経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、長期前受金戻入額が前年度に比べて減ったことにより経常収益が減少したため、100%を下回ることとなりました。一般会計からの繰入金に依存している状態ではありますが、令和5年1月からの使用料改定により、今後は使用料収入の増加が見込まれるため、費用の削減に努め、更なる改善を図っていきます。②累積欠損金比率は、0%で健全な経営が行われています。③流動比率は、100%を下回っており、流動負債の企業債償還に対して、流動資産の現金預金が乏しい状況です。④企業債残高対事業規模比率は、類似団体平均と比べて、低く抑えられており、使用料改定により経営改善を図ってまいります。⑤経費回収率は、100%を下回っており、接続率が低く、使用料収入が少ないため、一般会計繰入金に依存している状況です。今後は使用料改定により収入の増加が見込まれ、さらに、経費削減の取組や加入促進を行うことで改善を図っていきます。⑥汚水処理原価は、類似団体平均を下回っていますが、経費削減の取組や加入促進を行い、さらに汚水処理原価の抑制を図っていく必要があります。⑦施設利用率は、平均値を上回っており、今後も管渠を整備していく上で、計画的に施設の増設を進めていき、施設効率の適正化を図っていきます。⑧水洗化率は、類似団体平均を下回っているため、加入促進を行い、水洗化率向上を図っていきます。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は、類似団体平均と比べてかなり低く、②管渠老朽化率及び③管渠改善率は0%となっています。このため、老朽化は比較的進んでいない状況ですが、今後は、耐用年数経過に備えて、ストックマネジメント計画に基づき適切な点検・維持管理を行いながら、更新時期を推測し、改築等の財源の確保を図っていく必要があります。
全体総括
現在は、一般会計繰入金に大きく依存した経営であります。今後は、処理水量増加に伴う施設の増設及び老朽化等による維持管理費の増加が見込まれます。また、使用料収入においても、人口減少や節水機器の普及等により、1軒当たりの使用料が減少傾向となっており、今後の下水道事業経営は大変厳しい状況となると予測されています。それに伴い、下水道事業が持続可能な独立採算による健全経営を実現するために、令和5年1月から下水道使用料を改定を行い、更なる経営改善に取り組んでまいります。