込んだ県内景気のため、平成23年度から平成25年度まで底打ちしていた財政力指数は平成26年度以降改善の兆しが見えるものの、平成28年度は指標の分子要素となる県税収入が減少しており、依然として厳しい状況にあることに変わりはない。今後も「財政構造改革基本方針(平成29~31年度)」に基づき、引き続き総人件費の抑制、県債新規発行の抑制による公債費の縮減や事務・事業の見直し等、歳出の徹底的な見直しを実施するとともに、新たな財源の確保等による歳入改革を推進する。
経常収支比率は、公債費や社会保障関係経費が高水準で推移しているものの、グループ内平均よりも低い数値となっている。平成28年度は地方譲与税の減少等により経常一般財源が減少したが、公債費の減等により全体としては横ばいとなっている。今後も「財政構造改革基本方針(平成29~31年度)」に基づき、引き続き総人件費の抑制、県債新規発行の抑制による公債費の縮減や事務・事業の見直し等、歳出の徹底的な見直しを実施するとともに、新たな財源の確保等による歳入改革を推進する。
人口1人当たり人件費・物件費等決算額は、同グループ内で人口が最も少なく、本県の倍以上の団体もあるなか、決算規模についてはそこまでの差がなく、スケールメリットが働きにくいこともあり、グループ内順位は下位にとどまっている。一方でこれまで同様、給与制度の適正な管理に努めるとともに、職員数の削減に計画的に取り組んできたこと等により、給与カット終了後増加傾向にあった人件費総額が減少に転じるなど一定の成果も見える。今後も引き続き、給与制度の適正な管理や計画的な定員管理に努める。
本県のラスパイレス指数は、前年度と比較して0.4ポイント下降しており、引き続き国の水準と均衡している目安とされる100を下回っていることはもとより、グループ内平均、都道府県平均と比べても低い水準にある。これは、これまで昇給・昇格制度の見直し等、給与制度の適正な管理に努めてきたことが主な要因であり、今後も引き続き、給与制度の適正な管理に努める。
人口10万人当たり職員数は、同グループ内で人口が最も少なく、本県の倍以上の団体もあるなか、決算規模についてはそこまでの差がなく、スケールメリットが働きにくいこともあり、グループ内順位は最下位となっている。一方で、本県では、平成19年11月に策定した「とくしま未来創造プラン」において、平成19年4月~23年4月の4年間で一般行政部門職員数を「300人以上」削減する目標を掲げ、定員管理の適正化に積極的に取り組んできた結果、平成23年5月1日時点で目標を大きく上回る「326人」の削減を達成するとともに、その後も削減を進め、平成29年4月1日では、「460人」を削減しているところである。今後も一般行政部門職員3,000人体制を目指した着実な取り組みを行うほか、新たな行政需要に的確に対応できる組織力を維持し、県民サービスの維持・向上を図るとともに、計画的な職員採用を行い、年齢構成の是正などバランスのとれた定員管理を行う。
指標の分子要素となる公債費のピークが平成20年度であり、それ以降減少を続けていることに伴い、実質公債費比率も平成23年度にピークを迎え、平成28年度まで低下し続けている。実質公債費比率は類似団体平均を上回っているが、これは、他県に比べ遅れていた社会資本を整備するため、国の経済対策に積極的に呼応して多額の県債を発行してきたこと、その償還が本格化していることによるものと考えられる。実質公債費比率は、今後減少していく見込みであるが、一層の財政健全化を図るため、毎年度の県債発行額を低減し、地方債残高の減少に努める。
指標の分子要素である県債残高の低下傾向に伴い、平成23年度から平成27年度まで低下を続けてきたが、平成28年度は分母である標準財政規模が減少したことにより1.7ポイントの増となっている。将来負担比率は類似団体平均を上回る数値となっているが、これは、他県に比べ遅れていた社会資本を整備するため、国の経済対策に積極的に呼応して多額の県債を発行してきたこと等によるものである。高金利の債務について、優先的に償還を行ってきたことや、起債にあたって交付税措置のある地方債を有効に活用するなど、効果的な財政運営を行ってきたことから、近年は低下傾向にある。今後も、一層の財政健全化を図るため、毎年度の県債発行額を低減し、債務残高及び将来負担比率の更なる低減に努める。
人件費に係る経常収支比率については、給与制度の適正な管理や計画的な職員数の削減による人件費の減少に伴い、前年度と比較して0.6ポイント改善するとともに、グループ内平均及び都道府県平均を下回る状況を継続している。今後も人件費の増加が財政の硬直化を招かぬよう、引き続き、給与制度の適正な管理や計画的な定員管理に努める。
物件費に係る経常収支比率については、平成25年度から平成28年度まで上昇を続けている。これは、防災システムの運営保守業務にかかる委託費の増や新型インフルエンザ等対策に係る需用費、委託費の増等によるものである。今後も庁舎等管理経費の縮減や委託事業見直し等、物件費の効果的・効率的な執行や制度の運用・あり方などを見直し経費縮減に努める。
扶助費に係る経常収支比率については、平成24年度以降は経常一般財源の回復に伴い減少してきた。平成28年度は経常一般財源の減少に伴い0.1ポイントの増加となったものの、近年は類似団体平均、都道府県平均とおおむね近似の値となっている。県単扶助費については、社会保障充実の方向性を踏まえながら、給付の水準や範囲、制度の効果、運用のあり方、法令等との関係などを検証し、適切な見直しの検討を行う。
その他に係る経常収支比率については、平成27年度まで類似団体平均を下回って推移してきたが、平成28年度決算においては維持補修費の増加等により0.4ポイント増加した。これは、本県の道路、河川、港湾など社会資本の多くが高度経済成長期に集中的に整備され,高齢期を迎えていることから、従来の「新設・改築」をベースとした公共事業からいち早く「維持管理」にシフトし「施設の長寿命化」など「戦略的維持管理」に取り組んでいるためである。
補助費等に係る経常収支比率については、平成24年度から平成28年度まで上昇を続けている。これは、児童保護措置費や後期高齢者医療に係る負担金の増加等によるものである。後期高齢者医療や児童保護措置費などの「社会保障関係経費」は毎年度大きな伸びを示し、多大な財政負担につながっていることを踏まえ、給付の状況を分析し、抑制の可能性を検証するとともに、適正な給付のあり方について市町村と共に検討を進めることとしている。
公債費に係る経常収支比率については、平成24年度から28年度において類似団体平均を上回っている。これは、他県に比べ遅れていた社会資本を整備するため、国の経済対策に呼応して発行した県債の償還が本格化していることによるものであると考えられる。平成24年度以降は、県債の新規発行抑制等に努めてきた結果、公債費が減少基調にあることに伴い、低下し続けている。今後も、県債の新規発行抑制や平準化を図り、公債費の抑制に努める。
公債費以外に係る経常収支比率については、平成27年度決算に比べ0.9ポイント上昇している。当該数値は、人件費と補助費等の合計額が全体の約9割を占めているため、傾向としては人件費及び補助費等と同様である。本県は、経常収支に占める公債費の割合が非常に高いことから、類似団体・都道府県平均よりも低い状況にある。
将来負担比率と実質公債費比率の推移については、平成23年度から27年度において類似団体平均を上回っている。これは、他県に比べ遅れていた社会資本を整備するため、国の経済対策に呼応して発行した県債の償還が本格化していることによるものであると考えられる。平成24年度以降は、県債の新規発行抑制等に努めてきた結果、公債費が減少基調にあることに伴い、低下し続けている。今後も、県債の新規発行抑制や平準化を図り、公債費の抑制に努める。
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