経営の健全性・効率性について
本市の特定地域生活排水処理(浄化槽事業)は、平成26年度より地方公営企業へ移行したため、経営比較データは平成26年度のみとなっています。本事業は普及促進を図るため、政策的な観点から料金水準を考慮した上で平成25年度からスタートしています。このため、①経常収支比率及び⑤経費回収率は100%を下回り、欠損金も生じており②累積欠損金比率も370.94%となっております。次に、③流動比率も平均値より低く、投資規模の適切性の指針となります④企業債残高対事業規模比率は、平均値より高い数値となっております。これは、本市の浄化槽事業が供用開始後間もないため料金収入が少ないこと、また企業債の償還が始まっていないことによるものと考えております。⑥汚水処理原価についても、平均値と比べますと高い数値を表しております。⑧水洗化率につきましては設置した全ての宅地に対して水洗化を完了しておりますため、100%となっております。
老朽化の状況について
本市の①有形固定資産減価償却率は、こちらは平均値よりも低い数値となっています。これも事業開始後間もないためであると考えております。同様の理由により、②管渠老朽化率及び③管渠改善率は表れておりません。
全体総括
本市の浄化槽事業は、平成25年度より公共下水道事業の計画区域外(主に山間地域)における汚水処理対策として開始し、浄化槽の設置基数は、平成26年度末時点で40基に達しております。前述していますように、本事業は下水道の整備が計画されていない地域の汚水処理対策として、下水道に代わる手段として実施しました。このため、政策的に料金水準を抑制し、早期の普及を目標としています。このようなことから、当面の間は、経営指標としては健全とは言えない状態が続きますが、公共下水道事業会計も含めた総合的な汚水処理対策事業を進めてまいります。