経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率について、本市では計画的に下水道整備を進めている状況にあり、多額の費用を要している。引き続き、国庫補助金等財源確保に努め整備を進めていき、使用料収入を増加させていきたい。平成30年度から令和元年度で減少した理由は、令和2年度から地方公営企業法を適用することに伴い、地方自治法上の特別会計が同年3月31日をもって終了したため(打切決算)、使用料の一部が未収となったこと等によるものである。④企業債残高対事業規模比率について、平成30年度から令和元年度で増加した理由は、企業債残高の増加によるものである。ただし、類似団体よりは低く、投資規模等は適切であると考える。引き続き、計画的に必要な更新を行い、適切に管理していく必要がある。⑤経費回収率について、平成30年度から令和元年度で減少した理由は、収益的収支比率と同様で使用料の一部が未収となったこと等によるものである。引き続き使用料の収納率向上に努める必要がある。⑥汚水処理原価について、類似団体に近い数値となっており、効率的な汚水処理が実施されていると考える。引き続き、水洗化の啓発活動を継続し接続率向上に努め、有収水量の増加に向けて取り組む必要がある。⑦施設利用率については、処理量に大きな変動があった場合や、将来的な管渠整備による供用開始区域の拡大及び下水道普及率の上昇に対応するため、56~64%で推移している。引き続き、管渠整備事業の進捗に従い施設の利用状況や規模の見直し等を計画的に実施していく必要がある。⑧水洗化率については、類似団体より低い数値となっている。平成29年度から令和元年度で下降している理由は、水洗化戸数及び人口の増より処理区域内戸数及び人口の増の方が大きかったことによる。
老朽化の状況について
③管渠改善率については、有形固定資産のうち償却対象資産や法定耐用年数(50年)を経過した管渠がないため、類似団体より低い数値となっている。引き続き、保有資産の老朽化の状況を踏まえて管渠の改善等に努めていきたい。
全体総括
本市における、令和元年度末での管渠整備区域は1,502ha、普及率は86.4%となった。普及率向上のため、今後も生活環境整備の重点事業として整備促進に努めていきたい。下水道事業の長期的に安定した経営には、健全性や計画性・透明性の向上が求められることから、本市では令和2年4月1日に地方公営企業法を適用した。令和元年度末の水洗化率は90.7%となったが、使用料収入の増加を図るため、今後も積極的な啓発活動を行い、水洗化率向上に努める必要がある。なお、経営戦略については、平成30年度に策定済みであり、令和4年度に見直しを行う予定である。