経営の健全性・効率性について
①経常収支比率については、103.75%と前年度に引き続き100%を上回り、経常利益を確保できています。しかし、本市は流域下水道の上流に位置する地理的な理由により、下水道整備への着手が後発となったことから、他団体と比べて企業債償還の進捗が遅れています。未償還企業債が比較的多く、毎年の企業債償還額が多いことから、③流動比率が類似団体平均値と比べて低く、④企業債残高対事業規模比率についても減少傾向にあるものの、依然として類似団体平均値よりも高い数値となっており、資金的に厳しい経営となっています。⑥汚水処理原価についても、前述の通り未償還企業債が比較的多いことから支払利息が多く、類似団体平均値と比べて高い金額となっているものの、⑤経費回収率は100%前後で推移しており、概ね下水道使用料により汚水処理費用を賄うことができています。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率については、管渠等の資産の償却により、毎年同程度の増加率となっています。また、本市の管渠は法定耐用年数が経過していない新設管が多くを占めています。そのため、管路の更新は行っておらず、②管渠老朽化率及び③管渠改善率には表れていません。
全体総括
平成26年度の使用料改定により、平成27年度以降は経常利益を確保することができています。しかし、人口減少などにより、今後も使用料収益の減少が続くことが予想され、また下水道施設の老朽化などに伴う費用の増加により、経営状況はより厳しいものになると考えられます。老朽化している下水道施設の改築更新や未整備地区の汚水整備を実現し、健全で安定した経営を続けるため、ストックマネジメント計画により老朽化施設の長寿命化対策を行い、更新時期を最適化することで更新費用の平準化や、国庫補助金の活用等を図ります。なお、令和2年度には経営の基本計画である経営戦略を策定し、計画的に事業を推進していきます。