経営の健全性・効率性について
平成28年度においては、平成26年度に下水道使用料の改定を実施したことにより、平成27年度に引き続き①経常収支比率が100%を上回り、経常利益を確保することができました。それに伴い、②累積欠損金比率においては、平成27年度の4.24%から減少し、0%となりました。しかし、建設改良費などへ補てんする資金までは充足しておらず、また、本市は下水道整備への着手が他団体と比べ遅く、未償還企業債が比較的多く残っていることから、③流動比率は類似団体と比べ低い数値となっています。次に、④企業債残高対事業規模比率は、類似団体よりも高い数値となっています。これも、前述の理由による未償還企業債の影響であると考えています。⑥の汚水処理原価についても、類似団体と比べ高い金額となっています。これは、本市が類似団体より下水道整備への着手が遅く、普及率が低いことから、下水道使用料の総収入が少ないこと。また、企業債残高が多く、支払利息についても多額であることから、汚水処理経費が多額となっていることなどによるものと考えています。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率について、こちらは類似団体よりも低い数値となっています。これは本市の老朽管が少ないことを表していますが、本市の下水道整備着手が他団体よりも遅かったことが要因と考えています。このため、本市の管渠は法定耐用年数が経過していない新設管が多くを占めており、管路の更新や長寿命化は行っておらず、②管渠老朽化率及び③管渠改善率には表れていません。
全体総括
平成26年度の使用料改定により、平成27年度に引き続き平成28年度も経常利益を確保することができました。また、累積欠損金についても解消しています。しかし、人口減少などにより、今後は使用料収入の減少が続くことが予想され、経営環境において厳しいものになると考えられることから、経営の健全化を図るため、現在、経営のバランスを考えた下水道整備を計画的に実施しています。また、今後、長寿命化対策等による効率的な管渠更新を実施するため、平成32年度の経営戦略の策定を目標に、平成29年度からストックマネジメント計画策定に着手する予定となっています。