経営の健全性・効率性について
経常収支比率は類似団体平均値よりも低く、100%を上回っており、前年度より3.88ポイントの上昇となっています。企業債残高対事業規模比率は前年度よりも改善したものの、建設改良費等に充てた企業債残高が依然として高い水準となっており、類似団体平均値を大幅に上回っています。また、改善傾向にあるとはいえ、元金償還額も高い水準が続いており、流動比率も全国平均値及び類似団体平均値を下回っています。経費回収率は前年度より6.02ポイントの改善となりましたが、汚水処理経費は増加傾向にあり、収入と支出の両面での見直しが課題となっています。水洗化率は、類似団体平均値を下回っており、本市では水洗便所改造助成金の拡充や、水洗化改造費用の融資斡旋、再任用職員による啓発活動等に取り組み、水洗化率の向上に取り組んでいます。施設利用率については、本市は独自の下水処理施設を持たないため、空欄となっています。なお、本市の公共下水道事業は、令和元年度より地方公営企業法を一部適用し、公営企業会計となったため、平成30年度以前に係る数値は計上していません。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は類似団体平均値より低くなっています。管渠については、法定耐用年数を経過した管渠がないため、管渠老朽化率は0.00%となっており、管渠改善率も0.00%となっています。雨水ポンプ場は、小山雨水ポンプ場、北條雨水ポンプ場等の老朽化が進んでおり、「藤井寺市下水道ストックマネジメント計画」に基づき修繕・改築等を令和元年度より実施しています。
全体総括
令和2年10月より下水道使用料の改定を行ったことで、経営状況は改善傾向にありますが、維持管理経費の増加傾向が続いており、厳しい経営状況となっています。今後、経常収支比率を100%以上を維持することや、企業債残高の減少に取り組みながら、公共下水道未整備区域の解消やストックマネジメント計画に基づいた雨水ポンプ場施設の改築更新にも取り組んでいく必要があるものと考えています。