経営の健全性・効率性について
これまでは流域下水道と豊岡浄化センターにおいて終末処理を行っていたが、平成27年4月に静岡県より流域下水道と磐南浄化センターの移管を受けたことで、管理すべき施設が増加した。しかし、景気の低迷と節水機器の普及による使用料収入の減少で、老朽化施設の改築更新等の費用の増大が課題となり、経費回収率が100%を下回り、一般会計からの基準外繰入に頼らざるを得ないのが現状である。このような厳しい財政状況の中で、安定的なサービスを継続して行うために、維持管理の質を確保しながら施設の長寿命化によるコスト縮減を図り、汚水処理費用に見合った使用料の適正化に向けた取り組みが必要と考えられる。
老朽化の状況について
管渠の法定耐用年数を経過しているものは無いため老朽化の状況は健全であり、管渠の改築更新なども実施していない。しかし、民間開発による住宅団地を移管されたものについては、カメラ調査により老朽化状況を確認している。また、今後増加する改修費用の平準化を図るため管理計画を策定し、管路調査による診断を基にした改修計画を策定していく必要があり、事業を進める上で経営に影響を与えることが想定されるため、経営の改善を実施すると共に将来的には財源確保のための料金改定も必要になってくると考えられる。
全体総括
磐田市の下水道施設においては、古い施設では約40年が経過し、保有する施設を適切かつ効率的に管理して下水道施設の機能を十分に維持・発揮させていくことが求められており、引き続き普及促進事業に努めるとともに、保有する施設の維持管理や施設の長寿命化に取り組む必要がある。市の下水道事業を取り巻く環境が大きく変化している中で、住民サービスの向上を図りつつ、下水道事業経営の健全化・効率化を推進するためには、経営基盤の強化を図ることが必要不可欠であることから、下水道事業について地方公営企業法を適用し、公営企業会計の導入を目標にしている。