経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率、⑤経費回収率から見ると、両者とも100%未満である上、総収益の約7割を一般会計繰入金に依存している状況であり、使用料収入の確保が必要である。④企業債残高対事業規模比率は、企業債残高の償還を全て一般会計繰入金に依存しているため、指標となる数値は表れてこない。⑤経費回収率、⑥汚水処理原価は、両者とも100%未満である上、類似団体、全国平均を大きく下回っている。これらのことからも投資の効率化や維持管理費の削減、料金水準を見直し等による経営改善を図り、持続可能な下水道事業の推進に努めていく必要があると考える。⑦施設利用率は、類似団体、全国平均を上回っており、利用状況、規模共に適正である。⑧水洗化率は、99.33%と汚水処理が適切に行われており、水質保全に寄与している。
老朽化の状況について
当町の特定環境保全公共下水道事業は、昭和55年4月より志比処理区で、昭和62年4月より中央処理区で供用を開始している。志比浄化センターは供用開始から32年、中央浄化センターは28年経過しており機械設備等の更新時期を迎えつつある。特に志比浄化センターにおいては老朽化が著しいため、経営の効率化の観点から汚水処理を廃止し、中央処理区への統合事業を平成27年度から実施している。現在は、施設、管渠とも更新・老朽化対策は実施していないが、長期的な考えとしては中央浄化センターの長寿命化等について検討をする等、適切に対応していく。
全体総括
当町の特定環境保全公共下水道事業の経常収益は、一般会計からの繰入金に大きく依存し、経営状況は脆弱である。また、中央浄化センターの長寿命化等の大型事業が目前に迫り、その更新投資等に充てる財源確保が求められている。このため、料金体系の見直しによる収益の確保、維持管理費の削減、施設の統廃合等の効率化による費用の削減を行い、経営改善を図る必要がある。